女になりたい

みゆきじゅん

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第1章 女になった日

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 俺はずっと昔から女になりたいと思っていた、幼稚園、小学校、中学校、高校、大学、ずっと男を演じてきた。
だけど俺の心の性はずっと女だった。それを知っていながらずっと気持ちを押し殺してきた。ある日突然俺は本当の女になった。
「‥‥なんだこれ」
オレは実家の自分の部屋でテレビを見ながら寝転んでいると、夜だというのに眩しい光に包まれた、突然部屋の家具の配置場所や置いてあるモノが変わり、オレ自身まで変化が起こったのだ。
「あれ、ここオレの部屋だよな」
声までも甲高い、女性的な声になっている。
「あーあー、オレの声、おかしい、めちゃ女みてーな声だなぁ」
オレはなぜかベッドの上に寝ていた。
「オレの部屋にベッドなんかなかったけどな、よいしょ」
オレは上半身を起こした。″ぷるるん″と胸元の物体が揺れた。
「え!?なにこれ、柔らかい大きい」
オレの胸に大きな丸い柔らかいモノがてあった。オレはそれを鷲掴みにした。めり込む指″ビクッ″と背筋に電気がはしり体が反応する。
「ノーブラか」
オレは不意に思った。そのあと、自分の発想にはっとする。
「って、これ、乳房じゃん」
オレの胸にあるものは今までのオレにはなかったモノだった。着ているTシャツもピンク色に変わって胸元がぱんぱんに膨れあがっていた。真ん中にとんがったものも見える。
「わっ、わっ、わっ」
オレは震えが止まらなくなる。
「まさか、下もか」
オレは咄嗟にベッドから降りて立ち上がる。
「わっ、ない、やっぱり、ない」
オレは履いている短パンの上から手探りで出っ張りを探した。しかし、そこはすっかり真っ平ら。股間にはあるはずのモノがすっかり無くなっていた。
「ま、マジか、これ夢か、オレの体が女みてーになってる、みたいじゃなくて女か」
オレは再びベッドに転がり込んで頭を抱えた。
「あっ、髪が艶やか、いい香りがする、以前より少し長くなってるな」
髪が鼻にかかった。
「(思う)それにしても胸の先っちょはムズムズ痛痒いし、股間はグググっと締まる感じが時折する、これが女の体の感覚なのか、オレ完全に女になってるぽい、でも、どうしよう、うん、どうだっていい、オレは女になりたかったんだ、ずっとなりたかった、本当の自分になっただけ、それだけだから」
驚きと感動でいっぱいになる。憧れてた女の体になった。オレはベッドの上で大の字になって天井を見上げている。自分の柔らかい大きな胸に手を乗せてまだ女であることを確かめていた。
″コンコン″と階段を登る音が聞こえて来る。
「やべー、母さんだ、どうしよう、こんな姿みせたらきっと驚くぞ、息子が女になりましたなんて信じてくれないかも、腰抜かすな絶対、だけどここはカミングアウトか、いや、ないだろ、いっそ、窓から逃げるか、くっ、愛人恋人カノジョってことにしとくか」
オレはベッドから飛び起きた。揺れる胸。
ノックと共に部屋のドアが開かれる。母と目が合うオレ。
「(動揺)あ、あのぅ、オレ、じゃなかった私っ、か、和樹さんの」
オレはシドロモドロで話す。
「玲奈っ、何してんの、もう夜ごはんよ、下に降りて来なさい、何回呼んでも返信しないんだからまったく」
母さんはそのままドアを閉めて1階に降りて行った。
「(思う)セーフか、ふぅ(ひと安心)オレのこと″れな″とか呼んでたな、これってオレの存在じたいが変わったと言うことか」
オレは恐る恐る1階に降りて行く。
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