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~裁判篇~
041:生死
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倒れたアトラを乗せた大きなカエルは病院の方へと川を使って運搬している。
カエルは救急用動物として使われており、陸の場合はチーガーというチータとジャガーの交配した魔法界の動物が運搬係として使われている。
「アトラに何があった? 」
カエルが泳ぎながら話かけた。
「金髪の緑色のアッシュの色をしたツインテールの少女にやられた
アイツを生き返らせるにはあの爺さんの能力が必要だ、何とかして病院へ連れて行かせなきゃな・・・」
「アトラの爺さんはオーラルド魔術治療院という所にいる!
オイラの首根っこを持て、アトラの死体を離したりなんかするなよ?
さっさと行くぞー!!」
カエルは5人を乗せて万能なキック力で全速力で川を渡った。
アトラは目を覚ました。そこは花が沢山咲き誇った美しい世界、まるで魔法界のようだがそこは死の世界だと知らない。
人も居ない不思議な世界で大声を叫んだ。
「ルアナぁ~!イルヴィンソン!ハリガネさあああああああん!!
────ここは・・・どこなんだよ・・・」
そこに女性がアトラの方へと近づいてきた。
まだここが死の世界だと知らない少年に教えるために────
女性は声をかけた。
「アトラ」
「誰?」
「私は貴方のお母さん」
「お母さん?」
アトラをぎゅっと抱きしめ、その思いを言葉にした。
「会いたかったわ、アトラ
お母さんはやっと成長した貴方にいつかは会いたいって思ってたけど、まさか12歳で命を落とすような事になるとは知らなかったわ」
「俺も・・・」
同じ赤い色にくせっ毛でふんわりとした背中の半分まで伸びた髪、そして笑った笑顔が自分と似ていて“これは俺のお母さんなのか?”と疑問だった。
緊張する自分の息子を見て、この場所の事を母は教えた。
「ここは死の世界
私達の姿は歳を取らずにここで生きている、笑って遊んでストレスとも関係なくね
この世界は病気なんてないから気候なんて関係が無くていつもお日様が出ているから幸せよ~♪」
自由奔放に母は坂になっている草原に寝っ転がった。
そんな姿を見ながらいいとは思えない、そんな複雑な気持ちでその隣に体育座りをした。
その頃、オーラルド魔術治療院に到着したハリガネ一行はカエルから降りた。
現実世界ではタンカーで運ぶのだが、魔法界は布を重症の体を妖精が持っていく事になっている。
可愛い妖精なのかと思いきや、4人のガッツリした体型の筋肉隆々な男の妖精が持っていく。
「せーの」
「おいっしょ・・・(4人)」
アトラを病室へと思っていき、妖精達は退散していく。
『アトラが運ばれた』と聞き、祖父は走ってその場所へとやって来ると顔が白くなっている息子を発見した。
「アトラ!!」
祖父は空いた口が塞がらず、現実なのかどうなのかすらも分からない感じで孫の遺体と対面した。
ルアナが死んだ理由を明かし、絶望の淵に立たされたような気持ちになり、アトラの右手を包んで泣いた。
「アトラ・・・まさかあんな少女に殺されるとは思わなかっただろう・・・
儂はお前を亡くした後、娘にどう伝えればいいんだ・・・」
泣きながら息子を抱きしめた。また赤ん坊だった頃のようにまた死んでしまうのかとショックを受けながら悔しさが止まらない。
ハリガネは聞き込みをしつつ、志願した。
「名前・・・貴方の名前をお伺いしてもいいでしょうか?」
「マルドー・オルキスだ」
「マルドーさん、生き返らせればアトラ君はきっと戻って来ます、今は貴方の力が必要なのです
アトラ君もきっと貴方と同じです」
「そうだろう・・・な・・・」
一方、死の世界で車も通っていない道路を2人で歩く事になった。
鼻歌をしながらスキップをし、楽しそうにしているのを見ながらアトラは幸せそうだと母親を見ていた。
「ねぇアトラ、アンタここで私と一緒に過ごさない?」
「どうしてそんな事・・・」
「どうしてって、お母さんはアンタと一緒に過ごすのが長年の夢なんだよ?
