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65.ゲンガクのささやき
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ゲンガクはなおも、こうささやく。
「お前は、ズルしてる、って思っているが、これ、決してズルじゃない。これは、お前の才能だよ。人にはいろいろ才能があるじゃない。創作力のある子、記憶力のいい子、運動神経が発達している子、歌の上手い子、絵のうまい子。なあ、ヨシヒコは霊能という才能があるんだよ。それを利用して、上手な字を書くとかさ、100点取るとかさ、それのどこが悪いの?
ショウイチの目が気になるというならさ、石を棄てりゃいいのさ。あれがあるってことは、ある意味、監視されてるってことじゃない? それって、おかしくないか? プライバシーの侵害に当たるぞ。
な、悪いことはいわない。もう、お前には用が無いって言って河原にでもすててこい。もともと石は河原にあったんだから」
家の前でゲンガクとは別れた。
今のところ、ゲンガクは家に入れないから。
二階にあがって自分の部屋にランドセルなどの荷物を置き、おばさんに声をかけた。
「おばさん」
返事がない。
ふすまを開けてみた。
おばさんはいなかった。
この前みたいに、見えないだけかもしれないから1階に降りてママに聞いた。
「おばさんは?」
「ああ、ひかるちゃんならついさっき出かけたわよ」
「どこに行ったの?」
「さあ、ママは知らないわよ。なにか用でもあるの? ママじゃまにあわないの?」
「うん、友達からたのまれたことがあって」
これは嘘だ。そう言えば、サインかなにか頼まれたんだろうと、ママが勝手に思ってくれるだろうからそう言った。いや、この嘘は、ママを傷つけないためにつく嘘なんだからね。だって、何かにつけて「おばさん、おばさん」とばっかりぼくが言うと思ったら、ママは淋しく思うでしょ?
ぼくは再び二階に上がった。
おばさんの部屋を開けた。誰もいない。
さて、ショウちゃんの石はどこにしまってあるのだろうか?
机の上、本棚を見回した。
やはり大事なものは机の中かな?
再び机の方に目を転じたら、”ボン” 座敷オヤジが出現した。
「あ、びっくりした!」ぼくは思わず声をあげた。
「やあ、ぼうず、驚かしてすまんなあ」
座敷オヤジがむさくるしい髭ズラのなかで精一杯笑いかけている。
「なんかヨウカイ? なーんちゃって」
後ろでおちゃらけた声がしたのでふりかえってみると、オキビキも出てきていた。お神酒徳利のアマノジャクも一緒だ。
なんか間が悪い。なんて言ってこの場を取り繕う?
「おばさんはどこに行ったの? 最近外出多いよね」と言ってみた。
「デートでしょ」とオキビキ。
「まさか」とぼく。
『お住まい拝見』の記事が出てから、さらに多忙になったんだろう、と僕は思った。
「お前は、ズルしてる、って思っているが、これ、決してズルじゃない。これは、お前の才能だよ。人にはいろいろ才能があるじゃない。創作力のある子、記憶力のいい子、運動神経が発達している子、歌の上手い子、絵のうまい子。なあ、ヨシヒコは霊能という才能があるんだよ。それを利用して、上手な字を書くとかさ、100点取るとかさ、それのどこが悪いの?
ショウイチの目が気になるというならさ、石を棄てりゃいいのさ。あれがあるってことは、ある意味、監視されてるってことじゃない? それって、おかしくないか? プライバシーの侵害に当たるぞ。
な、悪いことはいわない。もう、お前には用が無いって言って河原にでもすててこい。もともと石は河原にあったんだから」
家の前でゲンガクとは別れた。
今のところ、ゲンガクは家に入れないから。
二階にあがって自分の部屋にランドセルなどの荷物を置き、おばさんに声をかけた。
「おばさん」
返事がない。
ふすまを開けてみた。
おばさんはいなかった。
この前みたいに、見えないだけかもしれないから1階に降りてママに聞いた。
「おばさんは?」
「ああ、ひかるちゃんならついさっき出かけたわよ」
「どこに行ったの?」
「さあ、ママは知らないわよ。なにか用でもあるの? ママじゃまにあわないの?」
「うん、友達からたのまれたことがあって」
これは嘘だ。そう言えば、サインかなにか頼まれたんだろうと、ママが勝手に思ってくれるだろうからそう言った。いや、この嘘は、ママを傷つけないためにつく嘘なんだからね。だって、何かにつけて「おばさん、おばさん」とばっかりぼくが言うと思ったら、ママは淋しく思うでしょ?
ぼくは再び二階に上がった。
おばさんの部屋を開けた。誰もいない。
さて、ショウちゃんの石はどこにしまってあるのだろうか?
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なんか間が悪い。なんて言ってこの場を取り繕う?
「おばさんはどこに行ったの? 最近外出多いよね」と言ってみた。
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