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第七十三章 神在(かみあ)り騒動

極秘の準備会議 其の二

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「分かりました、テラの日本の神社にお参りする要領ですね!」

「サリー様、今のお話ですが、ここにいる者は、日本の神社にお参りしたものはおりませんが、要領といわれても……」
 エカテリーナさんです。

「いま鈴木聡子は、テラのナイトマネージャーでしたね」
「私の権限で愛人待遇佳人とします、すぐここに呼びます」

 サリーさん、すぐにダニエラさんに、鈴木聡子の愛人待遇佳人昇格と、即刻にエラムウイッチリゾートの会議室に出頭を命じました。

 鈴木聡子はニライカナイのお風呂に、妹の智子とのんびりと浸かっていました。
 そこへ、
「ご入浴中の鈴木聡子様、いそぎハウスキーパー事務局まで、ご連絡をお願いします」

 聡子さん、とにかく脱衣室にある、レトロな電話の受話器を取り上げます。
 この電話、受話器を持った人の脳波に連動、自動的につながるのです。

「ハウスキーパー事務局です、鈴木聡子様ですか、ダニエラに代わります」
 ダニエラさんが出てきて、
「サリー様の裁可で、今より愛人待遇佳人に昇格されました」
「明日エラムウイッチリゾートの会議室で、緊急の愛人会議が開かれますので、ご出席をお願いします」

「さらに今より即刻、エラムウイッチリゾートの会議室に出頭されるように、サリー様がお待ちです」
「身一つでよいとの事です、時間が優先されます」
「分かりました、すぐに服を着てスーパーハイゲートを使って出頭します」

 いつの間にか、チョーカーが変わっていました。

「智子!エラムウイッチリゾートに行ってくるわ、緊急だそうなの!後は頼みます!」

 浴場の前には、事務局の車が待機していました。
 聡子さんを乗せた車は、すぐに最寄のスーパーハイゲート入り口に転移、30分ほどでエラムウイッチリゾートに到着、会議室に駆け込みました。

 会議室には四人の女が、相当に険しい顔で待っていました。
「鈴木聡子、参りました」
 
「前置きはなしです、まず聞きたいのは、テラの日本での神社の参拝の仕方について教えてください、その時の服装、作法なども、出雲大社のお参りの仕方だそうです」

 意味がよく分からない聡子さんですが、あらん限りの参拝の仕方を披露しています。

「お食事は野菜がベストなのね、お酒も控える、一人エッチも控えるのね……とにかく通達しておくわ」
 で、ダニエラにまたまた連絡しています。

「その色留袖というのが正装なのね、着付けは難しいとの事よね……」
「無地の色留袖としますが、髪はそれようの髪型にしなければ、簡単なヘアアップでよいでしょうから、着付けが出来る方なら出来るでしょう」

 アンリエッタさんが、
「サリーさん、もう時間がありません、それで行きましょう」
「着付けはマルスの日本関係と、蓬莱のアジア大司教区、そしてブリタニカのセパレイティスト・クラブ 日本支部 の、寵妃見習いの中より出来るものを動員しましょう」

「そうね、寵妃見習いなら特例でスーパーハイゲート通過はマレーネさんにお願いできるわ」
 
 今度はマレーネさんへ通信です。
 マレーネさん、スーパーハイゲートなどといわず、指名されたものを、即刻転移させると確約などしています。

「マスター、サリーさんたち、大変な意気込みで準備していますよ」
「今回の愛人会議には私は出ませんからね、マレーネさん、上手く裁いてね、サリーさんたち、パニックみたいですから」
 こういうと美子さん、バルバラさんを連れて私室に……
 マレーネさんが呆れていました。

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