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7章 夏休み
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夏休みに入り、最初の週末になった。
「ここです。」
「おー、いい感じの喫茶店じゃねえか!」
「甘いの甘いのー。」
「いい雰囲気ですね。」
今日は音霧の二年生四人でストレリチアへとやってきた。
昨日藤さんを誘ってみたら近くに山吹さんもいて、元々出掛ける予定だったらしく同行すると言い出した。
ちなみに桃さんは道場へ行き、福寿さんはやることがあるから行かない、らしい。
扉を開けるとチリン、と来店を知らせるベルが鳴る。お昼時を外して来たのでお客さんはちらほらといるくらいだった。
「いらっしゃいませ。……おお、藍か。」
「こんにちは、マスター。」
「ちわーす。」
ぞろぞろとストレリチアに入ると、マスターは瞠目する。
「彼氏が三人も!」
「んなわけないでしょう! 同じ寮の皆さんです!」
どんな勘違いだ。……あれ、待って。傍から見ればそう見えるのか……?
「私が藍さんの彼氏です。」
「嘘つかないで山吹さん!」
山吹さんってこんなに悪ノリする人だったっけ。
「こんなにキレのいい藍は初めて見たな。ウケる。」
「ウケなくていいですから!」
「マスターってあのマスター? お花見の時に電話した。」
「そのマスターです。」
山吹さんと柊木さんはどのマスター? と首を傾げる。そうね、その話をしたのは藤さんとだけだったね。
「まあ、座りな?」
マスターの勧めでテーブル席に座る。ふう、ここまで歩きっぱなしだったのでここで一呼吸。
「俺アイスコーヒー。」
「茜決めんの早ー。俺まだメニューすら見てないよ?」
と言いながらメニューに手を伸ばす藤さん。
「一昨日の時点で頼むの決まってたからな。」
「それ威張ることー?」
「さて私は何にしましょうか。」
藤さんと柊木さんが話している間に藤さんが持っていたメニューを取り上げた山吹さんは、私にも見えるようにメニューを開く。
「よし、決めました。頼みますよ?」
「え、ちょっと待って俺決めてない!」
「注文お願いします。」
「ほいよ。」
藤さんの声も虚しく、次々注文する。
「俺アイスコーヒー。」
「私もアイスコーヒーでお願いします。」
「私はアイスカフェオレを。」
柊木さんも山吹さんも藤さんをからかって楽しんでいるみたいだなあ。それに乗っかる私も私だけれども。
「え、っと……俺メロンソーダ!」
待たせてはいけない、と焦りながらも決める藤さん。
「アイスコーヒー二つとアイスカフェオレとメロンソーダな。分かった。ちょっと待っててな。」
柊木さんは戻っていったマスターをじっと見ていた。どうしたのかな?
「なあ、入ってからずっと思ってたんだが……あのマスター誰かに似てね?」
「誰かとは?」
「うーん、それは分かんねえけど、見たことある気がする。」
「見たこと……」
三人とも記憶を辿り始めた。見たこと……か。誰だろう。私も少し考えてみる。
「……あ、俺分かったよ。学園長だよ。なんか目元とか似てない?」
「ああ、学園長か。そうだ、そうだ。学園長に似てるんだ。」
学園長に似ている? ……言われてみればそのような気もしなくもないが……
「見た目年齢的に兄弟とか従兄弟とかの可能性があるな。」
「うーん、でも俺はそんな話聞いた事ないなあ。」
私も聞いたことがない。もしそうなら花学に行く時とかに話してくれてもいいはずなのに。花学に俺の知り合いがいるからねー、みたいな感じで。
「ほら、アイスコーヒーとアイスカフェオレとメロンソーダだ。ゆっくりしてってな。」
それぞれ頼んだものがテーブルに置かれる。私の目の前にはアイスカフェオレが。よし、ガムシロップを……
「藍、砂糖入れすぎるなよ。」
「はーい。」
入れる前に注意される。いつもそんなに砂糖入れているわけでもないのに……。ガムシロップを一つ入れる。
「これは……!」
アイスコーヒーを一口飲んだ柊木さんは目を輝かせた。山吹さんは一口飲んで「あ、美味しい。」と零している。
「マスター! 俺を弟子にしてください!」
「……弟子は取ってないのだが。」
「えぇー、そこをなんとか!」
柊木さんはとても不満そうだ。しかしマスターは弟子とかは取らない主義らしいから、どんなに頼んでも駄目だと思うけど。
「……そういえば、君達も本当にエートスなのか?」
ぼそっと他のお客さんに聞こえない音量で呟いたマスター。話を逸らしたな。弟子関係の話になるといつもはぐらかしているものね。今回はその話ではぐらかし、て……
「なっ……!」
……あれ、でも私はエートスのことをマスターに喋ったことはないのに、何故それを知っているのだろう。皆さんも驚いている。
「……何故知っている?」
ついさっきまで目を輝かせていた柊木さんも眉間に皺を寄せる。藤さんも山吹さんもじっとマスターを見つめ、マスターの次の言葉を待つ。
「……花学に知り合いがいてな。」
「それは杜若学園長のことですか?」
「ああ、まあ。……龍彦元気か?」
「元気だよー。」
学園長を名前で呼ぶくらい仲がいいのね。初めて知った。何で教えてくれなかったんだろう。
「それは良かった。……で、藍は初めて自分以外のエートスに会ったわけだが。どうだ?」
「皆さん優しいです。」
「そうか。まあ、藍に三食食べさせてくれているらしいから噂とは違うんだな、とは分かるがな。その言葉が聞けて良かった。前回は聞くに聞けなかったから。」
あの時はいちごちゃんがいたからあまり詳しくは話せなかったけど、私の話を聞いて噂とは違うことを理解してくれて良かった。
「ま、元気にやってるならいいさ。たまにここに来てくれればな。」
「もちろん来ますよ。ここは私が帰って来られる場所ですから。」
「そうか。」
「じゃあ俺もまた来よー。今度こそマスターに弟子入りしてやる!」
あ、そこ諦めてなかったのね柊木さん。
「私もまた来ますね。ここのコーヒーは美味しいです。」
「メロンソーダも美味しいよ。」
「そうなんですね。ならメニュー制覇するのもいいかもしれませんね。」
「だね。」
アイスカフェオレを飲みながら皆さんのやり取りを眺めるのだった。
そのやり取りはとてもほのぼのしていた、とだけ言っておきます。
「ここです。」
「おー、いい感じの喫茶店じゃねえか!」
「甘いの甘いのー。」
「いい雰囲気ですね。」
今日は音霧の二年生四人でストレリチアへとやってきた。
昨日藤さんを誘ってみたら近くに山吹さんもいて、元々出掛ける予定だったらしく同行すると言い出した。
ちなみに桃さんは道場へ行き、福寿さんはやることがあるから行かない、らしい。
扉を開けるとチリン、と来店を知らせるベルが鳴る。お昼時を外して来たのでお客さんはちらほらといるくらいだった。
「いらっしゃいませ。……おお、藍か。」
「こんにちは、マスター。」
「ちわーす。」
ぞろぞろとストレリチアに入ると、マスターは瞠目する。
「彼氏が三人も!」
「んなわけないでしょう! 同じ寮の皆さんです!」
どんな勘違いだ。……あれ、待って。傍から見ればそう見えるのか……?
「私が藍さんの彼氏です。」
「嘘つかないで山吹さん!」
山吹さんってこんなに悪ノリする人だったっけ。
「こんなにキレのいい藍は初めて見たな。ウケる。」
「ウケなくていいですから!」
「マスターってあのマスター? お花見の時に電話した。」
「そのマスターです。」
山吹さんと柊木さんはどのマスター? と首を傾げる。そうね、その話をしたのは藤さんとだけだったね。
「まあ、座りな?」
マスターの勧めでテーブル席に座る。ふう、ここまで歩きっぱなしだったのでここで一呼吸。
「俺アイスコーヒー。」
「茜決めんの早ー。俺まだメニューすら見てないよ?」
と言いながらメニューに手を伸ばす藤さん。
「一昨日の時点で頼むの決まってたからな。」
「それ威張ることー?」
「さて私は何にしましょうか。」
藤さんと柊木さんが話している間に藤さんが持っていたメニューを取り上げた山吹さんは、私にも見えるようにメニューを開く。
「よし、決めました。頼みますよ?」
「え、ちょっと待って俺決めてない!」
「注文お願いします。」
「ほいよ。」
藤さんの声も虚しく、次々注文する。
「俺アイスコーヒー。」
「私もアイスコーヒーでお願いします。」
「私はアイスカフェオレを。」
柊木さんも山吹さんも藤さんをからかって楽しんでいるみたいだなあ。それに乗っかる私も私だけれども。
「え、っと……俺メロンソーダ!」
待たせてはいけない、と焦りながらも決める藤さん。
「アイスコーヒー二つとアイスカフェオレとメロンソーダな。分かった。ちょっと待っててな。」
柊木さんは戻っていったマスターをじっと見ていた。どうしたのかな?
「なあ、入ってからずっと思ってたんだが……あのマスター誰かに似てね?」
「誰かとは?」
「うーん、それは分かんねえけど、見たことある気がする。」
「見たこと……」
三人とも記憶を辿り始めた。見たこと……か。誰だろう。私も少し考えてみる。
「……あ、俺分かったよ。学園長だよ。なんか目元とか似てない?」
「ああ、学園長か。そうだ、そうだ。学園長に似てるんだ。」
学園長に似ている? ……言われてみればそのような気もしなくもないが……
「見た目年齢的に兄弟とか従兄弟とかの可能性があるな。」
「うーん、でも俺はそんな話聞いた事ないなあ。」
私も聞いたことがない。もしそうなら花学に行く時とかに話してくれてもいいはずなのに。花学に俺の知り合いがいるからねー、みたいな感じで。
「ほら、アイスコーヒーとアイスカフェオレとメロンソーダだ。ゆっくりしてってな。」
それぞれ頼んだものがテーブルに置かれる。私の目の前にはアイスカフェオレが。よし、ガムシロップを……
「藍、砂糖入れすぎるなよ。」
「はーい。」
入れる前に注意される。いつもそんなに砂糖入れているわけでもないのに……。ガムシロップを一つ入れる。
「これは……!」
アイスコーヒーを一口飲んだ柊木さんは目を輝かせた。山吹さんは一口飲んで「あ、美味しい。」と零している。
「マスター! 俺を弟子にしてください!」
「……弟子は取ってないのだが。」
「えぇー、そこをなんとか!」
柊木さんはとても不満そうだ。しかしマスターは弟子とかは取らない主義らしいから、どんなに頼んでも駄目だと思うけど。
「……そういえば、君達も本当にエートスなのか?」
ぼそっと他のお客さんに聞こえない音量で呟いたマスター。話を逸らしたな。弟子関係の話になるといつもはぐらかしているものね。今回はその話ではぐらかし、て……
「なっ……!」
……あれ、でも私はエートスのことをマスターに喋ったことはないのに、何故それを知っているのだろう。皆さんも驚いている。
「……何故知っている?」
ついさっきまで目を輝かせていた柊木さんも眉間に皺を寄せる。藤さんも山吹さんもじっとマスターを見つめ、マスターの次の言葉を待つ。
「……花学に知り合いがいてな。」
「それは杜若学園長のことですか?」
「ああ、まあ。……龍彦元気か?」
「元気だよー。」
学園長を名前で呼ぶくらい仲がいいのね。初めて知った。何で教えてくれなかったんだろう。
「それは良かった。……で、藍は初めて自分以外のエートスに会ったわけだが。どうだ?」
「皆さん優しいです。」
「そうか。まあ、藍に三食食べさせてくれているらしいから噂とは違うんだな、とは分かるがな。その言葉が聞けて良かった。前回は聞くに聞けなかったから。」
あの時はいちごちゃんがいたからあまり詳しくは話せなかったけど、私の話を聞いて噂とは違うことを理解してくれて良かった。
「ま、元気にやってるならいいさ。たまにここに来てくれればな。」
「もちろん来ますよ。ここは私が帰って来られる場所ですから。」
「そうか。」
「じゃあ俺もまた来よー。今度こそマスターに弟子入りしてやる!」
あ、そこ諦めてなかったのね柊木さん。
「私もまた来ますね。ここのコーヒーは美味しいです。」
「メロンソーダも美味しいよ。」
「そうなんですね。ならメニュー制覇するのもいいかもしれませんね。」
「だね。」
アイスカフェオレを飲みながら皆さんのやり取りを眺めるのだった。
そのやり取りはとてもほのぼのしていた、とだけ言っておきます。
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