4 / 20
ぎゅー
ハグの日(テディー目線)
しおりを挟む
今回の話には名前のあるキャラが出てきますが、自創作の未発表作品に出てくるキャラですので「こんな人もいるのかー」くらいの認識で大丈夫です。
─────
ぽてぽて、僕は夜道を歩いていた。
「今日はどこに診療に行こうかなー?」
僕は辛そうに、悲しそうにしている人がどこにいるかが分かるんだ。なんか、第六感みたいな? そんな感じ。だから今日もそれを頼ってそのような人を探す。
今日のモフモフコンディションも最高だからね、誰かにモフモフしてもらいたいところなんだけど……。
「あれれ? 今日、この近くで辛い人いない?」
そんなわけある? ああ、いやでも悲しかったり辛かったりする人がいないのは良いことだろうし……でも……
「僕のモフモフ……」
モフモフしてくれる人がいないことがとても寂しい。僕はそう思っちゃったんだ。フッと顔も下がる。
「あら、あなたテディーじゃないかしら?」
その時聞こえてきたのは、知り合いの声だった。バッと顔を上げると、そこにはゴスロリ姿の金髪女子が立っていた。街灯に照らされて髪の毛がキラキラ輝いて見える。
「春子さん!」
「テディー、今日は誰かのところに行かないの?」
知り合いの春子さんはしゃがみ、僕と目線を合わせてくれた。
「それが……今日は辛そうにしている人を見つけられなくて……」
「あら、そうだったのね。」
「うん。今日の僕のモフモフコンディションが最高なのに……」
「ふふ、なら私に抱きしめられなさい?」
「いいの?」
「もちろん。私、可愛いものは大好きなんだもの。」
「うふふ、ありがとう。」
春子さんは僕を抱き上げ、頭を撫でてくれる。うふふ、嬉しいなあ。
「今日のあなたのモフモフ具合も最高ね。でも手入れするの大変じゃない?」
「全然! 僕を抱きしめてくれる人の笑顔を思いながらブラッシングするとね、すごくワクワクするの!」
「あら、それは良いわね。相乗効果、みたいな感じかしら?」
「かもね!」
数分くらいそのままの状態が続いた。もう少し撫でられていたいと僕は思ったけれども、新たに出てきた人の声がそれを壊した。
「春子殿。探しましたぞ。」
「あら九重。」
「げっ、」
僕にも心があるからね、苦手な人もいるんだ。あ、モフモフしてくれる人は大好きなんだけど……この人はちょっと……
「む、もしかしてそこにいるのはテディー殿では?」
袴を着たこの男の人は九重って呼ばれているの。この人は出会った時に僕を解剖して研究したいって言ったんだ! だから苦手!
「今日こそテディー殿を研究させていただきたいのだが……」
「嫌だ! 春子さん、怖いよぉー。」
春子さんに抱きつくと、九重は一瞬だけ眉間に皺を寄せた。うわあ、やっぱり怖いよー。
「あらあら、テディーに相当嫌われているわね。九重、諦めなさい。」
「う……ですが……拙者は……研究を……」
「幹部命令よ。」
「それは狡いですよ。……分かりました。諦めます。」
良かった、僕、解剖されずに済む! これからももふもふ病院院長を続けられるね!
「春子さん、ありがとう!」
「いえいえ。これくらい容易いわ。で、テディー。もう少し撫でられてくれる?」
「もちろん! 飽きるまで撫でてくれていいよ!」
「ふふ、ありがとう。」
春子さんはそれから数十分撫で続けてくれた。お喋りをしながら。九重は少し離れた場所から僕達をじっと見つめるだけだったよ。ふん、ザマーミロ! 解剖したいだなんて言うからだ!
