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第六十一章 のんびり生活のはずが
『ネーレーイス』RTA101型
しおりを挟む「惑星管理はどの程度できるの?」
「8体あれば、ローカル専用ネットワークでつないで、各階管理コンピューターの、九割程度の事務処理能力が可能です
「デミ・モンドを単純事務処理から開放できますので、事務処理ロボット姉妹一セットにたいして、三十億の高等知生体のお守というところですか」
「大体、惑星世界一つですか……」
「三十億の高等知生体が存在する惑星世界は、そんなにありません」
「それに惑星世界管理局にいながらですし、現地統治機関が健在ならば、一クルーでなんとか10惑星ぐらいは可能でしょう」
「でも、それでも足りませんね……」
「ヴィーナス・ネットワーク管理RCTに、デミ・モンドさんを全員配属すれば、ここの人手不足は解消できるの?」
「解消できます、ヴィーナス・ネットワーク管理なら、新型事務処理ロボットと膨大なグリセット、さらに補助として、レイルロードのトゥイーニー・オートマトン、RTA001型を配属すれば、そんなに過負荷にならずに、人的資源の三交代制が実現できます」
「つまり、いま三十万人の『天女ニンフ』さんを、三交代制にしたとするとして10万セット、80万台が必要となるのね」
「なんとかマイクロ・インフェニティ・カーゴで、製造できる設計になっています」
「この間、トゥイーニー・オートマトン、RTA001型も製造できるように改設計してありますので、それを流用するということです」
「惑星世界管理局は後で考えることにしましょう、この提案どおりに、ヴィーナス・ネットワーク管理RCTの人手不足を解消を優先しましょう」
ヴィーナスさんは、新型事務処理ロボット姉妹の採用を条件に、サインしました。
後日、デミ・モンドさんの補助ロボットは、『ネーレーイス』と名づけられ、あっという間に量産されたのです。
機能的には文句はありませんが、88タイプのモデルがあり、それぞれに『目』とか『鼻』とか『手』とか『皮膚の色』とかがあり、製造のとき、八体一セットでランダムに製造します。
一応八人姉妹ですので、大雑把なところは同じで、詳細な位置などが微妙に違うという芸の細かさ。
ただ問題もあります、いつも八人姉妹で群れています。
その上、学習機能が変で、徐々にあるウイッチの行動パターンに似てきているのです……
「マレーネさん!これではその昔のアリスではありませんか!」
「おかしいですね……学習機能は正常なのに……回路設計に、アリスの回路を流用したのが、いけなかったのかな……まぁアリスほど、破壊的ではないでしょう」
「たしかにいわれればそうですが……」
そう、この『ネーレーイス』RTA101型は、忠実で優秀です。
機能的には最優秀、あちこちから配属の要請があります。
ただ一つ、このロボットは『おしゃべり』なのです。
そしていまひとつの欠点、美点といってもよいでしょうが、マレーネさんがアリスの回路を流用した結果、14歳の少女の身体なのです。
そしてきわめて綺麗な、お人形のような美少女……なぜか、時々妖艶なのには閉口してしまいます。
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