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久々の会話
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sideリラ
「いちいち近いんだよ、離れろ。」
ルシアス様が私を背に隠す。
「別に問題はないと思うよ?僕は間男なんだしね。」
「あ?」
また始まる!!
「あ…あの……」
止めるべきか、ルディと逃げるべきか。
答えは0.1秒で出た。
「ルディ、片付けしよ。キッチンの!」
巻き込まれたら死ぬ争いに自ら仲裁を入れる筋合いはない。
退避退避!!
「うんそうしよ!!!」
ルディもちゃんと分かってる。
私たちはバチバチと睨み合う2人を置いてキッチンへ急いだ。
・
・
・
「も~っ!!!痛い~!!!」
「暴れるな、余計に絡まるだろ。」
「ダリア、クロウさんの言う事聞け。」
キッチンは想像以上に明るかった。
棘でぐるぐる巻にされたダリアちゃんをクロウさんが助けようとしてるけど、駄々っ子ダリアちゃんになってて苦労してる。
「クロウさん!痛いです!!それから早くしてください!!」
「文句を言うな、全く。」
クロウ先生とダリアちゃんってなんだかんだ仲良い。
見ていて微笑ましいけど、今は助けてあげないと。
「クロウ先生、ダリアちゃんは任せてください!」
私が声をかけたら3人がこっちを見た。
「リラちゃ~ん!!お帰り!!」
ダリアちゃんは嬉しそうに私の名前を呼んだ。
「ただいま、ダリアちゃん。」
ほろっとしてしまう。
「いい時に来たな、リラ。この駄々っ子を頼む。」
クロウ先生がいつになく嬉しそう。
決して言葉には出さないけど、喜んでくれているのが分かった。
「リラ、心配した。もう大丈夫か?」
ラルフから心配される日が来るなんて。
「もちろん、絶好調だよ。」
むしろ今はこうしてみんなと話せて幸せ。
「ったく、どんだけ絡まってんだよ、もー。」
ルディがラルフの状態を見兼ねて手伝いに行った。
私もダリアちゃんを早く解放してあげないと。
「なら、リラとルディ、2人を頼んだぞ。俺はコイツの処理をする。」
クロウさんの言ったコイツとは例の人形のこと。
その人形に視線を移すと…
「ひっ!!」
私は血の気が引いた。
在らぬ姿になってる人形。
全ての関節部分がおかしな方向に曲がっている。
「だ…誰がこんな事を?」
人形とは言えど、痛そう……。
「決まってるだろ、血相変えてフライ返し持って行った男だ。」
クロウ先生は呆れたように言う。
ライアスがこれをやったらしい。
「さすがと言うか…想像の斜め上を行くと言うか……。」
とりあえず、ライアスを怒らせる事だけはやめておこう。
そう心に決めた瞬間だった。
*******************
sideクロウ
ラルフとダリアを2人に任せて、人形をキッチンから運ぶと曲がってすぐの廊下で兄弟がいがみ合っている。
「こんな時まで勘弁してくださいよ、団長。」
「ライアス様、せめて外に出られた方がよろしいかと。」
「いや、ルルド止めてよー。」
「俺にそんな権限はない、止めるなんておこがましい。」
「出たー、真面目くーん。」
いがみ合う兄弟をそれぞれの部下が止めている。
が、その部下たちも一悶着ありそうな勢いだ。
全く、これだからガキは。
正直、死ぬほど関わりたくないが今止めないと収集がつかなくなるな。
「お前達、今すぐやめないなら炎魔法でぶっ飛ばすぞ。」
屋敷も何もかも焼き尽くす勢いでな。
「やってもいいぞ、俺の家じゃない。」
「やってもいいけど、クロウの家に泊めてね。」
こいつらは根本的にダメだ。
「もういい、暇なら手伝え、コイツの解体は時間がかかりそうだ。」
曲がるはずない方向に曲がったものを戻すのは大変だからな。
「それは困ったね、今日はリラを連れて王宮に行きたかったんだけど。」
は!?
「リラを王宮に?正気か?」
俺はたまらず聞いた。
「正気かどうかなんて聞いてやるなよ、完全にイカれてんだから。」
自分の兄に対して大層な言い分だな、ルシアス。
「2人して失礼だね。…今王宮に行きたいのは、あのロクでなしの王様が僕らの味方になってくれるかもしれないからだよ。」
本当にイカれてるのか?
「お前達少し前に殺されかけたばかりだろうが。」
それも実の父親直々に。
「いろいろ状況が変わったんだよ。だからこうしてみんなに来てもらったのもある。その人形を調べるのは話の後でも構わない?」
そう言う事なら嫌でも後にしないといけないな。
「わかった、これはどこに置いておけばいい?」
お前が曲げに曲げたこの人形を。
「何があるか分からないから、とりあえず地下牢に入れておこうか。」
こんなに関節が曲がっていて動けるとも思えないが…
「そうするか……。で、地下牢はどこだ?」
そもそもなんで家に地下牢があるか疑問で仕方ない。
「地下牢はこっちだ、案内する。」
案内役はルルドか。
そういえば俺が一度大怪我させたな。
後で謝っておくか。
リラのためとは言え、酷い事をした。
「あぁ。よろしく頼む。」
「いちいち近いんだよ、離れろ。」
ルシアス様が私を背に隠す。
「別に問題はないと思うよ?僕は間男なんだしね。」
「あ?」
また始まる!!
