105 / 113
第四十八章 悲嘆のエネルギー
嘆きのエネルギー
しおりを挟むニライカナイの夜時間、私のお家です。
姉は胡坐などかいて、私の前に座っています。
姉が気が付き、「『天之御中主(あめのみなかぬし)』様ですか……」と呟きました。
時が動き始めました。
「姉さん、終わりました」
「なにが?」
私はこまごまと説明しました。
「では、今の一瞬の間に……その世界はエラムと名乗ったの?」
頷く私。
「とにかくアナーヒターは休みなさい、後の処置は私が手配してあげる」
「姉さん……私……狂いそうなの……」
「ハイドリッヒの件?」
再び頷く私。
嬉しそうな顔をした姉。
「イシス!とことん可愛がってあげる!」
私は手荒く姉を抱きよせました。
朝まで延々と、私はイシス抱いていました。
梵天ブラフマーは、舌打ちしながらこれを見ていた。
……これでルシファーの嘆きのエネルギーは回収できなくなった、エネルギーが弱くなってきた、しかし十分すぎる量を回収できたぞ……
翌日、姉も私も疲れ果てていました。
特に私はあれだけの行為をしたのか、枕が上がりません。
姉が、
「今日一日は休みなさい、とにかく何も考えずにね、貴女は目的を達したのです」
「幽子の具現化は阻止できた、当面の危機は回避できたのです、後処理は任せなさい」
「そうします、すごく疲れました」
かろうじて、そのように答えたような気がします。
イシスは考え込んでいた。
アナーヒターは余程、心が疲れているのね、何かで忘れたいのね……嘆きのエネルギーですか……
イシスはニライカナイの会議室に、マレーネとサリーとシウテクトリを呼んだ。
序列二位として招集である、当然のように正式の礼装を着込んでいる。
「先にサリーに命じておく、本日はヴィーナス様に誰も近づけないように、途方もなく疲労されている、話の前にすぐに手配をしてください」
サリーがすぐに手配しに行き、しばらくして戻ってきた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
2
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる