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第27話 披露宴メニューは思い出のフルコースで
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「それでは、披露宴のメニュー決めを始めましょうか!」
公爵城の大会議室。
私、ジルベール様、料理長のバルト、そしてメイド長のマーサさんが円卓を囲んでいた。
テーブルの上には、羊皮紙とペン、そして試食用の皿が山積みになっている。
「通常、公爵家の婚礼といえば……」
マーサさんが資料を読み上げる。
「前菜は『白身魚のテリーヌ』、スープは『野菜のコンソメ』、メインは『鹿肉のロースト』……といった伝統的なコースが一般的ですが」
「却下です」
私は即答した。
「えっ、秒殺ですか?」
「だってマーサさん、お祝いの席で冷たくて味の薄い料理なんて食べたいですか? 私は嫌です。もっとこう、ガツンと記憶に残る、茶色くて温かい料理がいいんです!」
「茶色い料理……結婚式で……」
マーサさんが頭を抱えた。貴族の常識としてはアウトなのだろう。
しかし、隣のジルベール様が深く頷いた。
「レティシアの言う通りだ。私の結婚式だぞ? 参列者には、私の妻がいかに優秀な料理人であるか、骨の髄まで理解させる必要がある」
「おうよ! 俺も師匠の味で客の度肝を抜いてやりてぇ!」
バルトも鼻息荒く賛同する。
「では、テーマは『二人の愛の軌跡』でいきましょう」
私はペンを取り、サラサラとメニューを書き出した。
「まず前菜。これは……あのガリアの王女から巻き上げた『最高級生ハム』と領地特産の野菜を使ったサラダです」
「ドレッシングは?」
「もちろん、孤児院の子どもたちも大好きな『特製マヨネーズ』で!」
「いいな。あの時の『ざまぁ』の味が蘇るようだ」
ジルベール様がニヤリと笑う。
「次にスープ。これは、旦那様が風邪を引いた時に作った『黄金の鶏だしスープ』をベースにします。優しくて、でも濃厚な……愛の味です」
「っ……!」
ジルベール様が口元を押さえた。
看病された夜のことを思い出したらしい。
「魚料理は……ピクニックの時に作った『焼き鮭』をアレンジして、ムニエルにしましょう。ソースは焦がしバター醤油で!」
「そしてメインディッシュですが……」
私がそこで言葉を切ると、全員の視線が集まった。
ここは外せない。
私たちの始まりの味。
「……『ハンバーグ』しか、ないよな」
ジルベール様が静かに、けれど力強く言った。
「あの夜、廃屋同然の別邸で……君が私に差し出した、あの不格好で、暴力的で、最高に美味い肉の塊。……あれがあったから、今の私たちがいる」
「……はい。オーク肉を叩いて、あめ色玉ねぎを混ぜて……肉汁たっぷりに焼き上げます」
「ソースは、あの時と同じ『トマトソース』だ。……あれで私の胃袋は完全に陥落したのだからな」
バルトが涙ぐみながらメモを取っている。
「うぅ……いい話だ……。師匠と旦那様の『餌付け記念ハンバーグ』ですね!」
「名前が台無しだけど、まあいいわ」
「そして、締めのご飯ものは……」
私は少し悪戯っぽく笑って、ジルベール様を見た。
「喧嘩した夜に仲直りした、『ふわとろオムライス』にしますか? それとも王都を震撼させた『鶏白湯ラーメン』にしますか?」
究極の二択だ。
ジルベール様は腕を組み、真剣に悩み始めた。
眉間にシワが寄っている。国政について悩む時より深刻そうだ。
「……選べない。どちらも捨てがたい」
「じゃあ、ハーフ&ハーフで両方出しちゃいましょう! お祝いですから!」
「正気ですか奥様!? コースの最後に炭水化物の二連撃なんて!」
マーサさんが悲鳴を上げるが、私とバルトはハイタッチを交わした。
「デザートはどうするんだ?」
「それはもちろん……」
私は立ち上がり、窓の外に見える広大な庭園を指差した。
「この城の庭に巨大なテントを建てて……『デザートビュッフェ』をやります!」
「ビュッフェ?」
「はい! 『至高のプリン』はもちろん、『フルーツサンド』、『スフレパンケーキ』……私が今まで作ったお菓子を全部並べて、好きなだけ食べてもらうんです!」
「……ふっ」
ジルベール様が吹き出した。
「呆れたな。私の妻は、客を歩けなくなるまで太らせる気か?」
「当然です。『美味しかった、苦しい、もう食べられない』と言わせて帰すのが、料理人としての最高のおもてなしですから!」
「いいだろう。採用だ」
ジルベール様は立ち上がり、高らかに宣言した。
「準備にかかれ! 食材は世界中から取り寄せろ! このヴァルシュタイン公爵家の結婚式を、歴史に残る『飯テロの祭典』にするのだ!」
こうして前代未聞のメニューが決まった。
だが、一つだけ決まっていないものがあった。
それは、結婚式のシンボルであり、私が一番こだわりたいもの。
――ウエディングケーキだ。
