6 / 14
さん スッキリする話
しおりを挟む
この話の主人公の名前はR。実に物静かな人間でした。
そんなRには関わり合いたくない人間がいました。それが兄のCでした。
いつもCは自分の思い通りにならないと周りに怒り散らし、自分は悪くないと威張っていました。
そうなると周りから煙たがられるのも当たり前というもので、しかし自分本位なCはそれに気付きません。
そんなCと絶対関わり合いたくないと言いつつも、毎日のようにRは関わり合いになっていました。
CはRの家に居候していたからです。
Rは横暴なCに歯向かう勇気もなく、虐げられる毎日を過ごしていました。家主なのに。
まさにシンデレラに出てくる主人公と継母のような関係ですね。
「おい、何故俺様の夕飯がねぇんだ!」
「……兄さんが夕飯要らないと言ったのでしょう?」
「そんなの知るか! 俺様の分も早く出せ!」
理不尽なことで怒鳴り散らし暴力を振るうCに、Rは内心恐怖と共に辟易していました。
RはCにいい加減出ていって欲しいと思っていました。
そんなRにも転機が訪れます。あれだけ働くのを渋っていたCが働き始めると言うのです。
Rは最初『どうせすぐ辞めるだろう』と諦めていましたが、しかし意外にも続いているようでした。働き始めてからもう半年は経ちましたから。
「俺様がいないとあの職場は回らねえからな! 本当、どうしようもねえやつらだ!」
まあ、職場での愚痴を漏らすようになったのでRは鬱陶しいな、とは思っていましたが。
「ねえ、R。営業課のCって人知ってる?」
「え、Cですか……?」
Rはいつも通り仕事をしていると、同期の人にそう聞かれます。Cと言う名前を聞いてまさか兄だとは思いもよらなかったRは、同じ会社だったのか、とその時酷く狼狽しました。
「そうそう! 半年くらい前かな、新しく入った人らしいんだけど、すごく横暴だから周りの人達が辟易しているって話だよ。」
「へ、へえ……」
Cの性格はそう変わることはないので、Rに対するのと同じように周りにも迷惑を掛けているようでした。
自分の横柄さを自覚もしなければ直そうと思うこともない。まあ、横柄なのだから直すだなんて考えは一ミリもないのだろうが。
こちらが諦めるしかないのだろう、と溜息を一つ零す。
「もっと言えば人に仕事を押し付けて、自分は仕事をせずに悠々としているらしくてね。」
「え……?」
「態度を改めないなら早々に切り捨てるって噂されてるよ。」
ああ。兄が迷惑をお掛けしてすみません。そんな気持ちを持ちながらRは大きな溜息を一つつきました。
「そんな人はいつかバチが当たるだろうね!」
「そうですね……」
バチ、か。やっぱり……
それからRは一人考え込むのでした。
そんなRには関わり合いたくない人間がいました。それが兄のCでした。
いつもCは自分の思い通りにならないと周りに怒り散らし、自分は悪くないと威張っていました。
そうなると周りから煙たがられるのも当たり前というもので、しかし自分本位なCはそれに気付きません。
そんなCと絶対関わり合いたくないと言いつつも、毎日のようにRは関わり合いになっていました。
CはRの家に居候していたからです。
Rは横暴なCに歯向かう勇気もなく、虐げられる毎日を過ごしていました。家主なのに。
まさにシンデレラに出てくる主人公と継母のような関係ですね。
「おい、何故俺様の夕飯がねぇんだ!」
「……兄さんが夕飯要らないと言ったのでしょう?」
「そんなの知るか! 俺様の分も早く出せ!」
理不尽なことで怒鳴り散らし暴力を振るうCに、Rは内心恐怖と共に辟易していました。
RはCにいい加減出ていって欲しいと思っていました。
そんなRにも転機が訪れます。あれだけ働くのを渋っていたCが働き始めると言うのです。
Rは最初『どうせすぐ辞めるだろう』と諦めていましたが、しかし意外にも続いているようでした。働き始めてからもう半年は経ちましたから。
「俺様がいないとあの職場は回らねえからな! 本当、どうしようもねえやつらだ!」
まあ、職場での愚痴を漏らすようになったのでRは鬱陶しいな、とは思っていましたが。
「ねえ、R。営業課のCって人知ってる?」
「え、Cですか……?」
Rはいつも通り仕事をしていると、同期の人にそう聞かれます。Cと言う名前を聞いてまさか兄だとは思いもよらなかったRは、同じ会社だったのか、とその時酷く狼狽しました。
「そうそう! 半年くらい前かな、新しく入った人らしいんだけど、すごく横暴だから周りの人達が辟易しているって話だよ。」
「へ、へえ……」
Cの性格はそう変わることはないので、Rに対するのと同じように周りにも迷惑を掛けているようでした。
自分の横柄さを自覚もしなければ直そうと思うこともない。まあ、横柄なのだから直すだなんて考えは一ミリもないのだろうが。
こちらが諦めるしかないのだろう、と溜息を一つ零す。
「もっと言えば人に仕事を押し付けて、自分は仕事をせずに悠々としているらしくてね。」
「え……?」
「態度を改めないなら早々に切り捨てるって噂されてるよ。」
ああ。兄が迷惑をお掛けしてすみません。そんな気持ちを持ちながらRは大きな溜息を一つつきました。
「そんな人はいつかバチが当たるだろうね!」
「そうですね……」
バチ、か。やっぱり……
それからRは一人考え込むのでした。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
2
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる