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第二章
27 ようこそアランドルベルムへ
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隣国と接する辺境の地、アランドルベルム。
しかし、隣国との交流はほぼないので、貿易や観光を主とする領地とは違い、国境の防衛を主としている。
常駐する辺境騎士団を統べ、この地を治めているのがパスカリーノ辺境伯家である。
「アリー!ようこそアランドルベルムへ!来てくれて嬉しい!」
「お出迎えありがとう、ローザ。すごく素敵な所ね!」
ロザリンドが領地に戻った数日後、約束通りアリソンがアランドルベルムにある、パスカリーノ本邸へやってきた。
「おい、歓迎はアリーだけか?」
なぜかウォーレンを伴って。
「え?なんでウォーレン様まで?」
「心配症のコイツの婚約者様から言われて、同伴したんだよ。お目付け役だ」
「ふふふ、本当にお邪魔よね」
アリソンの婚約者の王太子から言われて、一緒に来たらしいウォーレンに、ロザリンドは少し驚いたが、「なんだそうなのねー」とあまり気にせず受け入れた。
「本当に緑が豊かで自然に囲まれた街なのね」
「この辺はそうね。深い森に囲まれてるから、街道を通らないと辿り着けないの。もっと国境の方に行くと、岩山が多い山岳地帯が続くの。地形を利用した砦なんかもあって、冒険心が擽られること間違いなしよ!」
「いやいや、普通に危険地帯だよね?盗賊とか出るって聞いたよ??」
「そうね、盗賊が出たら捕まえないといけないわね。あら、それってなんか探偵団っぽくない?」
「普通の令嬢は自ら捕まえようと思わないからね!?」
邸の入口でお決まりのやり取りをしていると、奥から金色の髪を撫でつけた大柄で強面な男性と、白銀の髪を一つにまとめた美女がやってきた。現パスカリーノ辺境伯ジェームズ・ヴァン・パスカリーノと、その妻リリアン・ディーン・パスカリーノ。ロザリンドの両親だ。
「…ようこそアランドルベルムへ。当主のジェームズ・ヴァン・パスカリーノです」
表情を変えずに、低く響く声で挨拶をしたジェームズに対し、わくわくとした顔で、ロザリンドたちを見つめるリリアン。この表情はロザリンドにそっくりだ。
「ようこそ我が家へ!リリアン・ディーン・パスカリーノよ~。ローザにこんなに素敵なお友達が出来たなんて!気付いた時には野生児みたいになってたから、ちゃんとしたご令嬢のお友達が出来たなんて嬉しいわ~!」
「キャッ」と笑いながらアリソンの両手を取ったリリアンは、アリソンの隣りにいたウォーレンに気付くと、パッと華やいだ様な表情になる。
「ローザ!恋人を連れてくるなら、ちゃんと連絡しておいてー!もっとオシャレしたのに!」
「「ほへ?」」
突然のリリアンの発言に、ロザリンドとウォーレンは揃っておかしな声を出し、それを見たアリソンは吹き出し、ジェームズは眉間に皺を寄せて悪党顔になった。
しかし、隣国との交流はほぼないので、貿易や観光を主とする領地とは違い、国境の防衛を主としている。
常駐する辺境騎士団を統べ、この地を治めているのがパスカリーノ辺境伯家である。
「アリー!ようこそアランドルベルムへ!来てくれて嬉しい!」
「お出迎えありがとう、ローザ。すごく素敵な所ね!」
ロザリンドが領地に戻った数日後、約束通りアリソンがアランドルベルムにある、パスカリーノ本邸へやってきた。
「おい、歓迎はアリーだけか?」
なぜかウォーレンを伴って。
「え?なんでウォーレン様まで?」
「心配症のコイツの婚約者様から言われて、同伴したんだよ。お目付け役だ」
「ふふふ、本当にお邪魔よね」
アリソンの婚約者の王太子から言われて、一緒に来たらしいウォーレンに、ロザリンドは少し驚いたが、「なんだそうなのねー」とあまり気にせず受け入れた。
「本当に緑が豊かで自然に囲まれた街なのね」
「この辺はそうね。深い森に囲まれてるから、街道を通らないと辿り着けないの。もっと国境の方に行くと、岩山が多い山岳地帯が続くの。地形を利用した砦なんかもあって、冒険心が擽られること間違いなしよ!」
「いやいや、普通に危険地帯だよね?盗賊とか出るって聞いたよ??」
「そうね、盗賊が出たら捕まえないといけないわね。あら、それってなんか探偵団っぽくない?」
「普通の令嬢は自ら捕まえようと思わないからね!?」
邸の入口でお決まりのやり取りをしていると、奥から金色の髪を撫でつけた大柄で強面な男性と、白銀の髪を一つにまとめた美女がやってきた。現パスカリーノ辺境伯ジェームズ・ヴァン・パスカリーノと、その妻リリアン・ディーン・パスカリーノ。ロザリンドの両親だ。
「…ようこそアランドルベルムへ。当主のジェームズ・ヴァン・パスカリーノです」
表情を変えずに、低く響く声で挨拶をしたジェームズに対し、わくわくとした顔で、ロザリンドたちを見つめるリリアン。この表情はロザリンドにそっくりだ。
「ようこそ我が家へ!リリアン・ディーン・パスカリーノよ~。ローザにこんなに素敵なお友達が出来たなんて!気付いた時には野生児みたいになってたから、ちゃんとしたご令嬢のお友達が出来たなんて嬉しいわ~!」
「キャッ」と笑いながらアリソンの両手を取ったリリアンは、アリソンの隣りにいたウォーレンに気付くと、パッと華やいだ様な表情になる。
「ローザ!恋人を連れてくるなら、ちゃんと連絡しておいてー!もっとオシャレしたのに!」
「「ほへ?」」
突然のリリアンの発言に、ロザリンドとウォーレンは揃っておかしな声を出し、それを見たアリソンは吹き出し、ジェームズは眉間に皺を寄せて悪党顔になった。
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