29 / 92
アルシア移住
物件購入
しおりを挟む
「あー、遠めから見掛けただけだから」
「あの蛇はですね、もう何十年も討伐出来てないんです。固い上に魔法も効きにくいし、大きいし毒もあるんですよ」
(いえいえ、百年以上前から徘徊してたみたいですよ?)
──心の中でツッコミつつ、真面目な顔をしてチェシャの話を聞く。
「とりあえず報告はしたということで、今日は帰る」
「お疲れ様でした。ゆっくり休んでくださいね!進展あったらお手紙出しますので」
忙しそうなチェシャに別れを告げ、思い直して併設食堂で一杯だけケヴェを飲んで帰ろうという気になった。
依頼完了は半額だしね。
レモン入りケヴェを受け取り隅っこに座ってゆっくり飲んでいると、隣の席の若いパーティーが話し掛けてきた。
女性混成の若いパーティーだ。
私のオリハルコンの鎧と魔剣に興味津々。
いい鎧とは!剣とは!で、そこそこ盛り上がったけれども──エルフ怖くないのかしらね、この子ら。
女の子の一人は前衛らしく、防具を新調するか迷ってるらしい。
無理してでも、買えるなら防具は良いのを買った方がいい。
武器より優先順位高いと思う、と私は答えた。
思い返してみると、この世界の女性の戦闘装備って露出高いの見たことないなぁ。
谷間やらお腹、太ももなんてがっちり装備だよね。
刺されたら死ぬもん。
転移者が良く例にあげるビキニアーマーとか、むしろ急所丸出しだし死にに行くようなもんじゃない?
やっぱり想像の産物だから、実用性は無いのだろう。
物理的な意味で、普通に危ないものね。
賑やかな彼らに別れを告げて、領主の森の転移点までトコトコ歩く。
(ああ、街中に転移点確保したい)
途中、洗濯物を取り込んでいるメアリの前を通りがかったので、数日お勉強に行かないことを告げた。
その後ようやく森に入り、転移して帰宅。
特濃魔力水でお風呂だ。
「うわーーつっかれた」
衛生魔法で大きな汚れは取ったけど、サッと髪と体を洗ってお湯に飛び込んだ。
あんなに走ったのって本当に久しぶりだ。
アンディ君、三十キロくらいあったと思うし。
次回ハグイェアに行くときは、のんびりゆっくり一人で行きたい。
「髪も随分伸びたわねぇ」
浴室に独り言が響く。
もちろん、伸ばそうと思えば伸ばせるのだが、何もしない場合、私の髪の毛は伸びるのが遅め。
今、腰近くまであるけれど五千年くらい前にバッサリとショートカットにして以来、数百年に一回毛先を整える位しか切ってない。
(ロングヘアに不便は感じて無いから、構わないんだけれどねぇ)
エルフの髪は魔力の宝庫だし、特に私の髪は媒体としても優秀だ。
でも身体から離れたら消えてしまうから、使い勝手が悪すぎて出番は滅多に無い残念素材でもある。
「ふー」
明日は街中の拠点探し。
あと、キャンディにプラナをあげに行こうかな。
気分が乗ったら、一緒に襲歩に行ってもいいかもしれない。
ゴブリンは明後日でいいや。
髪を乾かした後、道中買い込んで来た物を広げてお一人様パーティーだ。
今日はお米のお酒がいい。
味はそのまんま日本酒だし、美味しい。
私は米酒を取り出して、一緒に買ったお猪口で飲み始めた。
おお、すっごい辛口。
「すっきりしていて飲みやすいわぁ」
旨味と少しの酸味、キレのあるいい酒だ。
紙のラベルを見ると米の酒と書いてあるけれど添えるように【夜ひと夜】とある。
私にはわかる、これは日本語だ。
こっちの人は、漢字がなにかの模様かロゴだと思ってるけど。
この酒蔵、創始者が転生か転移して来た人なんだろうなぁ。
買ってきたおつまみも悪くない。
野菜のピクルス、米酒に合うわー。
肉厚な白身魚の塩焼きも実に美味しい。
あと、ポテトフライ。
芋類はホラーチって呼ばれてるけど、揚げたものは何故かポテトフライなのよ。
考案者の出自が良くわかるネーミングよね。
絶対日本人よ。
色々買い込んだけど、今日のお供はこれで良い。
──結果、この日もソファーで寝落ちたみたい。
起きたら昼過ぎだった。
シャワーを浴びて、出掛ける支度。
私はメイの姿で街に行って、ヴィルヌの輪で昼食をとることにした。
相変わらずランチは肉か魚だけど、今日はパスタもあるみたい。
貝のパスタを注文して、ピーネの香りがする水を飲んでのんびり待つ。
当然ながら、この世界では水は有料だ。
……貝のパスタって言ってたけど、これはボンゴレビアンコね。
ちょっと味が濃いけど美味しい。
(ここ、ほんとは夜がメインでお酒飲む店だもんねぇ)
そういう味だ。
同じパスタを食べている隣の席のおじさまは、堪えきれずエールを注文している。
私も飲みたかったが、店が行列になっているのでさっさと食べて席をあける事にした。
自分に消臭魔法をかけ、貸し部屋か貸倉庫がないか歩き回って探してみる。
幾つかあったが、国民証がいるらしい。
メイの姿でジューンの国民証はバレたら問題になりそうだから、無し。
堂々とエルフとして借りに行った方がよさそうだ。
人が周囲にいないのを確認して、変化魔法を解除してゼライ不動産に向かう。
ちょうど昼休憩から戻ってきたゼライさんに会ったので、事情を話してみた。
宿屋の長期滞在は出入りの時に見られる可能性が大きいので、却下だし自己物件がいい。
──どの時間帯でも出入り可能、かつ少量の荷物を置けて着替える事が出来る場所。
この条件に合致する物件を、街の中心部で確保しておきたい。
「あると思いますよ、紋章付き国民カードがあれば家賃さえあれば問題ないかと。ただエルフさんだと月々じゃなくて年払いになっちゃうかもですが」
事務所で物件がまとめられた冊子を見せてもらう。
シェアハウス……ダメ。
一軒家の二階部分……ダメ。
物置小屋……郊外すぎる。
うーん、希望に合うものがない。
「ゼライさん、中心部で私でも大丈夫そうな販売物件はない?」
「幾つかありますよ。売り主次第になりますが」
あ、これいいじゃない。
商店街の一番角の小さいお店。
「ああ、ここですか。ここはまだ近所に売り主が住んでらっしゃるけど、売れたら息子さんの所に行きたいらしくてね」
「ええ」
「一等地なのと希望価格が強気なもんで、なかなか売れずに数年年経ってるんですよ。薬師さんのお店だったので、清潔なのは保証します」
「いいわね」
「見に行って見ますか?」
私は頷き、ゼライさんと一緒に五分ほど歩いて商店街に行くことにした。
その物件は、平屋の小さなお店だった。
昔日本で見たタバコ屋さんみたいな感じで、道路に面した窓が販売口ってタイプだ。
窓際にカウンターと小さな椅子があるけど、とにかく狭い。
建物の奥行きはもうちょっとあって、極小部屋が一つ。
本当に狭いけど、私の目的には合ってる。
「場所は良いんですけどねえ、建物の形と土地が今の時代だとあまりにも小さすぎてね。ですが、ジューンさんの希望には合うんじゃないですか?
窓は板で塞いでしまえば目隠しも万全ですし」
売ってくれるかどうかなんだよね。
強気な値段でもいいのよ、別に。
私、エルフだし文句は言わずに買うわ。
「あの蛇はですね、もう何十年も討伐出来てないんです。固い上に魔法も効きにくいし、大きいし毒もあるんですよ」
(いえいえ、百年以上前から徘徊してたみたいですよ?)
