生贄少女とヴァンパイア

秋ノ桜

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陰謀

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sideシオン


「ついに見つけましたよ。タランテラ様。」


さぞお喜びになるでしょう。


「シオン、嬉しそうね?」


嬉しいに決まっています。


あなたの喜ぶ顔が目に浮かぶ。


「はい、禁断の果実の少女を見つけました。」


邪魔が入ってさえいなければ、あの少女をここに連れて来られたのに。


「やはり…まだ残っていたのね!!!が根絶やしにしたとばかり思っていた…あぁ…私の望みがようやく叶う…あの男、あの忌々しい男をようやく地獄へ送れる!!!」



あぁ、タランテラ様。


そんなにお喜び頂けるなんて。


僕は嬉しい。



「今まで作ってきた失敗作に禁断の果実の血を混ぜればあの忌々しい一族を根絶やしにできる!!!シオン、どんな手を使ってもいいから連れてきなさい!!血さえあれば首だけになっても構わない!!」



もちろんそのつもりですよ。



「はい、承知いたしました。」



ちゃんと、あなたの元に届けます。



「待ちなさい、シオン。」



行こうとした僕をタランテラ様が止めた。



「その手では仕事にならないでしょう?ご褒美にこれを………」


タランテラ様の黒い魔力が斬られた腕に巻きつく。


どんな黒魔術を使ったのか、僕の左手は元どおりになっていた。



「ありがとうございます…必ずや、あの少女を連れてきます。」


そして、共にあの忌々しい一族を滅ぼしましょう。



想像もつかない程、残虐的に。

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