尽くすことに疲れた結果

ぽんちゃん

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 僕がいつも疲れたオーラを出していたのか、気を遣わせていたのかも……。
 痩せた体を見られて幻滅されたくないけど、エドワードの本心を聞けて、素直に嬉しかった。


 「本当なら、俺がノエルを養って、家から一歩も出ないで欲しいと思ってる。ノエルを、誰にも見せたくない」
 「っ……」
 「今の服装も可愛いけど……。いや、すっごく可愛いんだけど……。俺は、ノエルには青が一番似合うと思ってる」


 青色の瞳に見つめられて、僕の心臓が跳ねる。
 普段から、エドワードがさりげなく僕に青色の服を勧める理由に今気が付いた。
 僕に、自分の色を着て欲しかったんだ……。


 「今のは、伝えた方がよかったみたいだな?」


 安心したようにほっと息を吐いたエドワードに、『顔が赤いぞ?』と揶揄われて、余計に顔が熱くなった気がする。
 恥ずかしくなる僕は、その勢いで、一番聞きたいことを口にしていた。


 「っ……エ、エディーは、僕のことっ……嫌いになったわけじゃない……の?」
 

 誰もが見惚れるような笑みを浮かべていたのに、エドワードの顔からすんと表情が抜け落ちる。
 微動だにしなくなり、聞こえていなかったのかもと、もう一度言ってみると、意識を覚醒させたかのように目を見開いたエドワードは、わなわなと震えていた。


 「好きに決まってる……っ」


 当たり前だと言わんばかりに答えたエドワードは、瞳が潤んでいる。
 どう見ても僕を好きだと思っていることが伝わって来ていたけど、僕は『本当に?』と呟いていた。


 「ああ。今、厄介なことに巻き込まれてて……。なかなか会えなくてごめん。でも、俺はずっとノエルのことを想ってる。ノエル以外は考えられない」
 「…………本当?」
 

 いつもなら、僕も好きだよって答えるのに、不安な気持ちを抱える僕は、何度も確認してしまう。
 そんな僕を見つめるエドワードは、どうしてか泣きそうな顔をしていた。


 「寂しい思いさせてごめん……。本当に大好きなんだ……。これからは、ちゃんと伝える。ノエルが俺を、気持ち悪いって思うくらいに」
 「そんなこと、思うわけないのに……」

 
 嫌われたわけじゃないとわかって、僕は目頭が熱くなる。
 泣きそうになるのを堪えていると、僕の顔を覗き込んだエドワードは、優しい口付けをしてくれる。
 久しぶりの口付けが恥ずかしくて、僕はぎゅっと目を瞑っていた。


 「んっ」
 「っ……本当可愛い。いつも眠るノエルにこっそりキスしまくってたけど。やっぱり、照れた顔を見ながらしたい」
 「っ!?」


 今、僕の目の前にいるは、本当にエドワード!?

 好きだよ、とは言ってくれるけど、キスした時にこんなにぺらぺら喋っているのは初めてだ。
 というより、久しぶりの口付けだと思っていたのは、僕だけなのっ!?
 パニックになっていると、エドワードは目を細くして僕の顔を凝視していた。


 「……今、気持ち悪いって思っただろ」
 「お、おおお思ってないよっ!」


 ぶんぶんと首を横に振る僕は、実はすごく愛されていることを知ってしまい、恥ずかしすぎて吃ってしまう。
 そのせいか、『本当か?』と怪しまれていた。

 嫌いにならないかと、何度も確認するエドワードは、僕のことがすごく好きみたい……。
 僕が心の中で舞い上がっているのに、エドワードは何度も確認してしまう自分がかっこ悪いと、項垂れていた。

 いつもはかっこいいと思っていたエドワードを、僕はこの時初めて、可愛いと思った。















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