アンタが居なきゃ、楽しめないし・・・」
「お母さんには友達がいるじゃないか?」
「居たって、周りには子供がいるし寂しい~よ~」
母の寂しい気持ちが分かるが、死の世界にいる訳にもいかないし、いつまでもここで浸りたくない。
祖父と仲間達が待つ生の世界へ戻りたいのが思いだが、母の悲しい顔を見てしまうとやはり離れたくはないと感じた。
「分かった、一緒にいよう」
「やったぁ~♪フフフ~ン♪」
母は友達の所へと急いで坂へ降りて楽しそうに友達と話している。
“もう逃げられる事は出来ないんだな“とアトラは心の中で 思った。
「まず手術をする前に傷を治さなきゃいかん、ミクルド頼む」
「分かりました」
ミクルド・ステヴァン33歳。
外科医として魔法で手術をする、帽子の中は金髪の玉ねぎのような尖った髪型で瞳はアクアマリンの色をした瞳の男だ。
空いた胸を元に戻すには逆回転をしながら時間をかけて繋ぎ止めるのが、ミクルド流。
その技で何10人のも人間を助けて来たが、胸から背中まで空いたものを見たのは初めて。
時間をかけながら魔力で再生する。
ルアナとイルヴィンソンはその出口で待ち合わせをする事になった。
「アトラ・・・大丈夫かな・・・」
「何心配しているのよ」
「アトラを復活するって言ったっていつになるのか不安だよ・・・」
「アイツはアンタと違って自信がある、それに帰って来て欲しいのがあたし達の思いでしょ?」
「そうだよね・・・」
2時間かけてようやく元に戻ったアトラの胸元。
後は生き返らせるしかないと祖父は肘まで腕まくりをし、気合い充分のようだった。
「アトラ、帰ってきてくれ」
12年ぶりにアトラをもう一度、生の世界へと連れて行く事を決めた。
“いつかは学校へ行かせるため”祖父の思いがアトラに届くようにと死の世界にいる孫に届いた。
「おじいちゃんだ・・・」
「おじいちゃん?」
「俺の事を探しに来てくれたんだ!」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
母は複雑な気持ちになり、アトラを離さないと思い、握った。
それは世界から消えたくないという寂しさなのであろうか、ずっと握り締める母から離すようにその手を優しく触れた。
「お母さん、ありがとう
短い時間だったけどさ、もう行かなきゃいけないんだ
俺にはおじいちゃんもいるし、友達ももう一人の家族もいるんだ!
俺、こんなに支えてくれる仲間が沢山出来たんだよ?」
「アトラ・・・」
「お母さん・・・ありがとう・・・」
「待って!!行かないでぇぇぇっ!!アトラっ・・・!!」
母はずっと一緒にいると思っていたが、自分が思う程上手くいかないと現実を知った。
帰って来るのは遅いかもしれないが、“死の世界で楽しく過ごそう”と決意した。
「おじい・・・ちゃん・・・」
目を覚まし、祖父はじっと見つめる孫に右手を両手で包み込むように握った。
「アトラ・・・」
「俺・・・」
「アトラああああああっ!!
おかえりっ!おかえりっ!」
「苦しいよ・・・」
嬉しさの余り、祖父に抱きしめられたアトラはそんな愛に恵まれたのだった。
────続
カエルは救急用動物として使われており、陸の場合はチーガーというチータとジャガーの交配した魔法界の動物が運搬係として使われている。
「アトラに何があった? 」
カエルが泳ぎながら話かけた。
「金髪の緑色のアッシュの色をしたツインテールの少女にやられた
アイツを生き返らせるにはあの爺さんの能力が必要だ、何とかして病院へ連れて行かせなきゃな・・・」
「アトラの爺さんはオーラルド魔術治療院という所にいる!
オイラの首根っこを持て、アトラの死体を離したりなんかするなよ?
さっさと行くぞー!!」
カエルは5人を乗せて万能なキック力で全速力で川を渡った。
アトラは目を覚ました。そこは花が沢山咲き誇った美しい世界、まるで魔法界のようだがそこは死の世界だと知らない。
人も居ない不思議な世界で大声を叫んだ。
「ルアナぁ~!イルヴィンソン!ハリガネさあああああああん!!
────ここは・・・どこなんだよ・・・」
そこに女性がアトラの方へと近づいてきた。
まだここが死の世界だと知らない少年に教えるために────
女性は声をかけた。
「アトラ」
「誰?」
「私は貴方のお母さん」
「お母さん?」
アトラをぎゅっと抱きしめ、その思いを言葉にした。
「会いたかったわ、アトラ
お母さんはやっと成長した貴方にいつかは会いたいって思ってたけど、まさか12歳で命を落とすような事になるとは知らなかったわ」
「俺も・・・」
同じ赤い色にくせっ毛でふんわりとした背中の半分まで伸びた髪、そして笑った笑顔が自分と似ていて“これは俺のお母さんなのか?”と疑問だった。
緊張する自分の息子を見て、この場所の事を母は教えた。
「ここは死の世界
私達の姿は歳を取らずにここで生きている、笑って遊んでストレスとも関係なくね
この世界は病気なんてないから気候なんて関係が無くていつもお日様が出ているから幸せよ~♪」
自由奔放に母は坂になっている草原に寝っ転がった。
そんな姿を見ながらいいとは思えない、そんな複雑な気持ちでその隣に体育座りをした。
その頃、オーラルド魔術治療院に到着したハリガネ一行はカエルから降りた。
現実世界ではタンカーで運ぶのだが、魔法界は布を重症の体を妖精が持っていく事になっている。
可愛い妖精なのかと思いきや、4人のガッツリした体型の筋肉隆々な男の妖精が持っていく。
「せーの」
「おいっしょ・・・(4人)」
アトラを病室へと思っていき、妖精達は退散していく。
『アトラが運ばれた』と聞き、祖父は走ってその場所へとやって来ると顔が白くなっている息子を発見した。
「アトラ!!」
祖父は空いた口が塞がらず、現実なのかどうなのかすらも分からない感じで孫の遺体と対面した。
ルアナが死んだ理由を明かし、絶望の淵に立たされたような気持ちになり、アトラの右手を包んで泣いた。
「アトラ・・・まさかあんな少女に殺されるとは思わなかっただろう・・・
儂はお前を亡くした後、娘にどう伝えればいいんだ・・・」
泣きながら息子を抱きしめた。また赤ん坊だった頃のようにまた死んでしまうのかとショックを受けながら悔しさが止まらない。
ハリガネは聞き込みをしつつ、志願した。
「名前・・・貴方の名前をお伺いしてもいいでしょうか?」
「マルドー・オルキスだ」
「マルドーさん、生き返らせればアトラ君はきっと戻って来ます、今は貴方の力が必要なのです
アトラ君もきっと貴方と同じです」
「そうだろう・・・な・・・」
一方、死の世界で車も通っていない道路を2人で歩く事になった。
鼻歌をしながらスキップをし、楽しそうにしているのを見ながらアトラは幸せそうだと母親を見ていた。
「ねぇアトラ、アンタここで私と一緒に過ごさない?」
「どうしてそんな事・・・」
「どうしてって、お母さんはアンタと一緒に過ごすのが長年の夢なんだよ?
アンタが居なきゃ、楽しめないし・・・」
「お母さんには友達がいるじゃないか?」
「居たって、周りには子供がいるし寂しい~よ~」
母の寂しい気持ちが分かるが、死の世界にいる訳にもいかないし、いつまでもここで浸りたくない。
祖父と仲間達が待つ生の世界へ戻りたいのが思いだが、母の悲しい顔を見てしまうとやはり離れたくはないと感じた。
「分かった、一緒にいよう」
「やったぁ~♪フフフ~ン♪」
母は友達の所へと急いで坂へ降りて楽しそうに友達と話している。
“もう逃げられる事は出来ないんだな“とアトラは心の中で 思った。
「まず手術をする前に傷を治さなきゃいかん、ミクルド頼む」
「分かりました」
ミクルド・ステヴァン33歳。
外科医として魔法で手術をする、帽子の中は金髪の玉ねぎのような尖った髪型で瞳はアクアマリンの色をした瞳の男だ。
空いた胸を元に戻すには逆回転をしながら時間をかけて繋ぎ止めるのが、ミクルド流。
その技で何10人のも人間を助けて来たが、胸から背中まで空いたものを見たのは初めて。
時間をかけながら魔力で再生する。
ルアナとイルヴィンソンはその出口で待ち合わせをする事になった。
「アトラ・・・大丈夫かな・・・」
「何心配しているのよ」
「アトラを復活するって言ったっていつになるのか不安だよ・・・」
「アイツはアンタと違って自信がある、それに帰って来て欲しいのがあたし達の思いでしょ?」
「そうだよね・・・」
2時間かけてようやく元に戻ったアトラの胸元。
後は生き返らせるしかないと祖父は肘まで腕まくりをし、気合い充分のようだった。
「アトラ、帰ってきてくれ」
12年ぶりにアトラをもう一度、生の世界へと連れて行く事を決めた。
“いつかは学校へ行かせるため”祖父の思いがアトラに届くようにと死の世界にいる孫に届いた。
「おじいちゃんだ・・・」
「おじいちゃん?」
「俺の事を探しに来てくれたんだ!」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
母は複雑な気持ちになり、アトラを離さないと思い、握った。
それは世界から消えたくないという寂しさなのであろうか、ずっと握り締める母から離すようにその手を優しく触れた。
「お母さん、ありがとう
短い時間だったけどさ、もう行かなきゃいけないんだ
俺にはおじいちゃんもいるし、友達ももう一人の家族もいるんだ!
俺、こんなに支えてくれる仲間が沢山出来たんだよ?」
「アトラ・・・」
「お母さん・・・ありがとう・・・」
「待って!!行かないでぇぇぇっ!!アトラっ・・・!!」
母はずっと一緒にいると思っていたが、自分が思う程上手くいかないと現実を知った。
帰って来るのは遅いかもしれないが、“死の世界で楽しく過ごそう”と決意した。
「おじい・・・ちゃん・・・」
目を覚まし、祖父はじっと見つめる孫に右手を両手で包み込むように握った。
「アトラ・・・」
「俺・・・」
「アトラああああああっ!!
おかえりっ!おかえりっ!」
「苦しいよ・・・」
嬉しさの余り、祖父に抱きしめられたアトラはそんな愛に恵まれたのだった。
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