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影の動き
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sideリラ
「ご名答。」
私は訳がわからなくなった。
「で、でも…ルシアス様は今私の記憶がないのにどうやって…!」
そもそも、私を死んだ事にしたかったクロウ先生。
予め話しておけばいろいろ面倒な事にはならなかったんじゃ……
「リラちゃん、前に私たちとキジャさんとルルドさんとルシアス様が初めてライアス様のお屋敷に呼ばれたのは覚えてる?」
私は記憶を遡った。
あの時だ。
ルディがカトレアの裏口で待っていて、ルシアス様もそこに居合わせて喧嘩した時。
2人の喧嘩が収集つかなくなって、ライアスが現れたんだっけ。
その時、ライアスのお屋敷にみんなで行った。
「うん、覚えてるよ。」
懐かしいな…すごく昔のことみたい。
「あの時、ライアス様とルシアス様から謎の組織を追ってるって言われたでしょ?」
確かそんな話をした。
「確か、黒魔術を使ってる組織だよね?うん、言われた。」
何が目的なのかも分からない大きな組織があるって話だった。
「その例の組織を率いてるのがクロウ先生が言ってた、魔女のタランテラ・ガルシアだよ。」
真の敵の名は、タランテラ・ガルシア。
私が忘れてはいけない名前だって事はよくわかった。
けど……
「その名前…どこかで聞いたことあるような……。」
私の気のせい?
「あれ?リラ知らない?あの有名な話。」
ルディに不思議そうに聞かれたけど私はさっぱり分からない。
「まぁ、人間の歴史じゃないから知らなくても無理はないだろ?」
ラルフとルディはちゃんと話が通じてる。
「ちょっと!割って入らないで!私が説明するんだから!」
ダリアちゃんは天使のような可愛さを振りまいて2人を怒ると私にグッと近づいた。
「タランテラ・ガルシアって女はね、先代のお妃様を呪い殺して処刑された伝説の魔女の名前だよ。」
……え?
「処刑された??」
それに先代のお妃様って……
ライアスとルシアス様のおばあちゃんってことよね。
でもその魔女、ついさっきまでピンピンに生きてる感じだったよね!?
「うん!処刑されたよ?」
そんな可愛い笑顔で言われても……
「リラ、もう忘れたのか?あの魔女は不死身だ。」
訳がわからなくなっている私に助け舟を出したのはクロウ先生だった。
「あぁ、そうでした。」
不死身って言うけど本当に不死身なの?
本当に本当にそうなら気味が悪い。
「まぁ、300年前の話だからいろんな話があって怖い話の定番って感じにはなってるけどねー。」
ルディの言葉に思わず……
「300年前!?」
大きな声が出た。
勝手に十何年か前くらいに思ってたけど桁が違う。
本当に不死身なんだ……
「そうそう。だからほぼ伝説だって思ってたんだけど、実際今も生きてるらしい。リラに出会ってなかったらきっと俺らはただの昔話で終わらせてたよ。」
その怖い魔女が生きていると知っているのはここにいる私達だけってことか。
すごく重大な秘密を抱えている感じだ。
「話が脱線したが、とにかくその邪悪な魔女を倒さない限り、お前は命を狙われ続ける。」
そこも疑問だった。
「どうしてそこまでして私の命を欲しがるんだろう。」
力なんていくらでもあるはずなのに。
「禁断の果実の血は何にでも応用が効く。毒にも薬にもなり力まで授ける奇跡の血だ。その血をより濃く受け継いでいる上に最後の1人となれば、逆に狙わない理由がないだろう?」
こんな特殊な血を持って産まれてもいいことなんか一つもない。
「……そうですね。」
どうしてわざわざ死んだように見せかけたのか今更ながらに分かった。
確かに私は死んでいた方がいい。
死んでいたら狙われることはまずないし、誰かが襲ってくるとかそんな事を神経質に考えなくて済む。
「とにかく、俺たちはどの存在からも悟られないようにしておく必要がある。タランテラ・ガルシアは残忍で慎重でイカれた魔女だ。こっちがいろいろ探っていると勘づいた時点で尻尾を隠す。俺もあの魔女を追って20年経った。」
クロウ先生が20年も追い続けていて捕まらないなんて。
そんな魔女の情報を私やダリアちゃん達が探すなんて無理がある気がする。
私が足を引っ張る気しかしない。
それはそうとして…
「いくら私を死んだ事にしても、これだけ大人数で動いていたら流石にバレるんじゃ……。それに、向こうだって馬鹿じゃない。私と仲がいい ダリアちゃん達が固まって動いていたら私がいることもバレるかも……。」
私が生きていることがその魔女に知れてしまったら全てが台無しになる。
「大丈夫だ、俺らも死人だから。」
……はい?
「俺ら?」
クロウ先生の言い方が本当に気になった。
「うん!私も、ラルフもルディも、リラちゃんと同じで死んだ事になってるよ!………ライアス様から聞いてない?」
え??
「なんでそこでライアス?」
私は動揺を隠せなかった。
ダリアちゃんとラルフとルディは顔を見合わせた。
「は!?俺らちゃんとやったよな?」
「…あぁ、ちゃんと死体も持ち帰ってた。」
「まさか偽物の死体ってバレたのかな?」
私はますますついていけない。
「ちょっと待って、いろいろ説明して?」
私、全く理解できてない。
「ご名答。」
私は訳がわからなくなった。
「で、でも…ルシアス様は今私の記憶がないのにどうやって…!」
そもそも、私を死んだ事にしたかったクロウ先生。
予め話しておけばいろいろ面倒な事にはならなかったんじゃ……
「リラちゃん、前に私たちとキジャさんとルルドさんとルシアス様が初めてライアス様のお屋敷に呼ばれたのは覚えてる?」
私は記憶を遡った。
あの時だ。
ルディがカトレアの裏口で待っていて、ルシアス様もそこに居合わせて喧嘩した時。
2人の喧嘩が収集つかなくなって、ライアスが現れたんだっけ。
その時、ライアスのお屋敷にみんなで行った。
「うん、覚えてるよ。」
懐かしいな…すごく昔のことみたい。
「あの時、ライアス様とルシアス様から謎の組織を追ってるって言われたでしょ?」
確かそんな話をした。
「確か、黒魔術を使ってる組織だよね?うん、言われた。」
何が目的なのかも分からない大きな組織があるって話だった。
「その例の組織を率いてるのがクロウ先生が言ってた、魔女のタランテラ・ガルシアだよ。」
真の敵の名は、タランテラ・ガルシア。
私が忘れてはいけない名前だって事はよくわかった。
けど……
「その名前…どこかで聞いたことあるような……。」
私の気のせい?
「あれ?リラ知らない?あの有名な話。」
ルディに不思議そうに聞かれたけど私はさっぱり分からない。
「まぁ、人間の歴史じゃないから知らなくても無理はないだろ?」
ラルフとルディはちゃんと話が通じてる。
「ちょっと!割って入らないで!私が説明するんだから!」
ダリアちゃんは天使のような可愛さを振りまいて2人を怒ると私にグッと近づいた。
「タランテラ・ガルシアって女はね、先代のお妃様を呪い殺して処刑された伝説の魔女の名前だよ。」
……え?
「処刑された??」
それに先代のお妃様って……
ライアスとルシアス様のおばあちゃんってことよね。
でもその魔女、ついさっきまでピンピンに生きてる感じだったよね!?
「うん!処刑されたよ?」
そんな可愛い笑顔で言われても……
「リラ、もう忘れたのか?あの魔女は不死身だ。」
訳がわからなくなっている私に助け舟を出したのはクロウ先生だった。
「あぁ、そうでした。」
不死身って言うけど本当に不死身なの?
本当に本当にそうなら気味が悪い。
「まぁ、300年前の話だからいろんな話があって怖い話の定番って感じにはなってるけどねー。」
ルディの言葉に思わず……
「300年前!?」
大きな声が出た。
勝手に十何年か前くらいに思ってたけど桁が違う。
本当に不死身なんだ……
「そうそう。だからほぼ伝説だって思ってたんだけど、実際今も生きてるらしい。リラに出会ってなかったらきっと俺らはただの昔話で終わらせてたよ。」
その怖い魔女が生きていると知っているのはここにいる私達だけってことか。
すごく重大な秘密を抱えている感じだ。
「話が脱線したが、とにかくその邪悪な魔女を倒さない限り、お前は命を狙われ続ける。」
そこも疑問だった。
「どうしてそこまでして私の命を欲しがるんだろう。」
力なんていくらでもあるはずなのに。
「禁断の果実の血は何にでも応用が効く。毒にも薬にもなり力まで授ける奇跡の血だ。その血をより濃く受け継いでいる上に最後の1人となれば、逆に狙わない理由がないだろう?」
こんな特殊な血を持って産まれてもいいことなんか一つもない。
「……そうですね。」
どうしてわざわざ死んだように見せかけたのか今更ながらに分かった。
確かに私は死んでいた方がいい。
死んでいたら狙われることはまずないし、誰かが襲ってくるとかそんな事を神経質に考えなくて済む。
「とにかく、俺たちはどの存在からも悟られないようにしておく必要がある。タランテラ・ガルシアは残忍で慎重でイカれた魔女だ。こっちがいろいろ探っていると勘づいた時点で尻尾を隠す。俺もあの魔女を追って20年経った。」
クロウ先生が20年も追い続けていて捕まらないなんて。
そんな魔女の情報を私やダリアちゃん達が探すなんて無理がある気がする。
私が足を引っ張る気しかしない。
それはそうとして…
「いくら私を死んだ事にしても、これだけ大人数で動いていたら流石にバレるんじゃ……。それに、向こうだって馬鹿じゃない。私と仲がいい ダリアちゃん達が固まって動いていたら私がいることもバレるかも……。」
私が生きていることがその魔女に知れてしまったら全てが台無しになる。
「大丈夫だ、俺らも死人だから。」
……はい?
「俺ら?」
クロウ先生の言い方が本当に気になった。
「うん!私も、ラルフもルディも、リラちゃんと同じで死んだ事になってるよ!………ライアス様から聞いてない?」
え??
「なんでそこでライアス?」
私は動揺を隠せなかった。
ダリアちゃんとラルフとルディは顔を見合わせた。
「は!?俺らちゃんとやったよな?」
「…あぁ、ちゃんと死体も持ち帰ってた。」
「まさか偽物の死体ってバレたのかな?」
私はますますついていけない。
「ちょっと待って、いろいろ説明して?」
私、全く理解できてない。
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