──心の中でツッコミつつ、真面目な顔をしてチェシャの話を聞く。
「とりあえず報告はしたということで、今日は帰る」
「お疲れ様でした。ゆっくり休んでくださいね!進展あったらお手紙出しますので」
忙しそうなチェシャに別れを告げ、思い直して併設食堂で一杯だけケヴェを飲んで帰ろうという気になった。
依頼完了は半額だしね。
レモン入りケヴェを受け取り隅っこに座ってゆっくり飲んでいると、隣の席の若いパーティーが話し掛けてきた。
女性混成の若いパーティーだ。
私のオリハルコンの鎧と魔剣に興味津々。
いい鎧とは!剣とは!で、そこそこ盛り上がったけれども──エルフ怖くないのかしらね、この子ら。
女の子の一人は前衛らしく、防具を新調するか迷ってるらしい。
無理してでも、買えるなら防具は良いのを買った方がいい。
武器より優先順位高いと思う、と私は答えた。
思い返してみると、この世界の女性の戦闘装備って露出高いの見たことないなぁ。
谷間やらお腹、太ももなんてがっちり装備だよね。
刺されたら死ぬもん。
転移者が良く例にあげるビキニアーマーとか、むしろ急所丸出しだし死にに行くようなもんじゃない?
やっぱり想像の産物だから、実用性は無いのだろう。
物理的な意味で、普通に危ないものね。
賑やかな彼らに別れを告げて、領主の森の転移点までトコトコ歩く。
(ああ、街中に転移点確保したい)
途中、洗濯物を取り込んでいるメアリの前を通りがかったので、数日お勉強に行かないことを告げた。
その後ようやく森に入り、転移して帰宅。
特濃魔力水でお風呂だ。
「うわーーつっかれた」
衛生魔法で大きな汚れは取ったけど、サッと髪と体を洗ってお湯に飛び込んだ。
あんなに走ったのって本当に久しぶりだ。
アンディ君、三十キロくらいあったと思うし。
次回ハグイェアに行くときは、のんびりゆっくり一人で行きたい。
「髪も随分伸びたわねぇ」
浴室に独り言が響く。
もちろん、伸ばそうと思えば伸ばせるのだが、何もしない場合、私の髪の毛は伸びるのが遅め。
今、腰近くまであるけれど五千年くらい前にバッサリとショートカットにして以来、数百年に一回毛先を整える位しか切ってない。
(ロングヘアに不便は感じて無いから、構わないんだけれどねぇ)
エルフの髪は魔力の宝庫だし、特に私の髪は媒体としても優秀だ。
でも身体から離れたら消えてしまうから、使い勝手が悪すぎて出番は滅多に無い残念素材でもある。
「ふー」
明日は街中の拠点探し。
あと、キャンディにプラナをあげに行こうかな。
気分が乗ったら、一緒に襲歩に行ってもいいかもしれない。
ゴブリンは明後日でいいや。
髪を乾かした後、道中買い込んで来た物を広げてお一人様パーティーだ。
今日はお米のお酒がいい。
味はそのまんま日本酒だし、美味しい。
私は米酒を取り出して、一緒に買ったお猪口で飲み始めた。
おお、すっごい辛口。
「すっきりしていて飲みやすいわぁ」
旨味と少しの酸味、キレのあるいい酒だ。
紙のラベルを見ると米の酒と書いてあるけれど添えるように【夜ひと夜】とある。
私にはわかる、これは日本語だ。
こっちの人は、漢字がなにかの模様かロゴだと思ってるけど。
この酒蔵、創始者が転生か転移して来た人なんだろうなぁ。
買ってきたおつまみも悪くない。
野菜のピクルス、米酒に合うわー。
肉厚な白身魚の塩焼きも実に美味しい。
あと、ポテトフライ。
芋類はホラーチって呼ばれてるけど、揚げたものは何故かポテトフライなのよ。
考案者の出自が良くわかるネーミングよね。
