恋も剣も本気です!青春剣士たちのラブ・グラディエーション ~気が付くとは~れむ状態!?~

てんちょう

文字の大きさ
8 / 448
第1章 中等剣術部歓迎試合と恭弥の女子事情

恋の火花

しおりを挟む
試合が終わっても、場に残る熱気と興奮は冷めることなく、一年たちの新たなスタートを静かに、しかし確かに告げていた。

「……十分後、男女混合団体戦を開始する。準備しておけ。」

氷堂凍夜はそう短く言い残すと、部長室へと静かに姿を消した。その背中を見送った恭弥は、頭の中で先ほどの勝負を反芻していた。

『――引き分け……? 手加減したな、あの人……。』

思わず奥歯を噛み締めながら、彼は次の団体戦のメンバーを思案する。

「すごい……本当にすごいよ、恭弥くん。あの主将と相打ちだなんて……。」 

茜が瞳を輝かせながら近づいてきた。 

「ねえ、あの殺気……すごかったよ。怖かったもん。だから、今は……抱きしめて?」

しかしその瞬間、月華が茜の前にすっと立ちはだかる。茜はむっとした顔で口を尖らせた。

「月華さん、なんでいつも邪魔するの? 私、ただ恭弥くんと仲良くしたいだけなのに……。」

「親交を深めるのに、そんなに身体を寄せ合う必要はないわよ。茜みたいに脂肪の塊がくっついたら、恭弥が迷惑なの。わからないの?」

冷たい視線で放たれた月華の言葉に、茜は不敵な笑みを浮かべた。

「まあ……嫉妬かしら? 気の毒に。そんな貧相な身体じゃ、誰も虜にはできないものね。」

その言葉に月華の頬が引きつった。だが、争いに割って入ったのは恭弥だった。

「二人とも、いい加減にしろ。」

静かな一言で空気が変わる。だが、すぐに月華が恭弥に問いかけた。

「……じゃあ、恭弥はどっちがタイプなの?」

その言葉に、茜も期待を込めた眼差しで見つめてくる。恭弥は言葉に詰まりながらも、そっと指をさした。

「あ……あれ……」

指先の先には、混合団体の準備を進める聖奈の姿があった。唖然とする二人。

「はぁ……そうだった。恭弥の理想って、聖奈さんだったわね。忘れてた……。」

月華が小さくため息を漏らす。

「本当、何をしてても絵になるんだよね……。」 

その呟きに、茜がにやりと口元を吊り上げた。

「まあ、確かに綾野先輩には敵わないわ。でもそれって、月華さんが恭弥くんの好みじゃないってことでしょ?」

その挑発に、恭弥がぽつりと返す。

「いや……月華のスタイル、俺は好きだよ。むしろ好み。もし月詠と付き合ってなければ、俺が月華と……。」

不意にそんな言葉を告げられ、月華の顔は瞬時に真っ赤に染まった。だが、茜は悔しげに声を上げた。

「なによ、それ! 私の方が聖奈先輩に近いじゃない! それに……こんな貧相な体のどこがいいのよ!」

「桃井さん……さっきから月華の悪口ばかり言ってるよな。誰かと比べないと自分の価値を測れないなんて、ちょっと寂しいよ。それに、俺が憧れてるのは聖奈姉さんの“美貌”じゃない。“強さ”なんだ。月華は、そんな姉さんを目指して頑張ってる。……桃井さんは、何を目指してるの?」

茜の顔から、言葉がすっと引いていった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする

夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】 主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。 そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。 「え?私たち、付き合ってますよね?」 なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。 「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

処理中です...