MAGIC JOKER

卯月春吉

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~裁判篇~

034:異様

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   最後は校長の番となった。
 「参考人、魔法学園学園長、べルドモッド・トアロ・アトソンキン
    6ヶ月前、魔法学園魔法書士窃盗事件でアトラ・オルキスが逮捕されました
    その時どんな状況だったか証言して下さい」
  「私は、アトラ・オルキスが両親がいない事を知っておりますし、祖父に育てて貰ったという事を知っていました
   まさかその少年が盗みを働くような生徒とは思いませんでした
    本人は否定していますが、私はその生徒を否定を許す事ができません
    書士は帰って来ましたが、今でも犯罪する生徒がいるかもしれないと私自身生徒を安心して見ることができませんし、こうして不安と戦っているのです
    事件の影響で精神安定剤も飲むようになりましたし、このような事を起こしてはならないと生徒達には言い聞かせています」  
  


   アトラは学園長に対し、怒りというよりかは勘違いを勝手に思い込みを激しくさせているという雰囲気が感じられる。
   学園長にとって窃盗傷害事件は悲劇の始まりであり、頭から離れるという事もできないというもの。
   苦し紛れになりながらも学園長はそれでも証言台に立つ、尋問へと移った。



   「学園長、貴方はアトラ・オルキスを許せないのはどうしてですか?」
  「嘘をついている可能性があるからです」
  「真面目に訴えているのにですか?」
  「私はこの耳でちゃんと聞いたんだ、“そんな手は使っていない”と──────
   しかし二重人格というものも存在しているかもしれないと思い、彼の事が信じられない状況です 」
  


   オールズはアトラが二重人格を持っているというのを見た事がない。
   二重人格というのはもう1人の妄想の中の人間がいて、本人から違う人格の姿を見える事から二重人格というが、学園長の言ってる事がよく分からない。
   そんな事があるのかと疑問に思いながらウィズミーの尋問が始まる。



   「ベルドモッドさん、貴方はアトラ・オルキスが犯罪者と今でも思いますか?」
  「はい」
  「どうしてでしょうか?」
  「あの弁護士に聞いたように彼は二重人格だと思うからです
    それは彼のもう1人の人格者がいるかもしれないと思い、信じきれないからです」
  「ではその兆候をみた事は?」
  「それに近い事をやっている可能性があります」
  「どんな感じですか?」
  「盗みの話だったり、学園長の部屋を除いたり・・・」
  


   面白い事になったと思い、ウィズミーは更に追求しながら聞いてくる。
   アトラは学園長の部屋はこっそり仲間と見たが、盗みの話など全く聞いた事も無いものを聞かされて動揺し、遂に鋭い質問をする。



  「最後にもう一つ、貴方にとってアトラ・オルキスはどういう生徒だったのでしょうか!」
  「アトラ・オルキス間違えなく、犯罪を犯しそうな生徒だった」



    魔法人達は騒然としながら話すが、アトラは学園長が聞こえるくらい大きな声で否定をした。



  「そんなのデタラメだ!
    学園長先生!俺はそんな事をしない!
     俺が二重人格なんて誰がそんな事を吐くように仕向けたんだ!」
  「静粛に!!静粛に!!」



    アトラは“そんな事で自分を否定的に思うなんて・・・”という悲しい気持ちになり、落ち込んだ。
  


   「第一審判決の結果、アトラ・オルキスは有罪判決とする」
  「ヨシッ!!」



    ウィズミーのガッツポーズで勝利となった。 
   その裁判が終わった後、オールズはウィズミーの所へ早歩きで向かって襟元を引っ張った。



   「どうやってアトラ少年が二重人格だという嘘を学園長に吹き込んだんだ!言え!!」
  「往生際が悪いな・・・オールズさん、僕がそんな非道な事をする訳ないでしょ?よく考えてください」
  「ああ考えたさ!!アンタが言うまでもない!!
    アトラ少年・・・いやアトラ・オルキスは二重人格ではない、ただの普通に純粋な少年なんだ!
    俺とその生徒達がよく分かっているはず!」
  「アトラ・オルキスに何故そこまで本気になって思うようになったのですか?貴方らしくもない
    普段の貴方なら本気になって本人のために戦おうだなんて思わなかったのに、やはりエリート出世した長年の経験が豊富なのでしょうね」
  「なんだと貴様ッ・・・!!」
  「その辺にした方がいい、ここは最高裁判所だ
    警官だってすぐに来てしまうかもしれないからなるべく喧嘩はここでするのはよした方がいい」  


  
   襟元から自分から突き放し、憤怒する心を落ち着かせようと大きく息を吐いた。



   「ではまた、今度はいい裁判になるようにお互い努力しましょう!」
  


   
    ムカつく態度をみせるウィズミーを酒場でウィスキーやハイボールなど10何杯も飲み干しながらネクタイは胸の下までずり下げ、ワイシャツはボタンが2つあいている
    ガラスのコップを強く叩き、怒りをぶちまける。



  「くっそ~あのチビ野郎!!
    誰が“いい裁判になるようにお互い努力しましょう”だクソが!!」
  「弁護士先生、余り飲み過ぎない方がいいですよ!」
  「オールズ先生、酒を飲み過ぎると明日の仕事に響きますよ・・・」
  「響いたって・・・どうせ構いやしねぇ!
    俺はアイツを奈落の底へと振り落としてやるよ!」
   「いらっしゃい」



    口髭のマスターも秘書も止められない中、酒を飲みまくるオールズの前に猫おじさんとラウルがその酒場にいると受付嬢に聞き、やって来たのだ。


   
  「オールズさん」
  「あぁ?」



   小さな静かな公園で3人で話す事にした。
   オールズは猫おじさんに買って貰った500ミリリットルの水を人差し指と中指で持ったまま聞いている。
   ラウルはその事で打ち明けて話した。


  「オールズさん、アトラがショックを受けて俺に言ったんです
 『学園長は誰に操作されている』
   俺も一緒に思ったんです、あの一言を聞いた時におかしいって・・・
   オールズさんもきっとそう思いますよね?」
  「当たり前だ、俺は弁護士だ
    アイツのやり方は馬鹿でも分かるが、あの裁判官とあの観覧席の奴等は分かっていない!」



   グビグビと一気飲みをし、酔っていた頭を冷やした。


 
  「俺は真実を伝えるだけだ、第2回は絶対俺が逆転勝ちをしてやる」



    本気になり、逆転勝ちをすると証言した。
    そして第二審の日、オールズはいつもの気合いより更に赤だけの一松模様のネクタイでその気持ちを表している。
    1勝しているウィズミーの前にオールズが現れた。



  「オールズさん、今日は気合いが違いますね?
    いつもの青いネクタイはどうなされたのですか?」
  「家で忘れて来ましたよ、いつものネクタイが無いってね」
  「嘘ばっかり、本当は本調子じゃないから赤いネクタイにしているんじゃないんですか?」
  「嘘を相手に仕込んでいるのは貴方の方です
    私は事実のままに相手の心を伝えるだけです」



    オールズの一言にムッと感じ、第二審が始まった。






                                           ────続
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