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ぎゅー
処方4 涙は出ない
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ぐるぐる、ぐるぐると自分の体の中を黒い靄のようなものが渦巻いているような気分だ。ああ、とても気持ちが悪い。
息をするのも上手くいかない程の気持ち悪さに、私は眉をひそめる。
この得体の知れないものは何だろうか。分からない。見当もつかない。
私の生気を失った目は何も写さない。無気力で溜息ばかりが私の体から出て行く。しかしそうしても尚、気持ち悪さや息苦しさからは解放されなかった。
「お疲れさん発見!」
……ここには私一人しかいないはずなのに、第三者の声が聞こえてきた。それも知らない人の声。
いや、多分空耳だろう。
「お疲れさんにはぎゅーを処方しないとね!」
ポフリ、何か柔らかいものが私のお腹にくっつく。やはり先程の声は空耳ではなかったのだろうか。
フッとお腹にくっつくモノが何者か見極めようとすると、そこには……
「テディベア……?」
「そうだよぅ。僕はテディベアのテディーさ! 可愛い名前でしょ?」
きゅるるんとあざと可愛い仕草をするテディーとやら。……何故テディベアが動いて喋っているのだろうか。そんなことはこの現実世界ではあるはずもないのに。実に不思議だ。
もしかしたら私の頭が作り出した幻覚かもしれない。そうだ、それが一番理由として適当だ。
「どうしたの? 何かあった?」
「……特に、何も。」
幻覚相手なら何を喋っても良いか。そんな投げやりな思いでテディーに話しかける。
「何もないんだけど、体の中に黒い靄が溜まって渦巻いている感じで気持ち悪い。」
「そっかそっかー。」
「多分、だけど……さ、私は泣きたいのかもしれないなって思うんだ。でも涙なんてとうの昔に枯れ果てて、負の感情が体の中を渦巻いているんだと……思う。」
「そっかそっか。じゃあそんな時は僕をモフモフして? 少し気がまぎれるかもよ?」
「涙とモフモフ、どう関係しているの?」
「特に深い意味はないよ。あ、浅い意味もないかも。でも、負の感情のことをずっと考えているより、きっと僕をモフモフしている時の方がほっこり出来るんじゃないかなって。僕のモフモフコンディションは今日も最高だからね、是非ともモフモフして?」
きゅるるん、とまたまたあざと可愛い仕草で私を誘うテディー。
「……ふっ」
ああ、これが癒し、とかいうやつなのだろうか。言い分はめちゃくちゃかもしれないが、確かに気はまぎれるような気がする。
「じゃあお言葉に甘えて、存分にモフってあげる。」
「やったぁ!」
私は有言実行し、テディーをぐちゃぐちゃになるまでなでくりまわした。しかしテディー本人は嫌がることも無く『きゃー!』だなんて嬉しそうな声を出した。そんなテディーを見ていると、私まで声が出てしまう。
「あはっ」
ほんの少しだけ、先程まであった息苦しさが減った気がした。
息をするのも上手くいかない程の気持ち悪さに、私は眉をひそめる。
この得体の知れないものは何だろうか。分からない。見当もつかない。
私の生気を失った目は何も写さない。無気力で溜息ばかりが私の体から出て行く。しかしそうしても尚、気持ち悪さや息苦しさからは解放されなかった。
「お疲れさん発見!」
……ここには私一人しかいないはずなのに、第三者の声が聞こえてきた。それも知らない人の声。
いや、多分空耳だろう。
「お疲れさんにはぎゅーを処方しないとね!」
ポフリ、何か柔らかいものが私のお腹にくっつく。やはり先程の声は空耳ではなかったのだろうか。
フッとお腹にくっつくモノが何者か見極めようとすると、そこには……
「テディベア……?」
「そうだよぅ。僕はテディベアのテディーさ! 可愛い名前でしょ?」
きゅるるんとあざと可愛い仕草をするテディーとやら。……何故テディベアが動いて喋っているのだろうか。そんなことはこの現実世界ではあるはずもないのに。実に不思議だ。
もしかしたら私の頭が作り出した幻覚かもしれない。そうだ、それが一番理由として適当だ。
「どうしたの? 何かあった?」
「……特に、何も。」
幻覚相手なら何を喋っても良いか。そんな投げやりな思いでテディーに話しかける。
「何もないんだけど、体の中に黒い靄が溜まって渦巻いている感じで気持ち悪い。」
「そっかそっかー。」
「多分、だけど……さ、私は泣きたいのかもしれないなって思うんだ。でも涙なんてとうの昔に枯れ果てて、負の感情が体の中を渦巻いているんだと……思う。」
「そっかそっか。じゃあそんな時は僕をモフモフして? 少し気がまぎれるかもよ?」
「涙とモフモフ、どう関係しているの?」
「特に深い意味はないよ。あ、浅い意味もないかも。でも、負の感情のことをずっと考えているより、きっと僕をモフモフしている時の方がほっこり出来るんじゃないかなって。僕のモフモフコンディションは今日も最高だからね、是非ともモフモフして?」
きゅるるん、とまたまたあざと可愛い仕草で私を誘うテディー。
「……ふっ」
ああ、これが癒し、とかいうやつなのだろうか。言い分はめちゃくちゃかもしれないが、確かに気はまぎれるような気がする。
「じゃあお言葉に甘えて、存分にモフってあげる。」
「やったぁ!」
私は有言実行し、テディーをぐちゃぐちゃになるまでなでくりまわした。しかしテディー本人は嫌がることも無く『きゃー!』だなんて嬉しそうな声を出した。そんなテディーを見ていると、私まで声が出てしまう。
「あはっ」
ほんの少しだけ、先程まであった息苦しさが減った気がした。
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