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第七十三章 神在(かみあ)り騒動

極秘の準備会議 其の一

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「明日の緊急愛人会議の話は聞きましたか?」
「申し訳ないのですが、いますぐエラムウイッチリゾートまできてくれませんか、大事な話なの、私の手に余るわ、知恵を貸してよ」

 三人はすぐにやってきました。
 そしてすぐに打合せを始めたのです。

 サリーさんが会議室に引きこもってしまい、美子さんとマレーネさんが残されますね、置いてけぼりです。

「マスター……シウテクトリは大丈夫でしたか?」
「大丈夫でした、やはり神様ですから、私を立てて下手にでていただけました」
「ミリタリー四軍は今まで通りですよ、心配は無用です」
「マレーネさんには隠し事はありません、今回の私の記憶を開示しますよ」

 美子さん、なぜかマレーネさんの胸を握りしめて、記憶をインストールしました。

「理解しましたが……なぜ私の胸をつかむのですか?普通に考えれば、額とか頭に手を当てるのでは?」
「やはりね、私らしくね、私スケベですから」
「もう、マスターに胸など触られると、欲情するではありませんか!」 
 
 で、美子さんはマレーネさんを、執務室隣の個室に連れ込んで……
「とにかく今回のことに関しては、知恵をかしてね♪」
 満足げに余韻に浸っているマレーネさんにいっていました。

 執務室に戻ると、バルバラさんが立っていました。
 かなり興奮しているような……

「お久しぶりね、ちょっとお茶でもしましょうよ」
「はい……」
 ちょっとガッカリしたような、バルバラさん。

「マレーネさん、先にデザートをね、喫茶室で待っていてね」
「小半時ですよ、サリーさんたちと、お茶しなくてはならないでしょうから」
 
 で、美子さんは執務室で押し倒すという、手荒な真似を……
 
 喫茶室に行くと、マレーネさんが薫さんとエールさんと三人で、優雅にお茶などしています。

「サリーさんから、この二人には、私のほうから説明してほしいと頼まれたもので」

「詳しい説明は済んだのでしょう、全ては明日、それよりエールさんは、エラムウイッチリゾートは始めてなのでは?」

「いいですね、でも、そんなに優雅な気分にはなれません……」

 そのころ、サリーさんたちは、四人で深刻な顔で会議をしています。
「ハレム問題などどうでもいいこと、なんとでもなります!」
「それより相手は舅、姑、しかも神様ということ!どのような衣服で、どのようなご挨拶をすればよいのか、嫌われない為に、どうすればいいのか」

「この際、どうすればいいのか、イシス様にお伺いしてみてはいかがですか」
 アンリエッタさんが提案しました。
 すぐにサリーさんは、イシスさんへオルゴール通信します。

「イシス様、お話は伺いました、このたびはおめでとうございます」
「ありがとう、明日両親に会いに来ていただけるのでしょう、母もたのしみに待っているそうよ」

「それについてご相談があります、私たちは神様に、どのようにご挨拶申し上げればよいのか分かりません」
「失礼のないようにしたいのですが、なにか良き方法を教えていただけないでしょうか?」
「私たち愛人はお嬢様の妻になります、嫁が舅様、姑様に始めてご挨拶するわけですから」

「そんなに気にしなくても良いとは思うけど、そうね、たしかに皆様の立場を考えれば、ちゃんとしなければならないかもね、私もその一人でもあるのだし……」

「神様方はお名前の通り、日本の風習に馴染まれています、神社に参拝する方法がいいかと思います」
「出雲大社にお住まいであられましたので、二拝四拍手一拝を勧めます」
「あとは神社にお参りする要領ですね」

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