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012:過去
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「ふぁ~、早速飯作るか・・・」
アトラは朝食を作った。
バンケットに乗ったロールパンと白皿に半熟の目玉焼きとグリーンサラダにトマトが切って乗っけているというシンプルなもの。
そして牛乳を3人分のマグカップに注いだら2人が起きてきた。
「ふあ~」
「おはよう、おじいちゃんと猫おじさん。」
「おはよう(祖父・猫おじさん)」
2人に注いだマグカップを渡し、3人は手を合わせた。
「動物たちとその野菜を育てて貰ったお百姓様達にを感謝し」
「いただきま~す!(アトラ・祖父・猫おじさん)」
なんとも長い“いただきます”は魔法界で決められた200年ずっと守り続けた挨拶である。
それを現在でも使っているというのは祖父達では無く、魔法界全体使われている。
そして祖父はアトラに何か話さなきゃいけないと思い、食事が終わった後、話し合いをした。
「アトラ」
「何おじいちゃん」
「家事の仕事を終わった後なのにすまないが、お前に話さなきゃいけない事がある」
「どうしたの、おじいちゃん?
渋い顔をして何かあったの?」
「お前の両親の事だ」
祖父が何故猫おじさんに話したのか理由がある。
それはずっと話そうと孫に言えない秘密を抱えてあたからだ。
そのために昨日アトラの代わりに話した。
その事を知らずにアトラは祖父の難しい顔を見ながら違和感を感じる。
「俺の・・・両親の事?」
「そうだ」
「おじいちゃん、急にどうして?」
「いいから聞け
お前の両親は死んだ、12年前にな
当時魔法戦争が勃発し、儂等がいるイオーナ軍オルキス騎士団はその戦争へ参加し、お前の父親もその仲間の1人だった
戦争でお前の父親は魔術で仲間を庇って戦死した
儂はアイツを止めたのだが、アイツは命知らずの馬鹿で、いい奴だった
そして魔法戦争は儂等のいるイオーナ軍は敗北に終わり、そしてイオーナに戻った儂等に待ち受けていたのは魔献病という流行する死の病だ
儂はその国を守るために魔法医師になり、何人もその病気を魔術で完治してきた
お前の母親が魔献病にかかり、入院中だった
儂はその母親を治そうと魔術治療をしようとしたが、死んだ赤髪の赤ん坊を見せつけられた
それがお前だ、アトラ」
「俺が・・・」
────“一度俺は死んでいたのか・・・あの魔献病に?
どうして俺が生きているのか不思議に思いそうだが、おじいちゃんのお陰で俺が生きている・・・
そんなに深刻なのか?それって・・・”────
疑問に思いながらアトラは祖父の表情を見る。
祖父の話はまだ続きがあった────
「お前を見せられた時は絶句した
その衝撃なものを見せつけられた儂に母親は言った────
『私の事はいいから息子を生き返らせて』
──── とな
その一言を聞いた儂は生き返る魔法を使った
そしてお前の泣き声を聞いた瞬間生き返る事に成功した
母は喜び、お前をすぐ抱きしめた
一緒にお前と過ごしたのはたった2日だったが、死ぬ前に儂に赤ん坊のお前を託された
そして死んだ後は儂がお前を育てたんだ」
祖父の過去の話は理解できた。
だから今があるという祖父の思いが少年の胸に突き刺さる。
「お前の母親の命を奪ったのはこの儂だ、恨むなら恨め」
祖父はアトラに嫌われるんじゃないかという恐怖を感じていた。
それに死んだ母親というのは自分の娘である。
アトラの祖父が本当の祖父だという事が分かっているのだろうか、まだ明らかにしていない所は山ほど有りそうだ。
アトラは自分を責める祖父になんだか可哀想に思い、涙した。
「そんな事・・・言わないでよ・・・」
「アトラ?」
「俺がおじいちゃんを責めたりする訳ないだろ!
だって両親の代わりに育てたのはおじいちゃんじゃないか!
俺は・・・おじいちゃんが育ててくれてありがとうって思っているんだから、責めるなよ・・・」
「アトラ!」
祖父は自分が責めていた過去が解き放つように涙が流れ、抱きしめた。
“せいじゃない”と教えてくれたのは孫のアトラだ。
猫おじさんはこの空気に入る隙間も無く、どうしたらいいのか分からず、抱きしめる2人を咳払いをして振り向かさせた。
「ゴホンゴホン、え・・・ちょっといいですか2人共」
「なんだよ猫おじさん」
「なんだ」
────“そんな冷たい顔して見る?”
アトラの祖父の嫌な顔をされた猫おじさんは空気を読めていなかったようだ。
この感動した空気を読めるのが難しいのが猫おじさんのもう一つの弱点である。
猫おじさんはこの空気を元に戻そうと提案した。
「お墓参りでもしますか?」
墓参りが初めてのアトラは、どういう所なのか分からなくて祖父に聞いた。
「おじいちゃんここはどこなの?」
「墓場だ、死んだ人が眠る所になる」
「へぇ・・・」
「お前の両親もここで眠っているから案内してやる」
墓地を右に歩き、そして奥から2番目の墓地を真っ直ぐ向かうと四角く低い墓地になるのがオルキス家の墓場だった。
「アルド・オルキス、カーナ・オルキスって俺の両親の名前?」
「そうだ、カーナという名前は儂の娘、アルドは儂の義理の息子いえば婿養子だ」
「婿?」
「そうだ、儂はカーナを結婚させる前にアルドに言い放った言葉がある────
『娘と結婚したいなら婿として儂の騎士団に入らないか?』
『はい!是非入団させてください!』
────と大きく喜びながら言った
そして娘と結婚させ、お前を誕生させた」
「それが俺の両親だったんだ・・・」
「お前はどう思う、お前の父母を?」
アトラは腹の中で決まっていた。
深く考える事も無く、ただ純粋に感じるままに言った。
「俺の両親が何者なのかおじいちゃんの話でそのまま耳にしただけだけど、両親がもし戦争もなく、病気も無くて生きていたら俺はおじいちゃんの答えと違っていたかもしれない
でも分からないや、両親が何者なのかなんて
俺の親はおじいちゃんしか居ないしさ」
────“やはり、アイツらしい答えだな
そりゃあそうか、何者なのかなんて知る訳がないしな・・・
お前は儂に似て明るく前向きな所がある、それに笑顔だけはカーナによく似ていて可愛らしい
カーナ、お前の一言のお陰でこんなに成長をしたぞ
子供を育てておいて良かった、ありがとう・・・”────
感謝しながら祖父は墓地に微笑みながら亡き娘に心の中で伝えた。
────続
アトラは朝食を作った。
バンケットに乗ったロールパンと白皿に半熟の目玉焼きとグリーンサラダにトマトが切って乗っけているというシンプルなもの。
そして牛乳を3人分のマグカップに注いだら2人が起きてきた。
「ふあ~」
「おはよう、おじいちゃんと猫おじさん。」
「おはよう(祖父・猫おじさん)」
2人に注いだマグカップを渡し、3人は手を合わせた。
「動物たちとその野菜を育てて貰ったお百姓様達にを感謝し」
「いただきま~す!(アトラ・祖父・猫おじさん)」
なんとも長い“いただきます”は魔法界で決められた200年ずっと守り続けた挨拶である。
それを現在でも使っているというのは祖父達では無く、魔法界全体使われている。
そして祖父はアトラに何か話さなきゃいけないと思い、食事が終わった後、話し合いをした。
「アトラ」
「何おじいちゃん」
「家事の仕事を終わった後なのにすまないが、お前に話さなきゃいけない事がある」
「どうしたの、おじいちゃん?
渋い顔をして何かあったの?」
「お前の両親の事だ」
祖父が何故猫おじさんに話したのか理由がある。
それはずっと話そうと孫に言えない秘密を抱えてあたからだ。
そのために昨日アトラの代わりに話した。
その事を知らずにアトラは祖父の難しい顔を見ながら違和感を感じる。
「俺の・・・両親の事?」
「そうだ」
「おじいちゃん、急にどうして?」
「いいから聞け
お前の両親は死んだ、12年前にな
当時魔法戦争が勃発し、儂等がいるイオーナ軍オルキス騎士団はその戦争へ参加し、お前の父親もその仲間の1人だった
戦争でお前の父親は魔術で仲間を庇って戦死した
儂はアイツを止めたのだが、アイツは命知らずの馬鹿で、いい奴だった
そして魔法戦争は儂等のいるイオーナ軍は敗北に終わり、そしてイオーナに戻った儂等に待ち受けていたのは魔献病という流行する死の病だ
儂はその国を守るために魔法医師になり、何人もその病気を魔術で完治してきた
お前の母親が魔献病にかかり、入院中だった
儂はその母親を治そうと魔術治療をしようとしたが、死んだ赤髪の赤ん坊を見せつけられた
それがお前だ、アトラ」
「俺が・・・」
────“一度俺は死んでいたのか・・・あの魔献病に?
