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001:現実
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現実世界へ来たが経った。
目が覚め、どこなのか目を上下左右とキョロキョロを動かす。
ぼーっとした視界に金髪のウエーブロングヘアの女の子が右側にやって来た。
「おはよう!起きた?」
「お前は・・・」
「私はミューラ・アイラン、お父さんがあなたを抱っこしてこの部屋に入れさせてくれたの。」
「そうか・・・」
安心したのか倒れきった。
なんだかまるで自分の部屋に戻って来たかのような感じに見えたが、ここは他人の家。
どうなったのか分からないアトラはミューラに聞いた。
「俺はどのくらい寝ていたんだ?」
「1ヶ月ぐらいよ」
「1ヶ月?」
アトラは跳ね起き、窓を素早く開けるとここは車と密集した住宅街が広がる静かな街だった。
唖然しながら現実世界だと知った。
少女が話しかけた────
「ここはね、リーズリーっていう街なのよ。
君はこの森の公園で倒れている所を発見された所なの」
右上を指し、ミューラは説明をした。
9歳の少女に助けられたアトラはなんだか戻れない気がしてきた。
「俺、魔法界に戻れないのかな?」
「魔法界って、どんな所なの?」
「生まれつき魔法が使えるそういう世界で俺は産まれたんだ。
だけど、今は罰を受けられて俺はその世界へ帰る事すらできない。
でも・・・もしその世界へ帰れたならじいちゃんに会いたい」
少年の願望は諦めなかった。それでも魔法界へ戻れるならその箒すらもないのに手段でやればいいのか分からないまま、傷心し切っている。
ミューラはその思いを汲み取り、笑顔で優しく押すように言う。
「大丈夫!きっとアトラなら戻れる事ができるわよ!」
「本当にそうなればいいけどな・・・」
──── そう思いながらアトラはその外を除いた。
「おい、起きたようだな居候」
「お兄ちゃん!」
「妹が迷惑をかけていないか心配で、母さんが作った朝飯を持ってきた」
「ありがとう」
「お前の名前を教えろ」
「アトラ・オルキス、魔法界からやって来た」
「そうか」
「お前は?」
「俺はラウル・アイラン
魔法界か・・・なんだか夢のような世界からやって来たもんだ」
「お兄ちゃん、実はアトラは魔法界に帰りたいって言ってるの
どうしたら帰れるか相談しようかと思って・・・」
ラウル・アイラン12歳。
ミューラと同じ金髪で跳ね毛である。
アトラと同い年の少年、クールでツンツンしている。
思慮深く、相手と仲良くなるのは時間がかかりそうな難しい性格。
訳がありそうだと感じ、机の下に閉まっていた椅子を持って行き、その少年のベッドの手前に妹がいる右横に座った。
「で、なんで魔法界にいた奴が現実世界にいるんだ?」
「俺は・・・罪を受けた」
「!?」
「俺は魔法界でやってもいない犯罪に巻き込まれて犯人にさせられた。
俺は刑事にも裁判官にも言ったが、全然まともに聞いてくれず、俺は魔法界を追放されたんだ」
拳を握るアトラ。
その悔しさを知り、ラウルは決意する。
「安心しろ、俺はお前が嘘をついているような奴じゃないって思っている。
顔を見れば俺だってその思いくらい知っている。」
「お兄ちゃん・・・」
「アトラ、お前が魔法界へ行きたいっていうなら魔法は当然使えるよな」
「え・・・」
「もうお兄ちゃん!折角起きたアトラに対してそういう言い方無いでしょ?」
「ミューラは黙ってろ
俺は魔法使いは魔法が使えるって思っている。
外へ行って確認をしよう」
「外って?」
「公園だ、さっさとついて来い」
部屋の近くの大きな扉を開き、外へ出た。
言われるままついて行くと、早速試されるのだった。
「さあ魔力を使え、爆発的威力でも大丈夫なようにお前をこの広い公園を選んだ
思う存分、俺達に見せつけろ」
「うん・・・」
ラウルの言われるまま魔力を使おうといつものようにその手順でやろうとするが出なかった。
────“嘘!?”
「どうした?」
「ちょっとな・・・調子が悪いのかも・・・」
“おかしい・・・魔力はいつも使えていた筈なのに・・・とうして今になって使えられないんだ!?
・・・!?”
警察の言う事を思い出した。
『捕まった者達はみな魔法など使えられなくなる、いくら子供のお前にもな』
魔力が出ない絶望に苛まれ、恐怖で手が震えた。
“魔法が使えないというのはこういう事なのか・・・
俺が・・・何をしたっていうんだ?
これじゃあじいちゃんにも他の仲間達にも会うことなんて無理だっ・・・!!”────
その絶望を感じたミューラはアトラの震えた手を握って言った。
「アトラ、大丈夫・・・大丈夫・・・」
感情を抑えながらアトラはその悔しさに息を詰まらせながら涙が出る。
魔法が使えていた人間にとっては普通の人間に戻るという事は守る力さえも叶う事さえもできない失ったというのも当然である。
それを知ってしまった少年にとってはあまりにも早い絶望であった。
元の部屋の扉から帰宅し、1人蛍光灯を右手でかざして昔の事を思い出していた。
『アトラ』
『なあに?おじいちゃん?』
『お前がもし魔法が使えたら周りの仲間を守れるような優しい人間になるんだぞ?
お前を勿論信じておる』
『うん、分かったおじいちゃん!
絶対悪い奴に手を貸すような悪い子にならないように気を付けるように頑張る!!』
『その意気だぞ、アトラ』
────“じいちゃん、ごめん・・・
俺がちゃんとしていれば、人を困らすような事なんてしなかったのに・・・
俺は間違っていた・・・魔法使いは間違った事なんてしないものだって・・・
何しているんだろ・・・何・・・やっているんだろっ・・・!”────
アトラはそのかざした手を拳に替えて怒りをぶつけるかのようにベッドへ叩きつけた。
《ピンポーン》
「は~い。」
アイラン家にだれかがチャイムを鳴らした。
母が夕飯を作り終わり、玄関の方へと向かっていた。
「何方様でしょうか?」
そしてその平和の日々に事件が起こった。
「きゃあっ!!!」
その声は母の声だったアトラは走って行き、その玄関の所へと向かうと蛸の大男が母の首を巻きついて持ち上げていた。
「おばさん!!」
「来ちゃダメ!部屋の中へと逃げなさい!」
「おばさんっ!!」
ラウルがアトラの右腕を引っ張り、部屋へ戻らされた。
現状が分からないアトラは聞いた。
「なんで部屋の中へと逃げなきゃいけないんだ!?」
「今の子供の俺達じゃあそいつに勝てる訳ないからだ。」
「でもおばさんの命が!」
「冷静になれ、アトラ!
今のお前は魔力もないただの人間なんだ、その力がない奴に何ができると言うんだ? 」
ラウルの言う通り、アトラにはその能力が発揮できない。
母も助けられないまま、見なかった振りをしなくてはいけないのだろうか?
今の無能な少年にとって最悪な展開を迎える事になった。
──── 続
目が覚め、どこなのか目を上下左右とキョロキョロを動かす。
ぼーっとした視界に金髪のウエーブロングヘアの女の子が右側にやって来た。
「おはよう!起きた?」
「お前は・・・」
「私はミューラ・アイラン、お父さんがあなたを抱っこしてこの部屋に入れさせてくれたの。」
「そうか・・・」
安心したのか倒れきった。
なんだかまるで自分の部屋に戻って来たかのような感じに見えたが、ここは他人の家。
どうなったのか分からないアトラはミューラに聞いた。
「俺はどのくらい寝ていたんだ?」
「1ヶ月ぐらいよ」
「1ヶ月?」
アトラは跳ね起き、窓を素早く開けるとここは車と密集した住宅街が広がる静かな街だった。
唖然しながら現実世界だと知った。
少女が話しかけた────
「ここはね、リーズリーっていう街なのよ。
君はこの森の公園で倒れている所を発見された所なの」
右上を指し、ミューラは説明をした。
9歳の少女に助けられたアトラはなんだか戻れない気がしてきた。
「俺、魔法界に戻れないのかな?」
「魔法界って、どんな所なの?」
「生まれつき魔法が使えるそういう世界で俺は産まれたんだ。
だけど、今は罰を受けられて俺はその世界へ帰る事すらできない。
でも・・・もしその世界へ帰れたならじいちゃんに会いたい」
少年の願望は諦めなかった。それでも魔法界へ戻れるならその箒すらもないのに手段でやればいいのか分からないまま、傷心し切っている。
ミューラはその思いを汲み取り、笑顔で優しく押すように言う。
「大丈夫!きっとアトラなら戻れる事ができるわよ!」
「本当にそうなればいいけどな・・・」
──── そう思いながらアトラはその外を除いた。
「おい、起きたようだな居候」
「お兄ちゃん!」
「妹が迷惑をかけていないか心配で、母さんが作った朝飯を持ってきた」
「ありがとう」
「お前の名前を教えろ」
「アトラ・オルキス、魔法界からやって来た」
「そうか」
「お前は?」
「俺はラウル・アイラン
魔法界か・・・なんだか夢のような世界からやって来たもんだ」
「お兄ちゃん、実はアトラは魔法界に帰りたいって言ってるの
どうしたら帰れるか相談しようかと思って・・・」
ラウル・アイラン12歳。
ミューラと同じ金髪で跳ね毛である。
アトラと同い年の少年、クールでツンツンしている。
思慮深く、相手と仲良くなるのは時間がかかりそうな難しい性格。
訳がありそうだと感じ、机の下に閉まっていた椅子を持って行き、その少年のベッドの手前に妹がいる右横に座った。
「で、なんで魔法界にいた奴が現実世界にいるんだ?」
「俺は・・・罪を受けた」
「!?」
「俺は魔法界でやってもいない犯罪に巻き込まれて犯人にさせられた。
俺は刑事にも裁判官にも言ったが、全然まともに聞いてくれず、俺は魔法界を追放されたんだ」
拳を握るアトラ。
その悔しさを知り、ラウルは決意する。
「安心しろ、俺はお前が嘘をついているような奴じゃないって思っている。
顔を見れば俺だってその思いくらい知っている。」
「お兄ちゃん・・・」
「アトラ、お前が魔法界へ行きたいっていうなら魔法は当然使えるよな」
「え・・・」
「もうお兄ちゃん!折角起きたアトラに対してそういう言い方無いでしょ?」
「ミューラは黙ってろ
俺は魔法使いは魔法が使えるって思っている。
外へ行って確認をしよう」
「外って?」
「公園だ、さっさとついて来い」
部屋の近くの大きな扉を開き、外へ出た。
言われるままついて行くと、早速試されるのだった。
「さあ魔力を使え、爆発的威力でも大丈夫なようにお前をこの広い公園を選んだ
思う存分、俺達に見せつけろ」
「うん・・・」
ラウルの言われるまま魔力を使おうといつものようにその手順でやろうとするが出なかった。
────“嘘!?”
「どうした?」
「ちょっとな・・・調子が悪いのかも・・・」
“おかしい・・・魔力はいつも使えていた筈なのに・・・とうして今になって使えられないんだ!?
・・・!?”
警察の言う事を思い出した。
『捕まった者達はみな魔法など使えられなくなる、いくら子供のお前にもな』
魔力が出ない絶望に苛まれ、恐怖で手が震えた。
“魔法が使えないというのはこういう事なのか・・・
俺が・・・何をしたっていうんだ?
これじゃあじいちゃんにも他の仲間達にも会うことなんて無理だっ・・・!!”────
その絶望を感じたミューラはアトラの震えた手を握って言った。
「アトラ、大丈夫・・・大丈夫・・・」
感情を抑えながらアトラはその悔しさに息を詰まらせながら涙が出る。
魔法が使えていた人間にとっては普通の人間に戻るという事は守る力さえも叶う事さえもできない失ったというのも当然である。
それを知ってしまった少年にとってはあまりにも早い絶望であった。
元の部屋の扉から帰宅し、1人蛍光灯を右手でかざして昔の事を思い出していた。
『アトラ』
『なあに?おじいちゃん?』
『お前がもし魔法が使えたら周りの仲間を守れるような優しい人間になるんだぞ?
お前を勿論信じておる』
『うん、分かったおじいちゃん!
絶対悪い奴に手を貸すような悪い子にならないように気を付けるように頑張る!!』
『その意気だぞ、アトラ』
────“じいちゃん、ごめん・・・
俺がちゃんとしていれば、人を困らすような事なんてしなかったのに・・・
俺は間違っていた・・・魔法使いは間違った事なんてしないものだって・・・
何しているんだろ・・・何・・・やっているんだろっ・・・!”────
アトラはそのかざした手を拳に替えて怒りをぶつけるかのようにベッドへ叩きつけた。
《ピンポーン》
「は~い。」
アイラン家にだれかがチャイムを鳴らした。
母が夕飯を作り終わり、玄関の方へと向かっていた。
「何方様でしょうか?」
そしてその平和の日々に事件が起こった。
「きゃあっ!!!」
その声は母の声だったアトラは走って行き、その玄関の所へと向かうと蛸の大男が母の首を巻きついて持ち上げていた。
「おばさん!!」
「来ちゃダメ!部屋の中へと逃げなさい!」
「おばさんっ!!」
ラウルがアトラの右腕を引っ張り、部屋へ戻らされた。
現状が分からないアトラは聞いた。
「なんで部屋の中へと逃げなきゃいけないんだ!?」
「今の子供の俺達じゃあそいつに勝てる訳ないからだ。」
「でもおばさんの命が!」
「冷静になれ、アトラ!
今のお前は魔力もないただの人間なんだ、その力がない奴に何ができると言うんだ? 」
ラウルの言う通り、アトラにはその能力が発揮できない。
母も助けられないまま、見なかった振りをしなくてはいけないのだろうか?
今の無能な少年にとって最悪な展開を迎える事になった。
──── 続
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