絶対日本人よ。
色々買い込んだけど、今日のお供はこれで良い。
──結果、この日もソファーで寝落ちたみたい。
起きたら昼過ぎだった。
シャワーを浴びて、出掛ける支度。
私はメイの姿で街に行って、ヴィルヌの輪で昼食をとることにした。
相変わらずランチは肉か魚だけど、今日はパスタもあるみたい。
貝のパスタを注文して、ピーネの香りがする水を飲んでのんびり待つ。
当然ながら、この世界では水は有料だ。
……貝のパスタって言ってたけど、これはボンゴレビアンコね。
ちょっと味が濃いけど美味しい。
(ここ、ほんとは夜がメインでお酒飲む店だもんねぇ)
そういう味だ。
同じパスタを食べている隣の席のおじさまは、堪えきれずエールを注文している。
私も飲みたかったが、店が行列になっているのでさっさと食べて席をあける事にした。
自分に消臭魔法をかけ、貸し部屋か貸倉庫がないか歩き回って探してみる。
幾つかあったが、国民証がいるらしい。
メイの姿でジューンの国民証はバレたら問題になりそうだから、無し。
堂々とエルフとして借りに行った方がよさそうだ。
人が周囲にいないのを確認して、変化魔法を解除してゼライ不動産に向かう。
ちょうど昼休憩から戻ってきたゼライさんに会ったので、事情を話してみた。
宿屋の長期滞在は出入りの時に見られる可能性が大きいので、却下だし自己物件がいい。
──どの時間帯でも出入り可能、かつ少量の荷物を置けて着替える事が出来る場所。
この条件に合致する物件を、街の中心部で確保しておきたい。
「あると思いますよ、紋章付き国民カードがあれば家賃さえあれば問題ないかと。ただエルフさんだと月々じゃなくて年払いになっちゃうかもですが」
事務所で物件がまとめられた冊子を見せてもらう。
シェアハウス……ダメ。
一軒家の二階部分……ダメ。
物置小屋……郊外すぎる。
うーん、希望に合うものがない。
「ゼライさん、中心部で私でも大丈夫そうな販売物件はない?」
「幾つかありますよ。売り主次第になりますが」
あ、これいいじゃない。
商店街の一番角の小さいお店。
「ああ、ここですか。ここはまだ近所に売り主が住んでらっしゃるけど、売れたら息子さんの所に行きたいらしくてね」
「ええ」
「一等地なのと希望価格が強気なもんで、なかなか売れずに数年年経ってるんですよ。薬師さんのお店だったので、清潔なのは保証します」
「いいわね」
「見に行って見ますか?」
私は頷き、ゼライさんと一緒に五分ほど歩いて商店街に行くことにした。
その物件は、平屋の小さなお店だった。
昔日本で見たタバコ屋さんみたいな感じで、道路に面した窓が販売口ってタイプだ。
窓際にカウンターと小さな椅子があるけど、とにかく狭い。
建物の奥行きはもうちょっとあって、極小部屋が一つ。
本当に狭いけど、私の目的には合ってる。
「場所は良いんですけどねえ、建物の形と土地が今の時代だとあまりにも小さすぎてね。ですが、ジューンさんの希望には合うんじゃないですか?
窓は板で塞いでしまえば目隠しも万全ですし」
売ってくれるかどうかなんだよね。
強気な値段でもいいのよ、別に。
私、エルフだし文句は言わずに買うわ。
30
あなたにおすすめの小説
ガチャで大当たりしたのに、チートなしで異世界転生?
浅野明
ファンタジー
ある日突然天使に拉致された篠宮蓮、38歳。ラノベは好きだが、異世界を夢見るお年頃でもない。だというのに、「勇者召喚」とやらで天使(自称)に拉致られた。周りは中学生ばっかりで、おばちゃん泣いちゃうよ?
