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第一章 セレスティア・デヴィッドソンの物語 パープル・ウィドウ
聴聞
しおりを挟む二人はニライカナイで、ミコとその姉でアーチダッチェスのイシス、ハウスキーパーのサリー、レディーズ・メイドのアナスタシア、最高顧問とも噂されるマレーネ、あと惑星テラの監視端末のエールに、説明することになる。
マレーネが、
「テラの三級市民地域の一部に、二級にあるべき高等女学校を設立したそうですね、ここにいる者は、その真意を理解してはいます」
「しかし一応決まり事を確信犯で破った以上、なんらかのケジメを付けざるえません」
「貴女たちはどのように収めるつもりか、まずはそこをお聞きしましょう」
レディーズ・メイドのアナスタシアが、
「よく考えて返事してくださいね、この後の百合の幹部会議は、波乱必定ですからね」
ハウスキーパーのサリーが、
「今回は、お嬢様のお色気作戦は効きませんよ、なんせ怒りの矛先は、貴女たちへ向いています」
「少し読みが甘いとおもいますよ、ミリタリーも怒っていますからね」
「近頃はあの方たちも女ですからね、それにミコ様を『だし』にしたと、息巻いていましたから」
忍が、
「私の責任です、セレスティアさんは、私の思いを汲んで動いてくれました」
「セレスティアさんは身体を代価とする御覚悟、私は皆様の前で、鞭打ちを受けたいと考えています」
イシスが、「鞭打ち、皆の前で?」と聞きますので、「はい」と答えた忍。
「それでもご不満なら、チョーカーを返上いたします」
イシスが激怒した。
「脅すのですか、それならそうして貰いましょうか、ここで責任を問わなくては、示しがつかなくなる」
「寵妃が確信犯で命令違反をし、挙句に居直ってチョーカー返上、そんなことをいわれて、お構いなしとはいかない、悪しき先例となり、続くものが出る」
サリーがとりなすように、
「イシス様、忍もそのような意味で、云ったのではないと考えます」
「ただ責任を取る場合、最後はそのような覚悟も持っていると、云いたかったのでしょう、当然死も覚悟しているはず」
エールが、
「ミコ様のお考えを、聞くべきではありませんか?」
「私たちは全てミコ様の奴隷、主が死を命じれば、それに従う事が義務、忍もそれなりの覚悟、どのような命令も受け入れるでしょう」
「ただセレスティアの場合は、名誉待遇夫人、厳密にいえば民間人、厳罰は控えるべきでしょう」
ここで初めて、ミコが口を開いた。
「たしかに、いつかは三級の一部は、二級にしても良いでしょう、遅いか早いかです」
「北米は一度となく、ナーキッドに牙をむいた地域、おいそれと二級には出来ません」
「また基本的には、四級地域は高等女学校設立と同時に、正式に三級に認定、卒業生が出る五年後に、社会体制が二級にふさわしくないとなれば、見送りとしましょう」
「つまり、二人の行為の結果は認めても良い、ただ独断専行は、いささか罪に問わなくては、けじめがつかないでしょう」
「セレスティアさんは、確かに民間人に近い名誉待遇夫人、独断専行の代価として、その身を貰い受けましょう」
「降格して清女としたいところですが、今までのご主人の貢献を認めなくてはなりませんので側女、五年後に夫人に戻しましょう。
「上杉忍も降格ですが、彼女の職種を考えると、一階級降格の佳人待遇夫人、でもこれでは甘いですね」
「セレスティアもこの時点で側女、私の奴隷になるわけで、懲罰を共に受けてもらいます」
「懲罰?何にするの?」とイシスが聞く。
「鞭打ちも考えたのですが、一応私の物ですので、傷つけるのはね、私ケチですから」
サリーとアナスタシアが、クスッと笑った。
「お嬢様、で御仕置きはなんにするのです」
「まぁそれはね、後のお楽しみ、百合の幹部会議で発表しますよ」
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