344 / 448
第18章 咲と聖奈の約束
灼熱の大将戦――剣が語る序章、斬り結ぶは頂の誇り
しおりを挟む
「それでは、大将戦を始めます!」
工藤主審の号令と同時に、姫柊咲とアースティア・アスフレアは、中央で激しく刀をぶつけ合った。
刹那、金属と金属がぶつかり合う鋭い音が響き渡る。
咲は、まだ使い慣れていない帝釈天と迦楼羅を交互に使い分け、タイミングを図りながらアースティアに攻め込んでいく。
その太刀筋は鋭く、隙がなかった。だが、アースティアは一歩も退かず、咲の動きを見切るように正確に受け止める。
「なんて、素晴らしい……。その刀たち、とても嬉しそうに聞こえますわ。」
アースティアは剣戟の中で、まるで帝釈天と迦楼羅の声を聴くかのように微笑んだ。
その表情に、咲はすぐに気づいた。
(この人の剣も……意思を持つ、インテリジェンス・ソード?)
「あなたの剣も、意思があるのでは?」
鍔迫り合いの最中、咲が問いかけると、アースティアはにこやかに頷いた。
「ええ、私の“シャイニングウィングソード”は、生きていますよ。」
次の瞬間、アースティアは軽く踏み込み、鋭い袈裟斬りを叩きつけてきた。
咲はとっさに迦楼羅で受け止めるも、その一撃の重さに足を滑らせ、三メートルほど後方へ吹き飛ばされた。
「ふふっ、なるほど。だから帝釈天も、迦楼羅も喜んでるんだな。」
咲も笑みを返し、再び二刀を構えた。
両者の間に一瞬の静寂が走る。観客の誰もが息を呑んで見守る中、
二人はほぼ同時に地を蹴り、再び激突した。
今度は斬撃と斬撃が立て続けに交差する。風を切る音と衝撃が何度も交わり、激しい斬り合いが続く。互いの剣が火花を散らし、咲の帝釈天が下からすくい上げれば、アースティアのシャイニングウィングソードが鋭く横から突き刺さる。
やがて、両者ともに同時に吹き飛び、床を滑っていった。
(互角……!)
咲は体勢を立て直しながら、静かに息を整える。汗が額をつたっていた。
「これまでの対戦相手とは、確かに違いますね。では……私も少し本気を出しますわ。」
そう言うと、アースティアはシャイニングウィングソードを空へ掲げ、その身体がふわりと光をまとって浮かび上がった。
天井近くまで舞い上がるその姿は、もはや人の跳躍ではない。翼を持つが如く、優雅でいて、神々しかった。
「シャイニング・バースト!」
空中から重力を伴った衝撃波が咲を襲う。
咲は帝釈天を天にかざし、空間を切り裂くように大きな弧を描く。
刹那、咲の周囲に旋回するような風圧が生まれ、巨大な衝撃波が逸れ、地面へと逸れた先の床を大きく抉った。
それでもアースティアの表情はまったく動じていなかった。
(すごい……あの威力を平然と。けど、私も……)
帝釈天の手応えに咲も確信する。
(この刀なら、渡り合える)
観客席からどよめきが起こる。
「うそだろ……あれ、必殺技レベルじゃねぇか!」
「それを流した? しかも余裕の表情で……」
試合開始から、早くも規格外の技が飛び交い、場内は熱狂に包まれた。
「あなたの剣……私のと同じくらい、強いですね。」
アースティアが言うと、咲は静かに微笑んで返した。
「ええ、同じです。でも、あなたには翼がある。私は地に足をつけているだけ。」
「ふふ……なら、どうやって私に届かせるつもりですの?」
「手段なんて、いくらでもあるわよ。」
咲は帝釈天を再び天に掲げ、詠唱する。
「雷鳴よ、我が命に従い、打ち落とせ。――雷撃招来!」
直後、アースティアの遥か上空の天井が一瞬で曇り、稲妻が轟音と共に落ちた。
背後から無防備なアースティアを、雷撃が直撃する。
観客席が一斉に息を呑む。
(入った……!)