しかもチートがもらえるかどうかはガチャの結果次第らしい。しかし、なんとも幸運なことに何万年に一度の大当たり!なのにチートがない?もらえたのは「幸運のアイテム袋」というアイテム一つだけ。
これは、理不尽に異世界転生させられた女性が好き勝手に生きる物語。
異世界転生日録〜生活魔法は無限大!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
☆感想の受付開始しました。
【あらすじ】
異世界に転生したルイは、5歳の高熱を境に、記憶を取り戻す。一度は言ってみたい「ステータス・オープン」で、ステータスを見れることに気付いた。スキル「生活魔法∞(無限大)」を発見。その意味を知るルイは、仄かに期待を抱いた。
それと同時に、今世の出自である農家の四男は、長男大事な両親の態度に、未来はないと確信。
家族に隠れて、ステータスにあったスキルの一つ「鑑定」を使い、村のお婆(薬師)相手に、金策を開始。
十歳の時に行われたスキル鑑定の結果を父に伝えたが、農家向きのスキルではなかったルイは「家の役には立たない」と判断され、早々に家を追い出される。
だが、追放ありがとう!とばかりに、生活魔法を知るべく、図書館がある街を目指すことにしたルイ。
最初に訪れた街・ゼントで、冒険者登録を済ませる。だがそのギルドの資料室で、前世の文字である漢字が、この世界の魔法文字だという事実を知ることになる。
この世界の魔法文字を試したルイは、魔法文字の奥深さに気づいてしまった。バレないように慎重に……と行動しているつもりのルイだが、そんな彼に奇妙な称号が増えて行く。
そして、冒険者ギルドのギルドマスターや、魔法具師のバレンと共に過ごすうちに、バレンのお師匠様の危機を知る。
そして彼に会いにいくことになったが、その目的地が、図書館がある魔法都市アルティメットだった。
旅の道中もさることながら、魔法都市についても、色々な人に巻き込まれる運命にあるルイだったが……それを知るのは、まだ先である。
☆見切り発車のため、後日変更・追記する場合があります。体調が不安定のため、かける時に書くスタイルです。不定期更新。
☆カクヨム様(吉野 ひな)でも先行投稿しております。
最安もふもふ三匹に名前をつける変な冒険者ですが、この子たちの力を引き出せるのは私だけです ~精霊偏愛録~
Lihito
ファンタジー
精霊に名前をつける冒険者は、たぶん私だけだ。
うさぎのノル、狐のルゥ、モモンガのピノ。三匹とも最安の契約で、手のひらに乗るサイズ。周りからは「手乗り精霊で何ができる」と笑われている。
でも、この子たちへの聞き方を変えるだけで、返ってくる答えはまるで違う。三匹の情報を重ねれば、上位の精霊一体では見えないものが見える。
上位パーティが三度失敗した大型討伐。私は戦わない。ノルに地中を、ピノに上空を、ルゥに地上を調べさせて、答えを組み上げる。
——この世界の精霊の使い方、みんな間違ってませんか?
『異世界ごはん、はじめました!』 ~料理研究家は転生先でも胃袋から世界を救う~
チャチャ
ファンタジー
味のない異世界に転生したのは、料理研究家の 私!?
魔法効果つきの“ごはん”で人を癒やし、王子を 虜に、ついには王宮キッチンまで!
心と身体を温める“スキル付き料理が、世界を 変えていく--
美味しい笑顔があふれる、異世界グルメファン タジー!
王女様は温かいごはんが食べたい ~冷えた王宮料理を変えたら、オープンキッチンと政略婚約がついてきました~
しおしお
恋愛
異世界の王女リリアーヌは、前世の記憶を持つ転生者。
豪華絢爛な王宮で暮らし始めた彼女だったが、ひとつだけどうしても耐えられないことがあった。
――食事が、冷めているのだ。
どれほど立派な料理でも、ぬるいスープや冷めた肉ではホッとできない。
「温かいごはんが食べたい」
そのささやかな願いを口にしたことから、王宮ではなぜか大騒動が巻き起こる。
地下厨房からの高速搬送。
専用レーンを爆走するカートメイド。
扉の開閉に命をかけるオープナー。
ついには食堂に火を持ち込むオープンキッチンまで誕生して――!?
温かさは、ホッとさせてくれる。
それは料理だけではなく、人との距離まで少しずつ変えていくものだった。
冷えた王宮に湯気と笑顔を取り戻す、
食と温かさをめぐる宮廷日常コメディ!
-
異世界カントリーライフ ~妖精たちと季節を楽しむ日々~
楠富 つかさ
ファンタジー
都会で忙しさに追われる日々を送っていた主人公は、ふと目を覚ますと異世界の田舎にいた。小さな家と畑、そして妖精たちに囲まれ、四季折々の自然に癒されるスローライフが始まる。時間に縛られず、野菜を育てたり、見知らぬスパイスで料理に挑戦したりと、心温まる日々を満喫する主人公。現代では得られなかった安らぎを感じながら、妖精たちと共に暮らす異世界で、新しい自分を見つける物語。
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる