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一章
八十三
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「わあ……!」
初めての街に、私は感嘆の声を上げる。活気のある露店商、生き生きと生活するたくさんの街人、整備された道や綺麗なレンガ壁の家々……
今までいた島では全く見られなかった光景が、ここには広がっていた。
「あ、今日はそこまで人通り多くないみたいだね」
「まあ、今日は平日だものね~」
カプリコーンとスコーピオはのほほんと衝撃的なことを言う。これで少ないの!? 結構ワラワラと人いますけどねぇ!?
これが都会か……! と一人感心していると、アクエリアスが冷静に話を変える。
「で、まずどこに行きますの?」
アクエリアスのお気に入りだという一軒の服屋に躊躇なく入っていった三人に、一歩遅れて着いていく私。
三人が店内できゃっきゃと楽しそうに服を選んでいくのを、私は一歩後ろから眺めていた……はず、なのにいつの間にか試着室なる場所に服と共に放り込まれていた。
カプリコーンから試着室の意味を教えてもらい、一緒に放り込まれた服に手を掛ける。が、明らかにおかしいものが混ざっていた。
そう、ワンピースだ。
いや、性別的に何らおかしくはない。一応私は生物的には女だし。
それでもこの心許ない感じは好ましくない。
仕方なく膝丈の花柄ワンピースをいやいや着て鏡を覗く。うわあ、服に着られている感じだ。やっぱり私には似合わないよ。何でカプリコーンはこれをチョイスしたんだ? 疑問は浮かび続ける。
「マロンー、着たよねー? 俺にも見せてよー」
カプリコーンが私を急かし始める。
え、これのまま人前に出なきゃいけないの? それなんて拷問。絶対似合わないと笑われる。
そんなことを考えて返事をおろそかにしてしまったからだろうか。カプリコーンはシャッと試着室のカーテンを開ける。
まだ着替えている途中だったらどうするつもりだったのだろうか。うーん、分からん。
「お、似合ってるじゃないか! 何をそんなに渋っていたんだい?」
お得意のキラッキラスマイルで私に質問するカプリコーン。うーん、笑いものにしたい、みたいな雰囲気は感じないから良い、のか?
「あら、マロ、ン……あなた、もしかして女性だったのかしら?」
服を見ていたアクエリアスがこちらに来て驚愕の表情を浮かべて一言。ああ、うん。そんなに女っぽく振る舞ったことも無かったからね。驚かれても何らおかしくはない。
「う~ん、それも可愛いけど、マロンはスレンダー美人だからかっこいい系統の方がもっと似合うんじゃないかしら~?」
スコーピオは私の性別に驚くこともなく冷静に評価してくれた。そうだそうだ、もっと言ったれ! と、内心スコーピオにエールを送る。
ワンピースみたいなピラピラは好きではないんだ! そんな念を込めて。
「マロンもワンピースが不服らしいから、パンツ系で選んだ方が良いんじゃなくて? そんなにレースなり何なり入れたいなら、トップスで少し遊ぶのよ。」
「かっこいい中にある可愛さ、ってやつ?」
「あ、それ良いかもしれないわね~」
本人を置いてきゃいきゃいとはしゃぐ三人。私が話に入り込む余地は無く、もうどうにでもなれ、と遠い目をしてしまうのに時間はそうかからなかった。
初めての街に、私は感嘆の声を上げる。活気のある露店商、生き生きと生活するたくさんの街人、整備された道や綺麗なレンガ壁の家々……
今までいた島では全く見られなかった光景が、ここには広がっていた。
「あ、今日はそこまで人通り多くないみたいだね」
「まあ、今日は平日だものね~」
カプリコーンとスコーピオはのほほんと衝撃的なことを言う。これで少ないの!? 結構ワラワラと人いますけどねぇ!?
これが都会か……! と一人感心していると、アクエリアスが冷静に話を変える。
「で、まずどこに行きますの?」
アクエリアスのお気に入りだという一軒の服屋に躊躇なく入っていった三人に、一歩遅れて着いていく私。
三人が店内できゃっきゃと楽しそうに服を選んでいくのを、私は一歩後ろから眺めていた……はず、なのにいつの間にか試着室なる場所に服と共に放り込まれていた。
カプリコーンから試着室の意味を教えてもらい、一緒に放り込まれた服に手を掛ける。が、明らかにおかしいものが混ざっていた。
そう、ワンピースだ。
いや、性別的に何らおかしくはない。一応私は生物的には女だし。
それでもこの心許ない感じは好ましくない。
仕方なく膝丈の花柄ワンピースをいやいや着て鏡を覗く。うわあ、服に着られている感じだ。やっぱり私には似合わないよ。何でカプリコーンはこれをチョイスしたんだ? 疑問は浮かび続ける。
「マロンー、着たよねー? 俺にも見せてよー」
カプリコーンが私を急かし始める。
え、これのまま人前に出なきゃいけないの? それなんて拷問。絶対似合わないと笑われる。
そんなことを考えて返事をおろそかにしてしまったからだろうか。カプリコーンはシャッと試着室のカーテンを開ける。
まだ着替えている途中だったらどうするつもりだったのだろうか。うーん、分からん。
「お、似合ってるじゃないか! 何をそんなに渋っていたんだい?」
お得意のキラッキラスマイルで私に質問するカプリコーン。うーん、笑いものにしたい、みたいな雰囲気は感じないから良い、のか?
「あら、マロ、ン……あなた、もしかして女性だったのかしら?」
服を見ていたアクエリアスがこちらに来て驚愕の表情を浮かべて一言。ああ、うん。そんなに女っぽく振る舞ったことも無かったからね。驚かれても何らおかしくはない。
「う~ん、それも可愛いけど、マロンはスレンダー美人だからかっこいい系統の方がもっと似合うんじゃないかしら~?」
スコーピオは私の性別に驚くこともなく冷静に評価してくれた。そうだそうだ、もっと言ったれ! と、内心スコーピオにエールを送る。
ワンピースみたいなピラピラは好きではないんだ! そんな念を込めて。
「マロンもワンピースが不服らしいから、パンツ系で選んだ方が良いんじゃなくて? そんなにレースなり何なり入れたいなら、トップスで少し遊ぶのよ。」
「かっこいい中にある可愛さ、ってやつ?」
「あ、それ良いかもしれないわね~」
本人を置いてきゃいきゃいとはしゃぐ三人。私が話に入り込む余地は無く、もうどうにでもなれ、と遠い目をしてしまうのに時間はそうかからなかった。
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