恋も剣も本気です!青春剣士たちのラブ・グラディエーション ~気が付くとは~れむ状態!?~

てんちょう

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第18章 咲と聖奈の約束

灼熱の大将戦――剣が語る序章、斬り結ぶは頂の誇り

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 「それでは、大将戦を始めます!」

工藤主審の号令と同時に、姫柊咲とアースティア・アスフレアは、中央で激しく刀をぶつけ合った。

刹那、金属と金属がぶつかり合う鋭い音が響き渡る。

咲は、まだ使い慣れていない帝釈天と迦楼羅を交互に使い分け、タイミングを図りながらアースティアに攻め込んでいく。

その太刀筋は鋭く、隙がなかった。だが、アースティアは一歩も退かず、咲の動きを見切るように正確に受け止める。

 「なんて、素晴らしい……。その刀たち、とても嬉しそうに聞こえますわ。」

アースティアは剣戟の中で、まるで帝釈天と迦楼羅の声を聴くかのように微笑んだ。

その表情に、咲はすぐに気づいた。

(この人の剣も……意思を持つ、インテリジェンス・ソード?)

 「あなたの剣も、意思があるのでは?」

鍔迫り合いの最中、咲が問いかけると、アースティアはにこやかに頷いた。

 「ええ、私の“シャイニングウィングソード”は、生きていますよ。」

次の瞬間、アースティアは軽く踏み込み、鋭い袈裟斬りを叩きつけてきた。

咲はとっさに迦楼羅で受け止めるも、その一撃の重さに足を滑らせ、三メートルほど後方へ吹き飛ばされた。

 「ふふっ、なるほど。だから帝釈天も、迦楼羅も喜んでるんだな。」

咲も笑みを返し、再び二刀を構えた。

両者の間に一瞬の静寂が走る。観客の誰もが息を呑んで見守る中、

二人はほぼ同時に地を蹴り、再び激突した。

今度は斬撃と斬撃が立て続けに交差する。風を切る音と衝撃が何度も交わり、激しい斬り合いが続く。互いの剣が火花を散らし、咲の帝釈天が下からすくい上げれば、アースティアのシャイニングウィングソードが鋭く横から突き刺さる。

やがて、両者ともに同時に吹き飛び、床を滑っていった。

(互角……!)

咲は体勢を立て直しながら、静かに息を整える。汗が額をつたっていた。

 「これまでの対戦相手とは、確かに違いますね。では……私も少し本気を出しますわ。」

そう言うと、アースティアはシャイニングウィングソードを空へ掲げ、その身体がふわりと光をまとって浮かび上がった。

天井近くまで舞い上がるその姿は、もはや人の跳躍ではない。翼を持つが如く、優雅でいて、神々しかった。

 「シャイニング・バースト!」

空中から重力を伴った衝撃波が咲を襲う。

咲は帝釈天を天にかざし、空間を切り裂くように大きな弧を描く。

刹那、咲の周囲に旋回するような風圧が生まれ、巨大な衝撃波が逸れ、地面へと逸れた先の床を大きく抉った。

それでもアースティアの表情はまったく動じていなかった。

(すごい……あの威力を平然と。けど、私も……)

帝釈天の手応えに咲も確信する。

(この刀なら、渡り合える)

観客席からどよめきが起こる。

 「うそだろ……あれ、必殺技レベルじゃねぇか!」

 「それを流した? しかも余裕の表情で……」

試合開始から、早くも規格外の技が飛び交い、場内は熱狂に包まれた。

 「あなたの剣……私のと同じくらい、強いですね。」

アースティアが言うと、咲は静かに微笑んで返した。

 「ええ、同じです。でも、あなたには翼がある。私は地に足をつけているだけ。」

 「ふふ……なら、どうやって私に届かせるつもりですの?」

 「手段なんて、いくらでもあるわよ。」

咲は帝釈天を再び天に掲げ、詠唱する。

 「雷鳴よ、我が命に従い、打ち落とせ。――雷撃招来!」

直後、アースティアの遥か上空の天井が一瞬で曇り、稲妻が轟音と共に落ちた。

背後から無防備なアースティアを、雷撃が直撃する。

観客席が一斉に息を呑む。

(入った……!)

これまで正面の攻撃は全て防いできたアースティアが、初めて背中からダメージを負った。

 「どう? 少しはアドバンテージ取れたかしら?」

咲が挑発気味に言うと、アースティアは目を細めて優雅に微笑んだ。

 「そうですね。認めましょう……私、今の一撃は完全に読み違えました。 それと、これから私のことは“ティア”と呼んでくださいな。あなたにはその資格がありますわ。」

ティアはそう言って、静かに愛刀に意識を集中させる。

大将戦、序盤にしてすでに観客の想像を超えた技と展開がぶつかり合い、勝負の行方はまったく見えないままだった。

――そして、戦いは次の段階へと進んでいく。
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