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66.習字、練習しなきゃ
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自分の部屋に帰って考えた。
おばさんの部屋に座敷オヤジセキュリティがかかったんだ。
対象はおそらくぼくだ。
おばさんはぼくが現在、どういうことになっているのか、わかってるんじゃないかな? 言わないけど。
座敷オヤジ達もぼくを警戒している。おばさんとは打ち合わせ済みだろう。
座敷オヤジ達も、ゲンガクに入ってこられては困るんだ。
最初、ゲンガクが入ってきた時、吹っ飛ばされてたもんな。
誰もゲンガクに勝てなかった。
ゲンガクもゲンガクで「みんな出て行け! 家来になるならいてもいいけど」なんて言っていた。
ぼくだって、そうなるのは望んでいない。
座敷オヤジやオキビキや、三つ目入道などとはすっかりお馴染みで、むしろ、家族同然といってもいいくらいなんだ。
じゃ、なんで石を探そうとしておばさんの部屋に入ったのかということだけど……
石を棄てようという、明確な意図はなかった。
ただ、ゲンガクにささやかれたから、なんとなく、おばさんのいないのを見計らって部屋に入ったのだ。
ひょっとして、石を見つけたら、なんとなく持ち出したかもしれない。
持ち出したら、なんとなく河原に向かったかもしれない。
河原に行ったら、なんとなく石を手から離したかもしれない。
操られるというのはこういうことかもしれない。
ゲンガクの ”ささやき” にはきっと魔力があるんだ。
ゲンガクの ”ささやき” に乗るのは、書初め大会で最後にしよう、とぼくは思った。
それにしても書初めの宿題の方だ。
書初めの宿題を提出するのは、書初め大会が終わってからだから、そこで下手な字を提出しても、多分問題にはならないだろう。
それにしても、あんまりかけ離れているのもなんだから、これから毎日練習しようと思った。
練習すると、結構うまくなるんだよな。走る練習をしたときもそうだった。万年びりのぼくが2等になったもんね。
みんながみんな練習すると、そこで上位にいくのは難しいかもしれないけれど、皆があまりやらないことで練習すると、みるみる成果が上がるんだよね。
習字の場合は順位関係ないから、うまけりゃいいんだよ。競争する必要は無い。そう考えると気が楽だ。自分の部屋で字を練習するだけだから、おばさんの部屋から石を盗み出すのと比べると、ずっと楽だ。
だいたいぼくは、めんどくさいことや、ややこしいことは、したくないタイプなんだ。
時々テレビを見てて思う。
事件ものなんか見てるとね、犯罪を犯す奴って、マメだよね。ドラマになるようなのは、かっとなって後先考えずにやってしまうっていうのじゃなくてね、完全犯罪を目指して、いろいろ細工するってやつだよね。そこに名探偵が出てきて、疑われそうになると、またいろいろ細工したりするんだけど、マメだなあって思う。
ああいうことは、ぼくには出来ない。
まあ、ぼくには人を殺してまで守りたい地位も名誉も財産もないからね。
ぼくはテレビでも見ながら、ママのおやつを食べている方がずっと幸せさ。
そこにママがやってきた。
「ヨシヒコちゃん、おやつ出来たけど、どうする? ここで食べる? それとも下で食べる? あら!」
ママは習字をやっているぼくを見てびっくりしたみたいだ。
ぼくは考え事をしながら、習字をしていたんだよね。
「ヨシヒコちゃん、書初め大会にむけて、習字の練習をしてるのね。偉いわあ! なんて、いい子なんでしょう!」
ぼくはいい子ついでに、おやつをママと一緒に下で食べることにした。それに、今、ぼくの部屋は習字の道具で散らかっているのでね。
おばさんの部屋に座敷オヤジセキュリティがかかったんだ。
対象はおそらくぼくだ。
おばさんはぼくが現在、どういうことになっているのか、わかってるんじゃないかな? 言わないけど。
座敷オヤジ達もぼくを警戒している。おばさんとは打ち合わせ済みだろう。
座敷オヤジ達も、ゲンガクに入ってこられては困るんだ。
最初、ゲンガクが入ってきた時、吹っ飛ばされてたもんな。
誰もゲンガクに勝てなかった。
ゲンガクもゲンガクで「みんな出て行け! 家来になるならいてもいいけど」なんて言っていた。
ぼくだって、そうなるのは望んでいない。
座敷オヤジやオキビキや、三つ目入道などとはすっかりお馴染みで、むしろ、家族同然といってもいいくらいなんだ。
じゃ、なんで石を探そうとしておばさんの部屋に入ったのかということだけど……
石を棄てようという、明確な意図はなかった。
ただ、ゲンガクにささやかれたから、なんとなく、おばさんのいないのを見計らって部屋に入ったのだ。
ひょっとして、石を見つけたら、なんとなく持ち出したかもしれない。
持ち出したら、なんとなく河原に向かったかもしれない。
河原に行ったら、なんとなく石を手から離したかもしれない。
操られるというのはこういうことかもしれない。
ゲンガクの ”ささやき” にはきっと魔力があるんだ。
ゲンガクの ”ささやき” に乗るのは、書初め大会で最後にしよう、とぼくは思った。
それにしても書初めの宿題の方だ。
書初めの宿題を提出するのは、書初め大会が終わってからだから、そこで下手な字を提出しても、多分問題にはならないだろう。
それにしても、あんまりかけ離れているのもなんだから、これから毎日練習しようと思った。
練習すると、結構うまくなるんだよな。走る練習をしたときもそうだった。万年びりのぼくが2等になったもんね。
みんながみんな練習すると、そこで上位にいくのは難しいかもしれないけれど、皆があまりやらないことで練習すると、みるみる成果が上がるんだよね。
習字の場合は順位関係ないから、うまけりゃいいんだよ。競争する必要は無い。そう考えると気が楽だ。自分の部屋で字を練習するだけだから、おばさんの部屋から石を盗み出すのと比べると、ずっと楽だ。
だいたいぼくは、めんどくさいことや、ややこしいことは、したくないタイプなんだ。
時々テレビを見てて思う。
事件ものなんか見てるとね、犯罪を犯す奴って、マメだよね。ドラマになるようなのは、かっとなって後先考えずにやってしまうっていうのじゃなくてね、完全犯罪を目指して、いろいろ細工するってやつだよね。そこに名探偵が出てきて、疑われそうになると、またいろいろ細工したりするんだけど、マメだなあって思う。
ああいうことは、ぼくには出来ない。
まあ、ぼくには人を殺してまで守りたい地位も名誉も財産もないからね。
ぼくはテレビでも見ながら、ママのおやつを食べている方がずっと幸せさ。
そこにママがやってきた。
「ヨシヒコちゃん、おやつ出来たけど、どうする? ここで食べる? それとも下で食べる? あら!」
ママは習字をやっているぼくを見てびっくりしたみたいだ。
ぼくは考え事をしながら、習字をしていたんだよね。
「ヨシヒコちゃん、書初め大会にむけて、習字の練習をしてるのね。偉いわあ! なんて、いい子なんでしょう!」
ぼくはいい子ついでに、おやつをママと一緒に下で食べることにした。それに、今、ぼくの部屋は習字の道具で散らかっているのでね。
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