どうして俺が生きているのか不思議に思いそうだが、おじいちゃんのお陰で俺が生きている・・・
そんなに深刻なのか?それって・・・”────
疑問に思いながらアトラは祖父の表情を見る。
祖父の話はまだ続きがあった────
「お前を見せられた時は絶句した
その衝撃なものを見せつけられた儂に母親は言った────
『私の事はいいから息子を生き返らせて』
──── とな
その一言を聞いた儂は生き返る魔法を使った
そしてお前の泣き声を聞いた瞬間生き返る事に成功した
母は喜び、お前をすぐ抱きしめた
一緒にお前と過ごしたのはたった2日だったが、死ぬ前に儂に赤ん坊のお前を託された
そして死んだ後は儂がお前を育てたんだ」
祖父の過去の話は理解できた。
だから今があるという祖父の思いが少年の胸に突き刺さる。
「お前の母親の命を奪ったのはこの儂だ、恨むなら恨め」
祖父はアトラに嫌われるんじゃないかという恐怖を感じていた。
それに死んだ母親というのは自分の娘である。
アトラの祖父が本当の祖父だという事が分かっているのだろうか、まだ明らかにしていない所は山ほど有りそうだ。
アトラは自分を責める祖父になんだか可哀想に思い、涙した。
「そんな事・・・言わないでよ・・・」
「アトラ?」
「俺がおじいちゃんを責めたりする訳ないだろ!
だって両親の代わりに育てたのはおじいちゃんじゃないか!
俺は・・・おじいちゃんが育ててくれてありがとうって思っているんだから、責めるなよ・・・」
「アトラ!」
祖父は自分が責めていた過去が解き放つように涙が流れ、抱きしめた。
“せいじゃない”と教えてくれたのは孫のアトラだ。
猫おじさんはこの空気に入る隙間も無く、どうしたらいいのか分からず、抱きしめる2人を咳払いをして振り向かさせた。
「ゴホンゴホン、え・・・ちょっといいですか2人共」
「なんだよ猫おじさん」
「なんだ」
────“そんな冷たい顔して見る?”
アトラの祖父の嫌な顔をされた猫おじさんは空気を読めていなかったようだ。
この感動した空気を読めるのが難しいのが猫おじさんのもう一つの弱点である。
猫おじさんはこの空気を元に戻そうと提案した。
「お墓参りでもしますか?」
墓参りが初めてのアトラは、どういう所なのか分からなくて祖父に聞いた。
「おじいちゃんここはどこなの?」
「墓場だ、死んだ人が眠る所になる」
「へぇ・・・」
「お前の両親もここで眠っているから案内してやる」
墓地を右に歩き、そして奥から2番目の墓地を真っ直ぐ向かうと四角く低い墓地になるのがオルキス家の墓場だった。
「アルド・オルキス、カーナ・オルキスって俺の両親の名前?」
「そうだ、カーナという名前は儂の娘、アルドは儂の義理の息子いえば婿養子だ」
「婿?」
「そうだ、儂はカーナを結婚させる前にアルドに言い放った言葉がある────
『娘と結婚したいなら婿として儂の騎士団に入らないか?』
『はい!是非入団させてください!』
────と大きく喜びながら言った
そして娘と結婚させ、お前を誕生させた」
「それが俺の両親だったんだ・・・」
「お前はどう思う、お前の父母を?」
アトラは腹の中で決まっていた。
深く考える事も無く、ただ純粋に感じるままに言った。
「俺の両親が何者なのかおじいちゃんの話でそのまま耳にしただけだけど、両親がもし戦争もなく、病気も無くて生きていたら俺はおじいちゃんの答えと違っていたかもしれない
でも分からないや、両親が何者なのかなんて
俺の親はおじいちゃんしか居ないしさ」
────“やはり、アイツらしい答えだな
そりゃあそうか、何者なのかなんて知る訳がないしな・・・
お前は儂に似て明るく前向きな所がある、それに笑顔だけはカーナによく似ていて可愛らしい
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────続
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