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第七十三章 神在(かみあ)り騒動
極秘の準備会議 其の三
しおりを挟む続々と会議室に、該当の女たちが転移してきます。
「皆様、ご苦労様です、明日、緊急愛人会議がここで開かれます」
「訳はいえませんが、愛人の皆様は色留袖を着ることになります」
「勿論私を含めて、始めての方がほとんど、皆様には着付けと、簡単な髪のヘアアップを担当していただきます」
「それから明日の昼間までは、身をつつしみ一人エッチなどは禁止、お食事も精進というのですか、お肉、お魚は控えてください」
「明日の午前中は忙しいと思います、とりあえず本日は入浴などして、身を清めておいてください、細かいことはこの鈴木聡子に従ってください」
サリーさん、皆を下がらせて、
「聡子さん、なんの説明もせずにごめんなさいね」
「実はね、明日、愛人一同でお嬢様と姉上様のご両親様、そしておじい様に拝謁するのよ」
「妻として、始めてご家族にお会いするの」
「お嬢様のご家族ってのはね、この世をおつくりになった神々さま」
「聞いたことはあるでしょう?この話、守秘義務がかかるから絶対に喋れないわよ」
「サリー様、麗人の皆様も、愛人待遇として明日の拝謁に加われませんか?」
「とくにエラムの方々は、美子様の妻としての資格は十分におありです」
「そうね……麗人も……愛人待遇として、明日きてもらいましょう」
「そうね、この際、貴女を含めて麗人待遇佳人の四人と、佳人のアリシアさんは愛人待遇佳人に昇格、この五人も明日きてもらいましょう」
サリーさん、またまたダニエラさんへ通信です。
ハウスキーパー事務局は大騒動になりました。
ただでさえテンテコマイをしているところに、今度は麗人を昇格、明日の会議に間に合わせろといわれても……
「今からでは間に合いません、会議の日を延ばしていただけませんか」
そこへマレーネさんが、通話に割ってきました。
「私と薫とエールで対処しましょう」
「ハウスキーパー事務局は昇格者の事務処理、そしてエラムウイッチリゾートにおける、会議参加者の宿泊場所の手配をお願いします」
「サリーさん、いまは時間が優先、いいでしょう」
「マレーネさん、助かります、ではダニエラ、事務処理、お願いしますね」
マレーネさん、サリーさんの要請で、該当人員を夕食前までに転移させ、そして色留袖など服装一式も、大量に出しました。
「全員到着していますよ、いろいろあるでしょうから、食事会などして、今回のことの説明を始めてはいかがですか」
で、エラムウイッチリゾートの食堂で、食事会などが始まったのです。
食事といっても急なことなので、コッペハウスからの提供となります。
「まずは、今まで麗人に甘んじていた方は、愛人待遇麗人に昇格させていただきました」
「また一部の佳人の方も、愛人待遇佳人に昇格していただきました、今回の緊急愛人会議に出席すべき方と判断されたからです」
「幸い早めに皆様の御参集となりましたので、食事でも共にしながら、今回のことについてご説明いたします」
ひな壇にはサリーさん以下、アナスタシア、アンリエッタ、エカテリーナが並んでいます。
ただならぬ雰囲気が漂っています。
マレーネさんなど、事態を知る一部の者も同様です。
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