恋も剣も本気です!青春剣士たちのラブ・グラディエーション ~気が付くとは~れむ状態!?~

てんちょう

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第22章 天空の本当の素顔と聖奈の覚醒

幸福のおすそわけ――彼女たちは唇に触れて恋をする

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そして彼は、聖奈のもとへ歩み寄り、素直な想いを口にする。

「……俺はまだ頼りないけど、聖奈のことは絶対に守る。だから……ずっと、そばにいてください。」

その言葉に、聖奈はしっかりと彼を抱きしめ返した。

「一生、離さないんだから。覚悟してよね。」

聖奈は再び恭弥の唇に、自分の唇を重ねた。

さすがの天将たちも呆れてしまうぐらいで、その中でも特に愛奈は、頬をぷくっと膨らませて両手を腰に当てながら、小さく文句をこぼした。

「ずるいですぅ……主様ばっかり、聖奈さんとイチャイチャして……。私にも……もうちょっとだけでいいから、もっと甘やかしてほしいのに~……!」

そう言って、つま先で地面をとんとんしながら、恭弥を上目遣いで見つめ、頬をふくらませたまま小さくプイと顔をそむける。

その様子に恭弥がタジタジになっていると、周囲の天将たちまでもがつい笑ってしまい、なんとも微笑ましい空気に包まれた。

その様子を見ていた咲が、やや強めの冗談を交えながら口を開いた。

「それにしても、そんな濃厚なキスを聖奈とするなら、私にも同じくらいのをしてくれるわよね? 恭弥くん。できれば今ここで、今すぐに。」

恭弥は目を見開いて焦る。

だが聖奈は、にっこり笑って背中を押した。

「そうよね。私だけ素敵なキスしたんだから、咲にもしなきゃね。だって、そういう約束だったでしょう? 見ててあげるから――さあ、やりなさい。今すぐに。」

(……もう幻じゃないって、ちゃんと分かってる。でも――あの時、見せられた咲の姿が、まだ脳裏に焼き付いてて……)

そんな恭弥の心の揺れに気づいたのか、聖奈がそっと彼の肩に手を置き、囁くように言った。

「……恭弥。あの幻の中で、あなたは咲が天空に誘惑されてる姿を見たんでしょう? でも――それは幻。今ここにいるのが、本物の咲だって、あなた自身が一番知ってるはずよ。だから……向き合ってあげて。咲の気持ちにも、そしてあなたの気持ちにも、ちゃんと。」

恭弥は咲の前に立ち、目を合わせた。

少し頬を赤らめながらも、彼女は静かに顔を寄せ――聖奈に負けないぐらい丁寧に、そしてしっかりと、唇を重ねてきた。

その感触は、聖奈の時とはまた違った。

けれど確かに、心地よさを残す絶妙なキスだった。

唇を離すと、咲はうっとりとした表情で言う。

「技の完成、おめでとう。……これで恭弥は、また一つ強くなったわね。」

剣術の師匠である咲に、初めてはっきりと褒められた瞬間だった。

「ありがとう……。俺は、咲と聖奈に助けられて、ここまで来られた。きっと一人じゃ、想像も完成もできなかったと思う。本当に、ありがとう。」

そう言って恭弥は深く頭を下げた。

『主殿――思うがままに。』

騰虵や朱雀をはじめとする天将たちも、誇らしげにその言葉を返す。

その中で、愛奈だけは一歩前に出て、実体化しながら勢いよく恭弥に抱きついてきた。

「私も、いつか絶対に……聖奈や咲に負けないくらい、恭弥のハートを奪ってみせるんだから! 私だって、さっきのキスをしてもらうんだから!」

元気いっぱいに宣言する愛奈。

小さな身体をいっぱいに使って胸を張り、ふるふると拳を握る仕草は、どこか子犬のような愛らしさを帯びていた。

その視線に気づいた恭弥は、ちらりと咲と聖奈の顔をうかがう。

二人は軽くうなずいて、にこりと微笑んだ。

(……しょうがないな。愛奈にも、ちゃんと応えてやらなきゃな。)

恭弥はそっと歩み寄ると、やや身をかがめて――愛奈の唇に、そっと自分の唇を重ねた。

一瞬、時間が止まった。

(えっ!? うそ……!? え、今、キス……された……!?)

愛奈の脳内で、何かがバチンと弾けた。

「な、な、な、なにを……!? う、うそっ、えっ、えっ…………ええええええっ!?」

愛奈は目をまん丸に見開いたまま、完全にフリーズしていた。

一拍遅れて、全身が真っ赤に染まる。

「し、主様のバカぁぁぁぁぁ!!」

顔を両手で覆い、体をぶんぶん振りながらロボットのように後ずさり。

「わ、私と主様の、き、き、き、キスって……言ったら……額じゃないのぉ……!? い、いきなり口なんてぇぇぇ……っ!!」

恥ずかしさに耐えきれず、愛奈は式神の姿に戻ると、その場から一瞬で姿を消した。

咲と聖奈は顔を見合わせ、肩をすくめて笑う。

「……あれはまだ、ちょっと早かったわね。」

その様子を見ていた咲は、思わず息をのんだ。

(……すごい。聖奈って……ただの恋敵じゃなかったんだ。恭弥の不安を受け止めて、他の子にまで“幸せを分けて”なんて……)

ほんの少し、胸がちくりと痛んだ。

(私だったら……できるかな。いや、いつか絶対に――聖奈みたいに、誰かを丸ごと受け止められる女になってみせる。)

恭弥も、思わず苦笑いを浮かべながら、どこか照れくさそうに呟いた。

「……でも、なんか……こういうのも、悪くないかもな。」

このまま、和やかに終わるかに思われた特訓。

しかし――貴人のひと言が、その場に再び緊張をもたらした。

『……ただ一つ、申し上げておかねばなりません。主殿の新技には――重大な欠点があります。』

そう。

それは、この技が“悪意を持つ者”にしか効果を発揮しないという、決して無視できないリスクだった。

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