「あ…あの……」
止めるべきか、ルディと逃げるべきか。
答えは0.1秒で出た。
「ルディ、片付けしよ。キッチンの!」
巻き込まれたら死ぬ争いに自ら仲裁を入れる筋合いはない。
退避退避!!
「うんそうしよ!!!」
ルディもちゃんと分かってる。
私たちはバチバチと睨み合う2人を置いてキッチンへ急いだ。
・
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「も~っ!!!痛い~!!!」
「暴れるな、余計に絡まるだろ。」
「ダリア、クロウさんの言う事聞け。」
キッチンは想像以上に明るかった。
棘でぐるぐる巻にされたダリアちゃんをクロウさんが助けようとしてるけど、駄々っ子ダリアちゃんになってて苦労してる。
「クロウさん!痛いです!!それから早くしてください!!」
「文句を言うな、全く。」
クロウ先生とダリアちゃんってなんだかんだ仲良い。
見ていて微笑ましいけど、今は助けてあげないと。
「クロウ先生、ダリアちゃんは任せてください!」
私が声をかけたら3人がこっちを見た。
「リラちゃ~ん!!お帰り!!」
ダリアちゃんは嬉しそうに私の名前を呼んだ。
「ただいま、ダリアちゃん。」
ほろっとしてしまう。
「いい時に来たな、リラ。この駄々っ子を頼む。」
クロウ先生がいつになく嬉しそう。
決して言葉には出さないけど、喜んでくれているのが分かった。
「リラ、心配した。もう大丈夫か?」
ラルフから心配される日が来るなんて。
「もちろん、絶好調だよ。」
むしろ今はこうしてみんなと話せて幸せ。
「ったく、どんだけ絡まってんだよ、もー。」
ルディがラルフの状態を見兼ねて手伝いに行った。
私もダリアちゃんを早く解放してあげないと。
「なら、リラとルディ、2人を頼んだぞ。俺はコイツの処理をする。」
クロウさんの言ったコイツとは例の人形のこと。
その人形に視線を移すと…
「ひっ!!」
私は血の気が引いた。
在らぬ姿になってる人形。
全ての関節部分がおかしな方向に曲がっている。
「だ…誰がこんな事を?」
人形とは言えど、痛そう……。
「決まってるだろ、血相変えてフライ返し持って行った男だ。」
クロウ先生は呆れたように言う。
ライアスがこれをやったらしい。
「さすがと言うか…想像の斜め上を行くと言うか……。」
とりあえず、ライアスを怒らせる事だけはやめておこう。
そう心に決めた瞬間だった。
*******************
sideクロウ
ラルフとダリアを2人に任せて、人形をキッチンから運ぶと曲がってすぐの廊下で兄弟がいがみ合っている。
「こんな時まで勘弁してくださいよ、団長。」
「ライアス様、せめて外に出られた方がよろしいかと。」
「いや、ルルド止めてよー。」
「俺にそんな権限はない、止めるなんておこがましい。」
「出たー、真面目くーん。」
いがみ合う兄弟をそれぞれの部下が止めている。
が、その部下たちも一悶着ありそうな勢いだ。
全く、これだからガキは。
正直、死ぬほど関わりたくないが今止めないと収集がつかなくなるな。
「お前達、今すぐやめないなら炎魔法でぶっ飛ばすぞ。」
屋敷も何もかも焼き尽くす勢いでな。
「やってもいいぞ、俺の家じゃない。」
「やってもいいけど、クロウの家に泊めてね。」
こいつらは根本的にダメだ。
「もういい、暇なら手伝え、コイツの解体は時間がかかりそうだ。」
曲がるはずない方向に曲がったものを戻すのは大変だからな。
「それは困ったね、今日はリラを連れて王宮に行きたかったんだけど。」
は!?
「リラを王宮に?正気か?」
俺はたまらず聞いた。
「正気かどうかなんて聞いてやるなよ、完全にイカれてんだから。」
自分の兄に対して大層な言い分だな、ルシアス。
「2人して失礼だね。…今王宮に行きたいのは、あのロクでなしの王様が僕らの味方になってくれるかもしれないからだよ。」
本当にイカれてるのか?
「お前達少し前に殺されかけたばかりだろうが。」
それも実の父親直々に。
「いろいろ状況が変わったんだよ。だからこうしてみんなに来てもらったのもある。その人形を調べるのは話の後でも構わない?」
そう言う事なら嫌でも後にしないといけないな。
「わかった、これはどこに置いておけばいい?」
お前が曲げに曲げたこの人形を。
「何があるか分からないから、とりあえず地下牢に入れておこうか。」
こんなに関節が曲がっていて動けるとも思えないが…
「そうするか……。で、地下牢はどこだ?」
そもそもなんで家に地下牢があるか疑問で仕方ない。
「地下牢はこっちだ、案内する。」
案内役はルルドか。
そういえば俺が一度大怪我させたな。
後で謝っておくか。
リラのためとは言え、酷い事をした。
「あぁ。よろしく頼む。」
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