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その後
118 ※ 背後注意
しおりを挟むたっぷりと口付けをして、混じり合う唾液をこくりと飲み込む。
もしかして……、媚薬でも注がれている?
って本気で聞きたくなるくらい、僕はとろとろになっていた──。
最初は激しい口付けをしていたけど、今はゆったりとした甘いもの……。
それでも、口の端から唾液が流れてしまう。
拭いたくても、僕の手は大好きな人と指を絡めて、シーツに縫い付けられていた。
いつまでも僕の口を塞ぐ薄い唇からは、時折、色っぽい息が漏れる。
その息遣いにドキドキしている僕は、気付いていなかった。
この時のユージーン様は、荒ぶる感情のまま、僕をめちゃくちゃに抱きたい気持ちを、必死に堪えていることを……。
最後にリップ音をたてて僕に口付けたユージーン様が、指先で優しく僕の口の端を拭ってくれる。
「愛してるよ、ノエル」
「はぁっ……ぼく、も……」
うっとりと見上げると、ユージーン様が微笑む。
でも綺麗なお顔は、いつもより少しだけ苦しげに微笑んでいるように見えた。
その表情が色っぽくて、僕の頬は赤らむ。
恥ずかしくなって視線を彷徨わせると、そっと頬を撫でられた。
すりっと頬を寄せる僕は、もう一度ユージーン様を見上げる。
よく見れば、口角を上げたユージーン様も、目尻が赤くなっていた。
「っ、ノエル」
愛おしそうに僕の名を呼んだユージーン様に、ぎゅうっと抱きしめられる。
幸せを噛み締める僕も抱きしめ返そうとしたのだけど、顔中にキスの雨が降ってきた。
擽ったいけど心地よい……。
心から愛されていることが伝わってくる。
喜ぶ僕は、いつのまにかパジャマを脱がされて、一糸纏わぬ姿になっていた。
僕のあだ名は姫だけど、れっきとした男だ。
ちゃんとついている。……小ぶりだけど。
それが、熱を持って反応している。
もうバレバレだと思うけど、僕はさりげなく腕で体を隠す。
そんな往生際が悪い僕から、顔を背けたユージーン様。
呆れられたかなって思ったけど「っ、クソ可愛い……」と、聞き慣れない言葉が聞こえて来た。
ユージーン様が余裕がなくなる時は、ちょっとだけ口調が乱れる。
嫌われたわけじゃないとわかって、僕はほっとしていた。
「僕だけ、裸だから、恥ずかしくて……」
「……ああ。ごめんね、ノエル」
僕の顔を見て、いつも通りに微笑んだユージーン様だけど、すっと目を細くしていた。
なんだかわからないけど、やけに色っぽい視線を送られてしまった気がする……。
はらりとガウンを脱いだユージーン様の引き締まった体に、僕の目が釘付けになる。
彫刻のようだと、詠嘆していた僕だけど……。
美しい顔には不釣り合いな、凶器が見えた気がした僕は、無意識に息を止めていた。
両手で顔を隠したけど、大好きな人の全裸が目に焼き付いてしまっていた。
体格差があるのはわかっていたけど、僕のものが粗末に思えて、急に恥ずかしくなる。
……隠したいのに、手が足りない。
そんな僕にくすりと笑ったユージーン様は、僕の顔を囲うように手を置く。
名前を呼ばれて、指の隙間からこっそりと覗くと、ユージーン様はにたりと笑っていた。
「ノエルが脱いでって言ったんだよね?」
「っ……」
「見ないの?」
手の甲に口付けを送られる僕は、なんであんな破廉恥なことを言ってしまったんだと、後悔することになった。
優しいユージーン様が好きなんだけど、僕は意地悪な顔の方がもっと好きだったりするんだ。
ドキドキが止まらない僕は、気付けば全身に口付けを送られていて、ぴくぴくと飛び跳ねていた。
足の先にまで口付けを送る僕の王子様は、壊れ物に触れるような優しい手付きだった。
全身が蕩けてしまいそうになっていた僕は、最後に胸の飾りにざらりとした感触がして、声が我慢出来なかった。
「んっ」
「……可愛い。気持ちよかった?」
「っ、んんぅッ」
優しい声色で問いかけたユージーン様に、手を取られる。
また指を絡めてシーツに縫い付けられてしまう僕は、涙目でユージーン様を見下ろした。
舌で僕の小さな胸の飾りを愛撫しながら、壮絶な色気を放っている。
僕の反応を窺っているんだと思うけど、僕の目には、見せつけるように舐めているようにしか見えない……。
ぎゅっと目を瞑ると、強く吸われる。
まるで、自分から目を逸らすなと言われているみたいに……。
胸の飾りで感じることなんてなかったのに、たっぷりと可愛がられてしまった僕は、我慢できずに小さなものから蜜が溢れていた。
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