「ふふふ……ケーキだけは、私の夢を詰め込ませてもらうわよ……!」
私の食欲の炎は、まだ燃え盛っていた。
公爵城の大会議室。
私、ジルベール様、料理長のバルト、そしてメイド長のマーサさんが円卓を囲んでいた。
テーブルの上には、羊皮紙とペン、そして試食用の皿が山積みになっている。
「通常、公爵家の婚礼といえば……」
マーサさんが資料を読み上げる。
「前菜は『白身魚のテリーヌ』、スープは『野菜のコンソメ』、メインは『鹿肉のロースト』……といった伝統的なコースが一般的ですが」
「却下です」
私は即答した。
「えっ、秒殺ですか?」
「だってマーサさん、お祝いの席で冷たくて味の薄い料理なんて食べたいですか? 私は嫌です。もっとこう、ガツンと記憶に残る、茶色くて温かい料理がいいんです!」
「茶色い料理……結婚式で……」
マーサさんが頭を抱えた。貴族の常識としてはアウトなのだろう。
しかし、隣のジルベール様が深く頷いた。
「レティシアの言う通りだ。私の結婚式だぞ? 参列者には、私の妻がいかに優秀な料理人であるか、骨の髄まで理解させる必要がある」
「おうよ! 俺も師匠の味で客の度肝を抜いてやりてぇ!」
バルトも鼻息荒く賛同する。
「では、テーマは『二人の愛の軌跡』でいきましょう」
私はペンを取り、サラサラとメニューを書き出した。
「まず前菜。これは……あのガリアの王女から巻き上げた『最高級生ハム』と領地特産の野菜を使ったサラダです」
「ドレッシングは?」
「もちろん、孤児院の子どもたちも大好きな『特製マヨネーズ』で!」
「いいな。あの時の『ざまぁ』の味が蘇るようだ」
ジルベール様がニヤリと笑う。
「次にスープ。これは、旦那様が風邪を引いた時に作った『黄金の鶏だしスープ』をベースにします。優しくて、でも濃厚な……愛の味です」
「っ……!」
ジルベール様が口元を押さえた。
看病された夜のことを思い出したらしい。
「魚料理は……ピクニックの時に作った『焼き鮭』をアレンジして、ムニエルにしましょう。ソースは焦がしバター醤油で!」
「そしてメインディッシュですが……」
私がそこで言葉を切ると、全員の視線が集まった。
ここは外せない。
私たちの始まりの味。
「……『ハンバーグ』しか、ないよな」
ジルベール様が静かに、けれど力強く言った。
「あの夜、廃屋同然の別邸で……君が私に差し出した、あの不格好で、暴力的で、最高に美味い肉の塊。……あれがあったから、今の私たちがいる」
「……はい。オーク肉を叩いて、あめ色玉ねぎを混ぜて……肉汁たっぷりに焼き上げます」
「ソースは、あの時と同じ『トマトソース』だ。……あれで私の胃袋は完全に陥落したのだからな」
バルトが涙ぐみながらメモを取っている。
「うぅ……いい話だ……。師匠と旦那様の『餌付け記念ハンバーグ』ですね!」
「名前が台無しだけど、まあいいわ」
「そして、締めのご飯ものは……」
私は少し悪戯っぽく笑って、ジルベール様を見た。
「喧嘩した夜に仲直りした、『ふわとろオムライス』にしますか? それとも王都を震撼させた『鶏白湯ラーメン』にしますか?」
究極の二択だ。
ジルベール様は腕を組み、真剣に悩み始めた。
眉間にシワが寄っている。国政について悩む時より深刻そうだ。
「……選べない。どちらも捨てがたい」
「じゃあ、ハーフ&ハーフで両方出しちゃいましょう! お祝いですから!」
「正気ですか奥様!? コースの最後に炭水化物の二連撃なんて!」
マーサさんが悲鳴を上げるが、私とバルトはハイタッチを交わした。
「デザートはどうするんだ?」
「それはもちろん……」
私は立ち上がり、窓の外に見える広大な庭園を指差した。
「この城の庭に巨大なテントを建てて……『デザートビュッフェ』をやります!」
「ビュッフェ?」
「はい! 『至高のプリン』はもちろん、『フルーツサンド』、『スフレパンケーキ』……私が今まで作ったお菓子を全部並べて、好きなだけ食べてもらうんです!」
「……ふっ」
ジルベール様が吹き出した。
「呆れたな。私の妻は、客を歩けなくなるまで太らせる気か?」
「当然です。『美味しかった、苦しい、もう食べられない』と言わせて帰すのが、料理人としての最高のおもてなしですから!」
「いいだろう。採用だ」
ジルベール様は立ち上がり、高らかに宣言した。
「準備にかかれ! 食材は世界中から取り寄せろ! このヴァルシュタイン公爵家の結婚式を、歴史に残る『飯テロの祭典』にするのだ!」
こうして前代未聞のメニューが決まった。
だが、一つだけ決まっていないものがあった。
それは、結婚式のシンボルであり、私が一番こだわりたいもの。
――ウエディングケーキだ。
「ふふふ……ケーキだけは、私の夢を詰め込ませてもらうわよ……!」
私の食欲の炎は、まだ燃え盛っていた。
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