尽くすことに疲れた結果

ぽんちゃん

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その後

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 怒りで周りが見えなくなっていた僕は、ユージーン様を傷付けた二人を連れて、空を飛んだ。
 一刻も早く二人を遠ざけたいと思っての行動だったんだけど、びしょ濡れの人たちが上空に行けば、氷魔法を使わなくても凍えてしまっていたんだ。

 慌てて暖めてあげたんだけど、一歩間違えたら大変なことになっていたと思う。
 わざとじゃなかったけど、僕はとんでもないことをしてしまったことに気付いた。
 そのことをユージーン様に知られたら、きっと幻滅されると思う……。


 でも秘密にしているわけにもいかないと思って、一緒にお風呂に入った時に白状したんだ。


 そしたら、「なんだ、そんなことか」って笑ったユージーン様は、まったく気にしていなかった。
 しかも、あたためてあげて優しいね、って褒められてしまった。


 ……ユージーン様は、僕に激甘だと思う。


 「正直、もう関わりたくないと思っているから、どうでもいいんだ」
 「…………」
 「でも、借金を返済して、弟のためにも真っ当な人間になってくれたらいいなとは思う。だからといって、反省したとしても今更だけどね? だって私には、新しい家族がいるから」


 僕の頭を撫でたユージーン様は、幸せいっぱいだって表情を浮かべていた。
 その顔に見惚れていると、ユージーン様がわざとらしく目を丸くする。


 「あれ? ノエルは、私の家族になってくれるんじゃなかったの?」
 「っ、もちろん!」
 「ああ、よかった。すごく感動したんだ……」


 そう言って、そっと抱き寄せられた僕は、嬉しいやら恥ずかしい気持ちになる。
 ユージーン様にもたれかかると、僕の髪を指先でくるくると弄んでいた。


 「あんなに情熱的なプロポーズをされるとは思わなかったよ」
 「…………へ?!」
 「演技とはいえ、私はいつもプロポーズをする側だったからね? 胸を打たれたよ」


 うっとりとした息を吐いたユージーン様は、間抜けな顔をする僕の額に口付けを落とした。

 いや、違います!
 ……って言えるような空気じゃない。

 ご機嫌なユージーン様をチラ見した僕は、もうユージーン様が幸せなら、プロポーズでもなんでもいいか、と思うことにした。

 笑顔を向けつつも、目が泳ぐ。
 そんな僕を眺めていたユージーン様が、急に笑い出した。


 「ふふふっ。冗談だよ」
 「っ、もう! また揶揄ったんですか?!」
 「ごめんごめん。ノエルは顔に出やすいから、からかい甲斐がある」
 「……そう、ですか?」
 「ああ。恋人になってからまだ三ヶ月だけど、ノエルがなにを考えているかが、昔よりわかるようになっているよ」


 濡れた金髪を掻き上げたユージーン様は、ちょっぴり意地悪だけどかっこいい、僕の王子様だ。

 大好きな気持ちが爆発している僕は、ぷりぷり怒っているフリをしながら抱きつく。
 とくとくと少し速い心臓の音が聞こえて来る。

 ……昨日の夜のように、ふれあいたい。

 僕の考えていることがわかるのならと、勇気を振り絞る僕は、びしょ濡れのシャツのボタンをひとつ外した。


 「…………ノエル?」
 「か、風邪引いたら、大変だから……」


 真っ赤な顔で、ひとつ、またひとつとボタンを外していく僕。
 僕にされるがままのユージーン様は、無言だ。
 セクシーな胸元に鼻血が出そうになるけど、のぼせたんだと思ってほしい。
 なんとか全部ボタンを外した僕は、ちらりと顔色を窺った。

 じっと僕を見下ろすエメラルドグリーンの瞳が、揺れている……。


 「やっぱり、テオも脱いで……、ッ」


 急に僕を抱き上げたユージーン様が、僕を床に下ろした。
 勢いよく服を脱ぎ捨てて、彫刻のような体が惜しげもなく曝け出される。

 どこを見たらいいかわからなくてあわあわしていると、そのまま掻っ攫われるように横抱きにされた僕は、びしょ濡れのまま寝室に運ばれていた。












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