354 / 448
第19章 新たなる力ー―しゃべる刀は無限の可能性!
遅刻したって間に合うさ――仲間と歩む再スタート
しおりを挟む
翌朝、クラブ選手権男子団体の会場へと続く道を、聖奈と恭弥は息を切らしながら駆けていた。
「聖奈が“あと少し”って言って寝かせてくれなかったから、寝坊したじゃんか……!」
恭弥が半ば呆れたように言うと、聖奈は少し悪びれたように返す。
「だって、暁が手に馴染んでつい夢中になっちゃったんだもん。それに、帰りに言ったでしょ?“今日は寝かせない”って。恭弥だって、ちゃんと了承したじゃない。」
「そりゃあ……言ったけど、まさか本当に4時までやるとは思ってなかったよ……。」
恭弥が肩で息をしながらそう返すと、聖奈は拗ねたように目を逸らした。
「恭弥は、私と一緒は嫌なんだ……。私は楽しかったのに……。」
「そ、そんなことないよ!聖奈と二人っきり、嬉しかったさ!でも、今日は俺の出る男子団体戦だし、体調管理もしないとダメだろ。そうやって言ってたの、聖奈じゃんか。」
少しだけ責めるように言う恭弥の言葉に、聖奈は言葉を飲み込み、そのまま二人で無言で会場に駆け込んだ。
「……ギリギリ間に合った……。」
恭弥が安堵の息を漏らすと、ベンチにいた月詠が腕を組んで言った。
「10分遅刻。バ~カ。」
「珍しいね……。恭弥はともかく、聖奈さんまで遅刻だなんて……。」
今日はジャージ姿の月華も、意外そうな顔で言った。だが、彼女は昨日の聖奈の様子を知っていた。
きっと、落ち込んでいた聖奈を、恭弥が励ましていたのだろうと察していた。
「聖奈さん、おはようございます。」
茜が笑顔で挨拶すると、姫香をはじめ女子メンバーたちが聖奈に視線を向けた。
聖奈は皆の前に立ち、深く頭を下げる。
「みんな、昨日は本当にごめんなさい。私……皆に迷惑をかけた。だから、やり直すチャンスをください。男女混合戦までには、必ず間に合わせます。もう一度、お願いします……!」
その姿を見つめながら、姫香が口を開いた。
「じゃあ、聖奈。今の聖奈は、チームのことをどう思ってる?自分が中心だと思ってる?」
聖奈は首を横に振り、まっすぐに皆を見て言った。
「私はもう、一人で背負うつもりはない。だって、みんな私よりも強いから。これからは一から挑戦する。……それが、咲との約束だから……。」
その言葉に、姫香は目を細めて続ける。
「なら聞くけど……。私たちが“強い”って、どうしてだと思う?」
聖奈はしばらく黙り込んだ後、俯きながら答えた。
「……私は、ずっと一人で頑張らなきゃいけないって思い込んでた。負けたことがなかったから……自分が全部背負うのが当然だって。でも、昨日……負けて、やっと気づいたの。私一人じゃ、もうどうにもならないって。」
姫香はその言葉に静かに頷いた。
「それで、私たちのこと……信じられるようになったの?」
「うん……。みんながずっと支えてくれてたのに、それに気づけなかった。私が全部頑張ればいいって、守るのは私だって……。でも、それじゃダメだった。もっと早く、みんなを信じるべきだった。」
姫香は微笑みながら、そっと聖奈の肩に手を置いた。
「なら、それで良し。これからはもっと私たちを頼ってよ。誰も、聖奈一人で全部なんて望んでない。……もしまた同じことしたら、絶交だからね。」
そして、少し照れたように目を逸らして続けた。
「それに、私たちこそ、今まで聖奈一人に頼りすぎてた。ごめんね。私たちも、ちゃんと追いつくから。」
その言葉に、聖奈は驚いたように顔を上げた。
月華と茜も、少し緊張した様子で声をかける。
「そ、そうです! 聖奈さんが頑張ってるの、ちゃんと見てました。だから……私も、頼ってほしいです!」
「聖奈さん、私も力になります。だから、無理だけはしないでくださいね……!」
その言葉に、聖奈は目を丸くし、やがて優しく微笑んだ。
「ありがとう……月華ちゃん、茜ちゃん。本当にごめんね。そして、これからはもっと、みんなを頼らせてもらうね。」
そして、控えめに月詠が口を開く。
「ま、とにかく……良かったです。思ってたより、元気になってて。男子団体戦もあるし、そろそろ切り替えていきましょう。」
「聖奈が“あと少し”って言って寝かせてくれなかったから、寝坊したじゃんか……!」
恭弥が半ば呆れたように言うと、聖奈は少し悪びれたように返す。
「だって、暁が手に馴染んでつい夢中になっちゃったんだもん。それに、帰りに言ったでしょ?“今日は寝かせない”って。恭弥だって、ちゃんと了承したじゃない。」
「そりゃあ……言ったけど、まさか本当に4時までやるとは思ってなかったよ……。」
恭弥が肩で息をしながらそう返すと、聖奈は拗ねたように目を逸らした。
「恭弥は、私と一緒は嫌なんだ……。私は楽しかったのに……。」
「そ、そんなことないよ!聖奈と二人っきり、嬉しかったさ!でも、今日は俺の出る男子団体戦だし、体調管理もしないとダメだろ。そうやって言ってたの、聖奈じゃんか。」
少しだけ責めるように言う恭弥の言葉に、聖奈は言葉を飲み込み、そのまま二人で無言で会場に駆け込んだ。
「……ギリギリ間に合った……。」
恭弥が安堵の息を漏らすと、ベンチにいた月詠が腕を組んで言った。
「10分遅刻。バ~カ。」
「珍しいね……。恭弥はともかく、聖奈さんまで遅刻だなんて……。」
今日はジャージ姿の月華も、意外そうな顔で言った。だが、彼女は昨日の聖奈の様子を知っていた。
きっと、落ち込んでいた聖奈を、恭弥が励ましていたのだろうと察していた。
「聖奈さん、おはようございます。」
茜が笑顔で挨拶すると、姫香をはじめ女子メンバーたちが聖奈に視線を向けた。
聖奈は皆の前に立ち、深く頭を下げる。
「みんな、昨日は本当にごめんなさい。私……皆に迷惑をかけた。だから、やり直すチャンスをください。男女混合戦までには、必ず間に合わせます。もう一度、お願いします……!」
その姿を見つめながら、姫香が口を開いた。
「じゃあ、聖奈。今の聖奈は、チームのことをどう思ってる?自分が中心だと思ってる?」
聖奈は首を横に振り、まっすぐに皆を見て言った。
「私はもう、一人で背負うつもりはない。だって、みんな私よりも強いから。これからは一から挑戦する。……それが、咲との約束だから……。」
その言葉に、姫香は目を細めて続ける。
「なら聞くけど……。私たちが“強い”って、どうしてだと思う?」
聖奈はしばらく黙り込んだ後、俯きながら答えた。
「……私は、ずっと一人で頑張らなきゃいけないって思い込んでた。負けたことがなかったから……自分が全部背負うのが当然だって。でも、昨日……負けて、やっと気づいたの。私一人じゃ、もうどうにもならないって。」
姫香はその言葉に静かに頷いた。
「それで、私たちのこと……信じられるようになったの?」
「うん……。みんながずっと支えてくれてたのに、それに気づけなかった。私が全部頑張ればいいって、守るのは私だって……。でも、それじゃダメだった。もっと早く、みんなを信じるべきだった。」
姫香は微笑みながら、そっと聖奈の肩に手を置いた。
「なら、それで良し。これからはもっと私たちを頼ってよ。誰も、聖奈一人で全部なんて望んでない。……もしまた同じことしたら、絶交だからね。」
そして、少し照れたように目を逸らして続けた。
「それに、私たちこそ、今まで聖奈一人に頼りすぎてた。ごめんね。私たちも、ちゃんと追いつくから。」
その言葉に、聖奈は驚いたように顔を上げた。
月華と茜も、少し緊張した様子で声をかける。
「そ、そうです! 聖奈さんが頑張ってるの、ちゃんと見てました。だから……私も、頼ってほしいです!」
「聖奈さん、私も力になります。だから、無理だけはしないでくださいね……!」
その言葉に、聖奈は目を丸くし、やがて優しく微笑んだ。
「ありがとう……月華ちゃん、茜ちゃん。本当にごめんね。そして、これからはもっと、みんなを頼らせてもらうね。」
そして、控えめに月詠が口を開く。
「ま、とにかく……良かったです。思ってたより、元気になってて。男子団体戦もあるし、そろそろ切り替えていきましょう。」
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる