オレはシングルマザーと入れ替わったけど楽しく生活してます

みゆきじゅん

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俺は片っ端から部屋に散らばる衣類をかき集めて洗濯機に入れて洗濯機を回す、そしてキッチンの汚れた食器を洗い始めた。俺は一人暮らしが長かった為に家事はお手の物だ。畳や床もせっせと掃除機で掃除して2時間程で片付いた。″ピカーッ″見違える部屋になった。
「ありがとうございます、すっかり綺麗になりました」
部屋を見て感動する幼稚園生とおっさん娘。目を輝かせている。
「命の恩人様にこんなことまでしてもらうなんて、申し訳ありません」
土下座している幼稚園生。そんな仕草も可愛いく思えた。″ぐるぐるぐる″おっさん娘のお腹が鳴る。
「お腹へった」
おっさんが騒ぐ。
「あ、もうこんな時間か、お腹も減るよね、ごめんね」
俺が部屋の掛け時計をみるともう時刻は夜の6時をさしていた。会社から帰宅してたのがたしか午後3時ぐらいだからな。
「娘さんの晩御飯って」
俺は何気なくきいた。
「すみません、あんなことがあったのですっかり買い物も忘れてました」
幼稚園生が答えた。まあ、予想通りの答えだと思った。
「そうですよね、僕が勝手にお掃除はじめちゃったのもあるし、失礼ですが冷蔵庫開けさせてもらいます」
俺はキッチンの冷蔵庫を開けて中を覗いた。

しばらくして″キラリン″部屋のちゃぶ台の上に並べられている料理の数々。
「いただきまーす」
おっさん娘が子供用のスプーンで掬ってご飯とおかずを食べ出す。
「すみません、冷蔵庫のものを勝手に使っちゃって、チャーハンとオムレツ、味噌汁にキャベツのサラダ、唐揚げぐらいしか出来なくてすみません」
俺は他人の家で勝手なことをしたと思い申し訳なさそうに言う。
「いいえ、ありがとうございます、冷蔵庫にたいしたもの入ってなかったのにこんな種類の料理を作れるなんてすごいですね、感動しかありません、お米も炊いてもらったし、男の人なのにすごいですね」
幼稚園生がなぜかとてつもなく感動しているのがわかった。
「はい、一人暮らしが長かったもので、あ、でも、今、僕のこの体は女ですよねぇ」
俺は自分の大きな胸を見下ろす。女だったことをあらためて思い出す。
「そうですね」
幼稚園生が笑顔になる。
「僕とあなたの分も作ったので食べましょう、ほんとお腹空きました」
俺が笑顔で言う。
「私は、未用 茜(みようあかね)と言います、そして娘は美千代(みちよ)と言います」
幼稚園生が眩い笑顔で言う。
「あ、申し遅れました、僕、新藤 幸一(しんどうこういち)幸せの幸と一番の一で″こういち″と言います」
俺も正座しなおして名乗った。
「幸一さんですか、幸せ一番と書くんですね、わかりました」
幼稚園生が微笑んで言う。
「でも、全然幸せじゃないですけどね、ずっと独りだし」
俺は俯いた。
「さっ、食べましょう、足も崩してください」
幼稚園生も食事を始めた。
「この唐揚げおいしい」
幼稚園生が口に手をあてながら上品に女らしく食べている。不思議な光景だった。でも、可愛い。
「(思う)ひとと食事するなんて久しぶりだな、いつも自分のマンションで深夜にひとりで食べていたから、なんだか嬉しい」
俺の目からうれし涙が溢れそうになった。
「今日は泊まってってくださいね、私の体をしたあなたがいなくなると娘が泣いちゃうかもしれませんし」
幼稚園生の顔で言われると断れない。
「あ、はい、わかりました」
俺はやもえないと判断した。
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