恋も剣も本気です!青春剣士たちのラブ・グラディエーション ~気が付くとは~れむ状態!?~

てんちょう

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第1章 中等剣術部歓迎試合と恭弥の女子事情

茜、登場

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その時、月華はふと気づいた。恭弥のその言葉が、自分への尊敬と好意に裏打ちされたものであることに。

――私のこと、そんな風に……思ってくれてたんだ。嬉しい。

「じゃあ、恭弥。もし私が月詠と別れたら……付き合ってくれるの?」

からかうような声音でそう言った月華に、恭弥は即座に眉をひそめた。

「馬鹿言うな。そんなことしたら、俺……月詠に殺されるだろ……。まあ……付き合いたいって気持ちがないわけじゃないけどさ、今のはその場しのぎの冗談ってことで……。」

そう言って、彼はそっと月詠の方へ歩いていく。が、その背中に声が飛んだ。

「へぇ……恭弥が月華をそんなふうに思ってたなんて。でもな、月華は“俺のモノ”だ。たとえお前でも譲らないからな?」

月詠の言葉に、恭弥の足が止まった。

「聞いてたのかよ……。いや、今のは……例え話だよ、月詠。桃井さんを黙らせるためのさ……。」

慌てて釈明する恭弥に、月詠は無言でそっけなく目を逸らしただけだった。

「そろそろ、いいかな」

柔らかくも、全体に響くような声で、三年の佐竹が言った。

「これより、男女混合団体戦の試合を行う。1年チーム──先鋒、桃井。次鋒、笹山。中堅、高坂妹。副将、高坂兄。大将、綾野弟。以上だ。」

その発表に、月詠が立ち上がる。

「先輩、さっきは恭弥と主将が戦ったでしょう? 今度は、俺とやらせてください。」

その言葉に、場は一瞬静まった。年長者への無礼と受け取る空気はなかったが、一人だけ、違っていた。

「……それは認める。俺も、同じ相手よりは高坂兄とやりたかった。いいだろう。」

静かに告げたのは、氷堂凍夜だった。それを聞いた佐竹は、すぐに告げる。

「では、副将と大将は入れ替えることにする。それでは──先鋒、前へ。」

その声と共に、選手がステージに転送される。

『見ていてね、恭弥君。私の実力を見せてあげる。戦ってる私を見たら、機嫌直してくれるかもしれないし。』

桃井茜は心の中でそう呟くと、対戦相手を見やる。そこに立っていたのは、先ほど男子団体戦で先鋒を務めた、日下部だった。

『男……でも、負けません。』

茜は愛刀・フェンリルを構える。牙のようなギザギザの剣先を持ち、武器破壊も可能な、特殊なオリジナル武器だった。

「先鋒戦、始め!」

合図とともに、茜が一気に踏み込む。彼女の剣筋は、並の男では視認できぬほど鋭く、しなやかな軌道を描いて日下部に襲いかかった。

『な、なんだ、この戦いにくさは……女子相手とはいえ、こんなにも押されるなんて……。』

焦る日下部の防御は、徐々に乱れていく。

「これが、彼女の“フィッシングアロー”。剣先の軌道を自在に操り、相手の武器にダメージを与えていく。そして徐々に、相手を無力化するのよ。力押しの相手には、最悪の技なの。」

観戦していた月華が、解説を加える。

「これが、月華を苦しめていた“フィッシングアロー”という技か……。」

恭弥と月詠も、黙って茜の技を見つめる。その隣で、ある人物の目がギラリと光った。
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