MAGIC JOKER

卯月春吉

文字の大きさ
20 / 42

019:存在

しおりを挟む
   アトラは何度も“ブラック・アウト”の技で苦しめられ、倒そうと何度も苦戦する。
   息を切らし、両手をついた。



  「あら、もう疲れちゃったのかしら?
    早いわ~」
  「アトラ!もういい!
    儂の事は構わず、お前は逃げろ!」



────────“おじいちゃんを助けたいけど、あの“ブラック・アウトっ”て言う謎の技のせいで助けられないでいいのか?
   どうしたら・・・”────────

   
  
   名案が浮かばないアトラは考えてしまった。
   ついに蛇の女はある魔法で黒い球体を出し、命の危機が迫ってくる。



  「もう待っているのも時間の問題だわ
   アトラ・オルキス、ここでもう死になさい!」



    黒い球体がアトラの方へと近づく、祖父は大きな声で孫の名を叫ぶ────
   


  「アトラああああああ!!」
 
  

    叫び声が響く時、黒い球体は爆破して無くなってしまった。
   もう塵と化して孫は死んでしまったのじゃないかと絶望になる中、声が聞こえた。  

 
  「おじいちゃん」
  「アトラ!」
  「何?」


   
    アトラは祖父が捕まっている尻尾の先端におり、蛇の女は邪魔だと思い、振り落とそうとする。


 
   「クソッ!離れない・・・」
   「おじいちゃん、今助けるから待ってて!」



    アトラは泡を出し、そこから山へとなるように泡山へと完成させようとする。

   蛇の女は危機を感じ、何度降っても離れないアトラをいい加減振り落としたい気持ち。

   

  「離せ・・・なんだこの泡は一体!?」
  「これは俺の体内に宿る魔法、泡だ
   アンタをこれで泡まみれになって一網打尽にして倒そうっていう訳」  
   「何?」
   「さっきも言っただろ?
『俺が魔力を使えば、アンタは死滅するよ』ってな?」
  「なんだと?」
  


   泡はどんどん山と化していく、尻尾は落ちてやっと解放する事が出来た。



   「ぬあああああああ・・・」
   


   “ソープ・アイランドフィニッシュ!!”



   アトラは祖父を怪我一つもなく一件落着し、倒す事ができた。
   


   「アトラ、お前のお陰で儂は助かった
     ありがとうよ」
   「おじいちゃん、魔法ってなんで存在するんだろう?」



   12年間考えてきた思い、ただずっと魔法と共に生きて来たアトラが普通だと思っていた。
    しかし現実世界で暮らしてからは、機械や道具が沢山必要になってくるのは何故だろうかアイラン家の家族に出会ってからは物が必要になる意味を知った。
  


   “なぜ魔法界は魔力が存在して現実世界は魔力を使う人間がいないだろうか?”



   その疑問に祖父は答えた。



  「魔法は現実の人間にとっては羨ましいくらいの神のようなものだ
    だが、魔法を使う人間にとっては道具なんて存在しなくたってすぐ手に入れる事ができるしとっても便利なもの、分かるか?」
  「うん・・・なんとなく」
  


   アトラはその疑問からやっと解放し、夜空を見上げながらゆったり1日を過ごした。



  ◇◆◇◆



    翌日、朝は祖父が朝1番に1人で釣ってきた川魚を食べる事になった。



   「おじいちゃんこの黄色に近い緑色の長いのあれなんて言うの?」
   「イエローフィッシュさ、儂が釣ってきた」
   「なんで俺と一緒じゃなかったんだよ・・・」
   「お前と一緒に行ってたりしたら待ち合わせに時間かかるだろうが、それに昨日は大敗したから今日は朝から1人で釣ってやろうと思ったんだ
     今日は儂が勝ちだ!」
   


   祖父はまるで自分が勝ったと思い込んでいるが、やっぱりアトラにとっては変な負けず嫌いがある人だと思い、食べた。



    そしていよいよ旅立つ時、箒を持った祖父はアトラの動きに集中する。
 


   「アトラ、どうした?」
   「なあこれ、俺が小さい時にこの大木を目印に図ったやつじゃないか?」
  「懐かしいな・・・
    お前がゴネて身長図らせろってぎゃーぎゃー喚いていた時だ」
  「またそういう昔の事・・・」
  


   大木に触るアトラに祖父は言った。



   「また遊びに行こうな」
   「うん!」

 

    箒は思い出の地から別れを告げて帰って行った。

    

    アトラを待つ


                                                ────続


   


    
  
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

無能妃候補は辞退したい

水綴(ミツヅリ)
ファンタジー
貴族の嗜み・教養がとにかく身に付かず、社交会にも出してもらえない無能侯爵令嬢メイヴィス・ラングラーは、死んだ姉の代わりに15歳で王太子妃候補として王宮へ迎え入れられる。 しかし王太子サイラスには周囲から正妃最有力候補と囁かれる公爵令嬢クリスタがおり、王太子妃候補とは名ばかりの茶番レース。 帰る場所のないメイヴィスは、サイラスとクリスタが正式に婚約を発表する3年後までひっそりと王宮で過ごすことに。 誰もが不出来な自分を見下す中、誰とも関わりたくないメイヴィスはサイラスとも他の王太子妃候補たちとも距離を取るが……。 果たしてメイヴィスは王宮を出られるのか? 誰にも愛されないひとりぼっちの無気力令嬢が愛を得るまでの話。 この作品は「小説家になろう」「カクヨム」にも掲載しています。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

《完結》氷の侯爵令息 あなたが子供はいらないと言ったから

ヴァンドール
恋愛
氷の侯爵令息と言われたアラン。彼は結婚相手の伯爵令嬢にとにかく冷たい態度で接する。 彼女は義姉イライザから夫が子供はいらないと言ったと聞き、衝撃を受けるが気持ちを切り替え生きていく。

~春の国~片足の不自由な王妃様

クラゲ散歩
恋愛
春の暖かい陽気の中。色鮮やかな花が咲き乱れ。蝶が二人を祝福してるように。 春の国の王太子ジーク=スノーフレーク=スプリング(22)と侯爵令嬢ローズマリー=ローバー(18)が、丘の上にある小さな教会で愛を誓い。女神の祝福を受け夫婦になった。 街中を馬車で移動中。二人はずっと笑顔だった。 それを見た者は、相思相愛だと思っただろう。 しかし〜ここまでくるまでに、王太子が裏で動いていたのを知っているのはごくわずか。 花嫁は〜その笑顔の下でなにを思っているのだろうか??

義務ですもの。

あんど もあ
ファンタジー
貴族令嬢の義務として親の決めた相手に嫁いだが、夫には愛する人がいた。夫にないがしろにされても、妻として母として嫁としての義務を果たして誠実に生きたヒロインの掴んだ、ちょっと歪んだ幸せとは。

処理中です...