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出禁 プロローグ
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そこは湿度の高い、薄暗がりの洞窟の奥。
壁は結露なのか、壁から染み出た地下水なのか、<明りの精霊>の光を反射してぬめぬめと光っている。
足元は泥か何か、あまり考えたくもないもので満たされている。
そんなダンジョンの奥の湿地帯に生息するのが【マッドキャタピラ】だ。
虫か獣か、どちらともいえない鳴き声を発しながら奴らはオレに襲い掛かってくる。
オレは剣を横なぎにふるって、大人の太ももほどはある薄茶色のそいつらをなぎ払う。
「オラオラオラッ、いい加減涌いてくるんじゃねえッ! 」
背中側は鉄のように硬い皮に覆われていて、剣で叩くと本当に鉄の鎧を叩いたような金属音がする。だがひっくり返してやれば柔らかい弱点が丸出しの楽勝な魔物だ。
やがて【マッドキャタピラ】は、ピーと最後の絶叫を残して動く物は一つとしてなくなり、洞窟を静寂が支配した。
いや、オレの荒い息づかいだけがダンジョンに響く。
「はあはあ、やっと全部倒しきったか。数が少なけりゃ簡単な魔物なのに。珍しく数が沸いたな」
息を整えたオレは、足元に転がる芋虫の魔物にナイフを突き刺し、皮を剥ぎ、体内から黄土色した石のような物を抉り取っていく。
普段遭遇するときは、多くても十匹前後なのだが、今回はその三、四倍はいただろうか、大量だった。
大量っていうよりも大漁だな。
ここは地下ダンジョンの九階層、殆どの冒険者に知られていない穴場、【マッドキャタピラ】の特異沸きスポットだ。
「ヘヘヘッ、やっぱりここは穴場だな。同業者(ライバル)はいないし、獲物は楽勝だ。数が多いからそれだけはちょっと大変だが、その分身入りも多くなるってもんだ。ウフフ、ヒヒッ、フハハハッ、ファーハッハッハッ……ハッ!? 」
おっとヤバイヤバイ。
魔物を解体しながら笑っちまうのはオレの悪い癖だ。
こんなグチョグチョに切られた芋虫型の魔物を見ながら笑ってるなんて、スプラッターのグチョグチョが大好きな変態か、かなり危険な殺人鬼にでもに見られかねない。
だけど仕方ないんだ。
その魔物が金貨に見えるからだ。
え? 目がおかしい訳じゃないよ、ただの比喩だからね。
でもこいつは、ホント金を産む魔物なんだよ。
そう思うと、自然と笑みがこぼれるってモンだ。
「さって、もうそろそろ帰らないとギルドの今日の締め切りに間に合わなくなる」
オレは【マッドキャタピラ】の硬い皮と魔石、数十匹分をマジックリングにしまうと、そそくさとその場を離れ一路地上のギルドの素材買取所へと向かった。
「よし帰るぞ」
オレは自分で呼び出した名も無い下級精霊、<明りの精霊>に声をかけて、一緒に出口へと向かった。
壁は結露なのか、壁から染み出た地下水なのか、<明りの精霊>の光を反射してぬめぬめと光っている。
足元は泥か何か、あまり考えたくもないもので満たされている。
そんなダンジョンの奥の湿地帯に生息するのが【マッドキャタピラ】だ。
虫か獣か、どちらともいえない鳴き声を発しながら奴らはオレに襲い掛かってくる。
オレは剣を横なぎにふるって、大人の太ももほどはある薄茶色のそいつらをなぎ払う。
「オラオラオラッ、いい加減涌いてくるんじゃねえッ! 」
背中側は鉄のように硬い皮に覆われていて、剣で叩くと本当に鉄の鎧を叩いたような金属音がする。だがひっくり返してやれば柔らかい弱点が丸出しの楽勝な魔物だ。
やがて【マッドキャタピラ】は、ピーと最後の絶叫を残して動く物は一つとしてなくなり、洞窟を静寂が支配した。
いや、オレの荒い息づかいだけがダンジョンに響く。
「はあはあ、やっと全部倒しきったか。数が少なけりゃ簡単な魔物なのに。珍しく数が沸いたな」
息を整えたオレは、足元に転がる芋虫の魔物にナイフを突き刺し、皮を剥ぎ、体内から黄土色した石のような物を抉り取っていく。
普段遭遇するときは、多くても十匹前後なのだが、今回はその三、四倍はいただろうか、大量だった。
大量っていうよりも大漁だな。
ここは地下ダンジョンの九階層、殆どの冒険者に知られていない穴場、【マッドキャタピラ】の特異沸きスポットだ。
「ヘヘヘッ、やっぱりここは穴場だな。同業者(ライバル)はいないし、獲物は楽勝だ。数が多いからそれだけはちょっと大変だが、その分身入りも多くなるってもんだ。ウフフ、ヒヒッ、フハハハッ、ファーハッハッハッ……ハッ!? 」
おっとヤバイヤバイ。
魔物を解体しながら笑っちまうのはオレの悪い癖だ。
こんなグチョグチョに切られた芋虫型の魔物を見ながら笑ってるなんて、スプラッターのグチョグチョが大好きな変態か、かなり危険な殺人鬼にでもに見られかねない。
だけど仕方ないんだ。
その魔物が金貨に見えるからだ。
え? 目がおかしい訳じゃないよ、ただの比喩だからね。
でもこいつは、ホント金を産む魔物なんだよ。
そう思うと、自然と笑みがこぼれるってモンだ。
「さって、もうそろそろ帰らないとギルドの今日の締め切りに間に合わなくなる」
オレは【マッドキャタピラ】の硬い皮と魔石、数十匹分をマジックリングにしまうと、そそくさとその場を離れ一路地上のギルドの素材買取所へと向かった。
「よし帰るぞ」
オレは自分で呼び出した名も無い下級精霊、<明りの精霊>に声をかけて、一緒に出口へと向かった。
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