ああ、僕にもこんな気持ちが備わってるんだね。自分のことながら初めて知ったよ。
─────
ぽてぽて、僕は夜道を歩いていた。
「今日はどこに診療に行こうかなー?」
僕は辛そうに、悲しそうにしている人がどこにいるかが分かるんだ。なんか、第六感みたいな? そんな感じ。だから今日もそれを頼ってそのような人を探す。
今日のモフモフコンディションも最高だからね、誰かにモフモフしてもらいたいところなんだけど……。
「あれれ? 今日、この近くで辛い人いない?」
そんなわけある? ああ、いやでも悲しかったり辛かったりする人がいないのは良いことだろうし……でも……
「僕のモフモフ……」
モフモフしてくれる人がいないことがとても寂しい。僕はそう思っちゃったんだ。フッと顔も下がる。
「あら、あなたテディーじゃないかしら?」
その時聞こえてきたのは、知り合いの声だった。バッと顔を上げると、そこにはゴスロリ姿の金髪女子が立っていた。街灯に照らされて髪の毛がキラキラ輝いて見える。
「春子さん!」
「テディー、今日は誰かのところに行かないの?」
知り合いの春子さんはしゃがみ、僕と目線を合わせてくれた。
「それが……今日は辛そうにしている人を見つけられなくて……」
「あら、そうだったのね。」
「うん。今日の僕のモフモフコンディションが最高なのに……」
「ふふ、なら私に抱きしめられなさい?」
「いいの?」
「もちろん。私、可愛いものは大好きなんだもの。」
「うふふ、ありがとう。」
春子さんは僕を抱き上げ、頭を撫でてくれる。うふふ、嬉しいなあ。
「今日のあなたのモフモフ具合も最高ね。でも手入れするの大変じゃない?」
「全然! 僕を抱きしめてくれる人の笑顔を思いながらブラッシングするとね、すごくワクワクするの!」
「あら、それは良いわね。相乗効果、みたいな感じかしら?」
「かもね!」
数分くらいそのままの状態が続いた。もう少し撫でられていたいと僕は思ったけれども、新たに出てきた人の声がそれを壊した。
「春子殿。探しましたぞ。」
「あら九重。」
「げっ、」
僕にも心があるからね、苦手な人もいるんだ。あ、モフモフしてくれる人は大好きなんだけど……この人はちょっと……
「む、もしかしてそこにいるのはテディー殿では?」
袴を着たこの男の人は九重って呼ばれているの。この人は出会った時に僕を解剖して研究したいって言ったんだ! だから苦手!
「今日こそテディー殿を研究させていただきたいのだが……」
「嫌だ! 春子さん、怖いよぉー。」
春子さんに抱きつくと、九重は一瞬だけ眉間に皺を寄せた。うわあ、やっぱり怖いよー。
「あらあら、テディーに相当嫌われているわね。九重、諦めなさい。」
「う……ですが……拙者は……研究を……」
「幹部命令よ。」
「それは狡いですよ。……分かりました。諦めます。」
良かった、僕、解剖されずに済む! これからももふもふ病院院長を続けられるね!
「春子さん、ありがとう!」
「いえいえ。これくらい容易いわ。で、テディー。もう少し撫でられてくれる?」
「もちろん! 飽きるまで撫でてくれていいよ!」
「ふふ、ありがとう。」
春子さんはそれから数十分撫で続けてくれた。お喋りをしながら。九重は少し離れた場所から僕達をじっと見つめるだけだったよ。ふん、ザマーミロ! 解剖したいだなんて言うからだ!
ああ、僕にもこんな気持ちが備わってるんだね。自分のことながら初めて知ったよ。
0
あなたにおすすめの小説
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。
カレンと晴人はその後、どうなる?
下っ端宮女のひたむき後宮恋譚 ~前世の夢を追いかけていたらいつのまにか寵愛されていました~
紀本明
キャラ文芸
妃嬪から嫌がらせを受けつつも耐え忍んでいた下っ端宮女の鈴風(りんふぁ)はある日突然前世の記憶を取り戻す。料理人になるのが夢だった彼女は、今世でもその夢を叶えようと決意した矢先、ぼさぼさ頭の宦官・雲嵐(うんらん)と出会い、毎晩夕飯をつくることになる。料理人になるべく奮闘するも、妃嬪からの嫌がらせはひどくなる一方だった。そんなある日、事件が起こり、鈴風は窮地に立たされるが……――?
悪徳公主と冷徹皇帝陛下の後宮薬膳茶
菱沼あゆ
キャラ文芸
冷徹非道と噂の皇帝陛下のもとに、これまた悪しき評判しかない異国の王女、琳玲がやってきた。
琳玲は皇后の位は与えられたが、離宮に閉じ込められる。
それぞれの思惑がある離宮の女官や侍女たちは、怪しい薬草で皇帝陛下たちを翻弄する琳玲を観察――。
悪徳公主と冷徹皇帝陛下と女官たちの日々は今日も騒がしい。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
竜華族の愛に囚われて
澤谷弥(さわたに わたる)
キャラ文芸
近代化が進む中、竜華族が竜結界を築き魑魅魍魎から守る世界。
五芒星の中心に朝廷を据え、木竜、火竜、土竜、金竜、水竜という五柱が結界を維持し続けている。
これらの竜を世話する役割を担う一族が竜華族である。
赤沼泉美は、異能を持たない竜華族であるため、赤沼伯爵家で虐げられ、女中以下の生活を送っていた。
新月の夜、異能の暴走で苦しむ姉、百合を助けるため、母、雅代の命令で月光草を求めて竜尾山に入ったが、魔魅に襲われ絶体絶命。しかし、火宮公爵子息の臣哉に救われた。
そんな泉美が気になる臣哉は、彼女の出自について調べ始めるのだが――。
※某サイトの短編コン用に書いたやつ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる