恋も剣も本気です!青春剣士たちのラブ・グラディエーション ~気が付くとは~れむ状態!?~

てんちょう

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第15章 予想を超えたクラブ選手権予選開始します

まだ遠い、その舞台へ――立ち塞がる強豪たち

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次鋒戦――日下部と江上の一戦は、誰もが予想しなかった展開となった。

「天駕風力転成剣!」

放たれた技と同時に、日下部の巨体が宙を舞い、そのまま地面に叩きつけられる。

「勝負あり。用瀬谷中学、江上!」

主審の判定が響くと、場内にはざわめきが広がった。

「おい、今のチビが勝ったのかよ!」

「まさかの女勝ち……いや、マジで強ええ……!」

勝利したのは、身長140センチ台の小柄な少女、江上。細身の体とは裏腹に、その一撃は重かった。

「女だからって、甘く見ないで。私、並の男には負けたことないから。」

勝利の余韻も冷めぬまま、江上は涼しい顔でベンチに戻った。

続く中堅戦でも、旭日中に誤算が走る。

無敗で勝ち進んできた月華が、初の黒星を喫したのだ。

「勝負あり。用瀬谷中学、本田。」

対する相手は、身長190センチ超えの巨漢。月華の小柄な体は、その巨体の前ではまるで影のようだった。

月華は俊敏さで応戦したが、重量とパワーの差は明らか。連打の末、腹部に直撃を受けて意識を失い、そのまま試合は終了。屈辱のKO負けとなった。

旭日中は、まさかの2連敗。

「やっぱ、全国ってレベルが違う……。これで地区予選5位だぜ?」

ベンチで月詠と恭弥が言葉を交わす。

「でも、俺は負けない。」

月詠の瞳に静かな炎が灯る。

「そうこなくちゃ! 取り返せ、月詠!」

その言葉に応えるように、月詠は冷静な剣術で中堅戦を制し、対戦成績は2勝2敗の五分に。

そして五将戦――咲がついに舞台に上がった。

「やっと、混合団体で戦えるわね。」

咲は微笑みながら、阿修羅を手に戦場に向かう。

「五将戦、旭日中学・姫柊。用瀬谷中学・佐々木、前へ。」

主審の合図で、ふたりは向かい合う。

「よろしく。いい試合にしましょう。」

佐々木が軽く剣を当てる。

「そうね。全力で、互いの力を試しましょう。」

咲も応じ、試合開始を待った。

「始め!」

試合は、冒頭から激しい火花を散らす接戦に。

剣と剣が激しくぶつかり合い、互いに一歩も譲らない。

「カリツーオ!」

「バーン・フラッシュ!」

技の応酬が繰り広げられるが、どれも決定打にはならなかった。

「咲が……ポイントを取れてない!?」

恭弥が思わず息を呑む。

「これが“全国レベル”……。それも、用瀬谷はその中でも屈指の強さだ。」

咲と佐々木の戦いは、互いの奥の手がぶつかる終盤へと突入した。

(このままじゃ、押し切られる……!)

咲はこれまで抑えていた負荷を解放し、全力の技に踏み切る決意をする。

一方、佐々木も思っていた。

(この人、強い……。最後の切り札、出さなきゃ勝てない!)

静かな沈黙が流れ、観客も息を飲んだ。

そして、同時に放たれた。

「白雷の大綱龍撃烈波!」

「リグ・ヴェーダ・無限無双華!」

二つの奥義が激突し、バトルフィールドは白煙に包まれる。

その中から、さらに一閃。

「月光龍仙人奥義――大霧斬り!」

佐々木の絶叫が響いた直後、もう一つの声が煙を突き破る。

「ゾリアック!!」

轟音が巻き起こり、観客が凍りつく中――白煙の向こうに、仁王立ちする咲の姿が現れた。

一方、佐々木は完全に沈黙し、地に伏していた。

勝敗は……?

観客が固唾を飲む中、主審が両手を交差させた。

「両者、戦闘不能につき、引き分け!」

会場中が一斉に沸き返る。

「引き分け!? 何が起こったんだ、今の……!」

「でも、すっげぇ試合だったな……!」

咲は確かに立っていた。しかし、その姿は完全に意識を失い、支える力なく、次の瞬間、膝をついた。

彼女もまた、限界を超えていたのだった。

観客のどよめきの中、二人は担架に乗せられ、静かに医務室へと運ばれていった。

――全国への道は、まだ遠い。

だが、確かに今、戦場にはその足音が近づいていた。
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