これまで正面の攻撃は全て防いできたアースティアが、初めて背中からダメージを負った。
「どう? 少しはアドバンテージ取れたかしら?」
咲が挑発気味に言うと、アースティアは目を細めて優雅に微笑んだ。
「そうですね。認めましょう……私、今の一撃は完全に読み違えました。 それと、これから私のことは“ティア”と呼んでくださいな。あなたにはその資格がありますわ。」
ティアはそう言って、静かに愛刀に意識を集中させる。
大将戦、序盤にしてすでに観客の想像を超えた技と展開がぶつかり合い、勝負の行方はまったく見えないままだった。
――そして、戦いは次の段階へと進んでいく。
工藤主審の号令と同時に、姫柊咲とアースティア・アスフレアは、中央で激しく刀をぶつけ合った。
刹那、金属と金属がぶつかり合う鋭い音が響き渡る。
咲は、まだ使い慣れていない帝釈天と迦楼羅を交互に使い分け、タイミングを図りながらアースティアに攻め込んでいく。
その太刀筋は鋭く、隙がなかった。だが、アースティアは一歩も退かず、咲の動きを見切るように正確に受け止める。
「なんて、素晴らしい……。その刀たち、とても嬉しそうに聞こえますわ。」
アースティアは剣戟の中で、まるで帝釈天と迦楼羅の声を聴くかのように微笑んだ。
その表情に、咲はすぐに気づいた。
(この人の剣も……意思を持つ、インテリジェンス・ソード?)
「あなたの剣も、意思があるのでは?」
鍔迫り合いの最中、咲が問いかけると、アースティアはにこやかに頷いた。
「ええ、私の“シャイニングウィングソード”は、生きていますよ。」
次の瞬間、アースティアは軽く踏み込み、鋭い袈裟斬りを叩きつけてきた。
咲はとっさに迦楼羅で受け止めるも、その一撃の重さに足を滑らせ、三メートルほど後方へ吹き飛ばされた。
「ふふっ、なるほど。だから帝釈天も、迦楼羅も喜んでるんだな。」
咲も笑みを返し、再び二刀を構えた。
両者の間に一瞬の静寂が走る。観客の誰もが息を呑んで見守る中、
二人はほぼ同時に地を蹴り、再び激突した。
今度は斬撃と斬撃が立て続けに交差する。風を切る音と衝撃が何度も交わり、激しい斬り合いが続く。互いの剣が火花を散らし、咲の帝釈天が下からすくい上げれば、アースティアのシャイニングウィングソードが鋭く横から突き刺さる。
やがて、両者ともに同時に吹き飛び、床を滑っていった。
(互角……!)
咲は体勢を立て直しながら、静かに息を整える。汗が額をつたっていた。
「これまでの対戦相手とは、確かに違いますね。では……私も少し本気を出しますわ。」
そう言うと、アースティアはシャイニングウィングソードを空へ掲げ、その身体がふわりと光をまとって浮かび上がった。
天井近くまで舞い上がるその姿は、もはや人の跳躍ではない。翼を持つが如く、優雅でいて、神々しかった。
「シャイニング・バースト!」
空中から重力を伴った衝撃波が咲を襲う。
咲は帝釈天を天にかざし、空間を切り裂くように大きな弧を描く。
刹那、咲の周囲に旋回するような風圧が生まれ、巨大な衝撃波が逸れ、地面へと逸れた先の床を大きく抉った。
それでもアースティアの表情はまったく動じていなかった。
(すごい……あの威力を平然と。けど、私も……)
帝釈天の手応えに咲も確信する。
(この刀なら、渡り合える)
観客席からどよめきが起こる。
「うそだろ……あれ、必殺技レベルじゃねぇか!」
「それを流した? しかも余裕の表情で……」
試合開始から、早くも規格外の技が飛び交い、場内は熱狂に包まれた。
「あなたの剣……私のと同じくらい、強いですね。」
アースティアが言うと、咲は静かに微笑んで返した。
「ええ、同じです。でも、あなたには翼がある。私は地に足をつけているだけ。」
「ふふ……なら、どうやって私に届かせるつもりですの?」
「手段なんて、いくらでもあるわよ。」
咲は帝釈天を再び天に掲げ、詠唱する。
「雷鳴よ、我が命に従い、打ち落とせ。――雷撃招来!」
直後、アースティアの遥か上空の天井が一瞬で曇り、稲妻が轟音と共に落ちた。
背後から無防備なアースティアを、雷撃が直撃する。
観客席が一斉に息を呑む。
(入った……!)
これまで正面の攻撃は全て防いできたアースティアが、初めて背中からダメージを負った。
「どう? 少しはアドバンテージ取れたかしら?」
咲が挑発気味に言うと、アースティアは目を細めて優雅に微笑んだ。
「そうですね。認めましょう……私、今の一撃は完全に読み違えました。 それと、これから私のことは“ティア”と呼んでくださいな。あなたにはその資格がありますわ。」
ティアはそう言って、静かに愛刀に意識を集中させる。
大将戦、序盤にしてすでに観客の想像を超えた技と展開がぶつかり合い、勝負の行方はまったく見えないままだった。
――そして、戦いは次の段階へと進んでいく。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる