嫌われ王子様の成長 〜改心後、暴君の過去が役に立つこともある〜

ぽんちゃん

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20 初めての (※)


 俺を見下ろす新緑色の瞳には、戸惑う俺の姿が映っていた。

 「嫌ではありません……」
 「っ、無理しなくて良いから」

 いつもより近い距離に恥ずかしくて両手で顔を覆うと、その手掴まれ、シーツに縫い付けられるように押さえつけられた。

 「リュカ、やだ……恥ずかしいっ……」
 「大丈夫です」
 「やだ! だって、処理とはいえ、あんなことしたら……好きになっちゃっ、んんっ!?」

 唇に柔らかなものが押し付けられて、俺の思考が停止した。
 俺は、目を伏せたリュカにキスをされていた。
 リュカの睫毛が凄く長くて、人形みたいだな。
 ……なんて現実逃避をしてみたが、心臓はドキドキと激しく音を立てる。

 角度を変えて何度も唇が重なり、次第に啄むようなキスを繰り返される。
 どうして良いかわからずに硬直していると、俺の手首を掴んでいたリュカの指先が、俺の指の間に伸びる。
 絡ませるように握られて、俺もリュカの手をきゅっと握り返した。

 それに対して、リュカは俺がこの行為を継続させる気があると捉えたのか、俺の唇に舌を這わせた。
 驚いて少し口を開くと、リュカの熱い舌が俺の口内に侵入した。

 「ふっ、んんっ……」

 リュカの舌が俺の舌を絡めとり、ちゅくちゅくといやらしい水音が耳に響いた。
 背筋に痺れるようなぞくぞくとした快感が走る。
 体から力が抜けていき、なす術もなくリュカの舌に翻弄されて、息が乱れる。
 上手く呼吸が出来なくて顔を左右に振ると、リュカは唇を離してくれた。

 「鼻で呼吸を」

 そう優しく告げたリュカは、またすぐに唇を重ねた。
 言われた通りに鼻で呼吸をすれば、リュカはよく出来ましたと言っているような愛おしげな視線を送ってくる。
 それが殊更恥ずかしくて、ぎゅっと目を瞑った。

 リュカの舌が俺の歯列をなぞり、上顎を舐められて、甘やかな快感に俺の体が跳ねる。

 「んぁっ、りゅかぁ……」

 自分の声とは思えないような甘ったるい声が出て、恥ずかしくてもじもじと体をくねらせた。

 俺の黒髪を、宝物のように大切に撫でるリュカの手が心地良い。
 薄らと目を開ければ、優しげな新緑色の瞳と視線が交わる。
 俺達は、キスを覚えたばかりの子供のように深い口付けを交わし続けた。

 ようやく唇が離れたときには、呼吸は激しく乱れていて、俺は自然と溢れる涙目のままリュカを見上げることしか出来なかった。

 「っ……リオン殿下っ!」

 リュカとの深いキスに気持ち良くなっていた俺は、熱の孕んだ目をして、噛み付くような激しいキスをするリュカにされるがままだった。

 「はぁっ、リュカ……んんっ、くるしっ……りゅか、りゅか……」
 
 リュカの名前をひたすら呼びながら首に腕を回すと、それに応えるようにリュカも俺を抱きしめる。
 大きな左手に後頭部を押さえられて、より深い口付けを交わした。

 口の中に二人の混じり合った唾液が溜まっていき、俺の口の端から流れ落ちる。
 リュカから注がれる唾液が溢れていくことが、なんだか勿体無い気がして、必死になってこくこくと飲むと、新緑色の瞳がギラギラと光っていた。

 「煽っているのですか?」
 「……な、に?」
 「っ、無自覚ですか……」

 眉を顰めたリュカは、苦々しく浮かべた表情とは裏腹に、俺の髪に指を通して優しく梳かした。
 俺の唇に触れるだけのキスをしたリュカは、額、瞼、鼻、頬、と顔中に優しいキスを送る。

 そして耳朶にキスを送られたときに、ぞくっとした快感が訪れて、俺の口から甘い吐息が漏れた。
 そのことに気付いたのか、リュカは俺の耳を優しく喰んだ。
 熱い舌が俺の耳の中を舐め回し、我慢できずに甘ったるい声が出る。

 「あっ、いやぁ、耳、だめっ……やぁん」
 「なんでダメなんです?」
 「んんっ、そこで、喋っちゃやだぁ……あっ」
 「ダメな理由を教えてください。教えてくだされば、やめますよ?」

 耳元で囁かれて、艶のある声にも感じてしまった俺は、リュカにしがみつくことしか出来ない。

 「どうしたんです? 言えませんか?」
 「んあッ! だ、だって……なんか、ぞくぞくする、からぁ……。りゅか、おねがいっ……もぅ、やめて……っ」
 
 やめて欲しいとお願いしながらぎゅうっとしがみつくと、リュカはじゅるじゅると音を立てながら激しく耳を犯してきた。

 「やぁ! リュカっ、あぁッ、うそつきぃ!」
 「ふふっ、すみません。私には、もっとしてと、おねだりしているように聞こえましたので」
 「っ! ばかばかばか! ぁっ、んっ!」

 色っぽい声で可愛いと呟かれて、俺の頬に熱が集まる。
 普段は何事にも興味がなさそうなつまらない顔をしているリュカが、俺を弄びながら大人の色気を醸し出していた。

 いつのまにか俺のシャツのボタンが外されていて、リュカの綺麗な指先が俺の胸の飾りをきゅっと摘んだ。

 「やっ?!」
 「ここ、感じますか?」
 「っ、わかん、なぃ……」
 「ではここで感じられるようになるまで、可愛がって差し上げますね」
 「あっ、やぁ……りゅかが、いやらしい……」
 
 耳を舐められたまま、親指と人差し指の腹でクリクリと胸の飾りを弄られて、俺は熱い息を吐き出した。

 「快感に悶えるリオン殿下の方が、充分にいやらしいですよ? まるで私を誘っているかのように体をくねらせて……。ほら、ピンク色の可愛い乳首がこんなにビンビンになっていますよ? 私に触られてこんなに固くするなんて……。もっと触って欲しいみたいですね? 実にいやらしい身体だ」

 うっとりと告げたリュカは、エロモードでもすごく意地悪だった。









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