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最終話 それぞれの結末
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私と皇帝カイザーの婚約は、瞬く間にヴァルヘイム帝国全土に知れ渡った。
「伝説の聖女様が、我らが皇妃に!」
「皇帝陛下、万歳! 聖女様、万歳!」
帝都はお祭り騒ぎとなり、民衆は熱狂的に未来の皇妃を歓迎した。
私は、その日から、聖女としての務めを少しずつ果たし始めた。
カイザーに付き添われ、帝国内の瘴気が溜まりやすい土地や、病に苦しむ人々がいる村を訪れる。彼女が祈りを捧げると、大地は浄化され、病人はたちまち快復していった。
その奇跡を目の当たりにした人々は、エリアーナを「慈愛の聖女皇妃」と呼び、心からの敬愛と感謝を捧げた。
その一方で、アステル王国の悲惨な末路も、風の便りに伝わってきた。
瘴気に完全に飲み込まれた王国は、もはや国家としての機能を失い崩壊。見かねたカイザーが「人道支援」の名目で帝国騎士団を派遣し、逃げ惑う国民を保護したという。
元王太子のアルフォンスと、その婚約者だったリリアも捕らえられたと聞いた。
アルフォンスは、国を滅ぼした愚かな王子として王位継承権を剥奪され、北の塔に幽閉された。今も、かつて自らが追放した聖女の名を呼び、後悔の言葉を呟き続けているらしい。
リリアは、その魔力のほとんどを瘴気との戦いで失い、没落した実家に送り返されたそうだ。
それを聞いても、私の心は不思議なほど穏やかだった。
彼らの末路は、私が望んだものではない。ただ、自らの愚かな行いが招いた、当然の結末だったのだろう。
◇
そして、季節は巡り、祝福の春が訪れた。
帝国の聖教会は、数え切れないほどの白い花で埋め尽くされている。
純白のウェディングドレスに身を包んだ私の前には、純白の軍服を纏ったカイザー陛下が、愛おしそうな笑みを浮かべて立っていた。
「汝、カイザー・フォン・ヴァルヘイムは、エリアーナ・フォン・ヴィステルを生涯の伴侶とし、健やかなる時も、病める時も、富める時も、貧しき時も、これを愛し、敬い、慈しむことを誓いますか」
「誓う」
力強く、迷いのない声。
次に、神官は私に問いかける。
「汝、エリアーナ・フォン・ヴィステルは……」
「はい、誓います」
私は神官の言葉を遮るように、満面の笑みで答えた。
帝国中の民に祝福されながら交わした誓いの口づけは、あの夜の星空の下でのものよりも、もっと甘く、幸せな味がした。
式の後、王宮のバルコニーから、民衆の歓声に応える。
隣で、夫となったカイザーが、私の手を強く握りしめた。
「愛している、エリアーナ。私の、世界でただ一人の聖女よ」
「私もです、カイザー様。あなたが見つけてくださったおかげで、私は、本当の自分になることができました」
出来損ないと蔑まれ、ただ息を潜めて生きていた私。
理不尽に全てを奪われたあの夜会の日、私は絶望の淵に立っていた。
けれど、あの日があったからこそ、今がある。
私はもう、過去を振り返らない。
私の隣には、世界で一番私を愛してくれる人がいて、未来には、光り輝く希望だけが満ちているのだから。
「伝説の聖女様が、我らが皇妃に!」
「皇帝陛下、万歳! 聖女様、万歳!」
帝都はお祭り騒ぎとなり、民衆は熱狂的に未来の皇妃を歓迎した。
私は、その日から、聖女としての務めを少しずつ果たし始めた。
カイザーに付き添われ、帝国内の瘴気が溜まりやすい土地や、病に苦しむ人々がいる村を訪れる。彼女が祈りを捧げると、大地は浄化され、病人はたちまち快復していった。
その奇跡を目の当たりにした人々は、エリアーナを「慈愛の聖女皇妃」と呼び、心からの敬愛と感謝を捧げた。
その一方で、アステル王国の悲惨な末路も、風の便りに伝わってきた。
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元王太子のアルフォンスと、その婚約者だったリリアも捕らえられたと聞いた。
アルフォンスは、国を滅ぼした愚かな王子として王位継承権を剥奪され、北の塔に幽閉された。今も、かつて自らが追放した聖女の名を呼び、後悔の言葉を呟き続けているらしい。
リリアは、その魔力のほとんどを瘴気との戦いで失い、没落した実家に送り返されたそうだ。
それを聞いても、私の心は不思議なほど穏やかだった。
彼らの末路は、私が望んだものではない。ただ、自らの愚かな行いが招いた、当然の結末だったのだろう。
◇
そして、季節は巡り、祝福の春が訪れた。
帝国の聖教会は、数え切れないほどの白い花で埋め尽くされている。
純白のウェディングドレスに身を包んだ私の前には、純白の軍服を纏ったカイザー陛下が、愛おしそうな笑みを浮かべて立っていた。
「汝、カイザー・フォン・ヴァルヘイムは、エリアーナ・フォン・ヴィステルを生涯の伴侶とし、健やかなる時も、病める時も、富める時も、貧しき時も、これを愛し、敬い、慈しむことを誓いますか」
「誓う」
力強く、迷いのない声。
次に、神官は私に問いかける。
「汝、エリアーナ・フォン・ヴィステルは……」
「はい、誓います」
私は神官の言葉を遮るように、満面の笑みで答えた。
帝国中の民に祝福されながら交わした誓いの口づけは、あの夜の星空の下でのものよりも、もっと甘く、幸せな味がした。
式の後、王宮のバルコニーから、民衆の歓声に応える。
隣で、夫となったカイザーが、私の手を強く握りしめた。
「愛している、エリアーナ。私の、世界でただ一人の聖女よ」
「私もです、カイザー様。あなたが見つけてくださったおかげで、私は、本当の自分になることができました」
出来損ないと蔑まれ、ただ息を潜めて生きていた私。
理不尽に全てを奪われたあの夜会の日、私は絶望の淵に立っていた。
けれど、あの日があったからこそ、今がある。
私はもう、過去を振り返らない。
私の隣には、世界で一番私を愛してくれる人がいて、未来には、光り輝く希望だけが満ちているのだから。
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教えてくださりありがとうございます!