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訓練開始!
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sideリラ
「全員、喋ってないでそれぞれペアになって1メートル間隔を開けてくれ。空間魔法でそれぞれの位置に飛ばす。」
クロウ先生から指示が出た。
「ルシアスさ…もうルディのとこに行きますね。」
危ない。
また様が出るところだった。
「あぁ…。」
ルシアスは私の頭から手を離さない。
笑顔は徐々に心配の顔に変わる。
「大丈夫です、何かあればすぐにこれを撃ちますから。」
さっきルシアスが使い方を教えてくれた信号銃。
これを撃てばきっと助けに来てくれるでしょう?
「少しでも危ないと感じたら撃て。ヤバいのが現れたら戦わなくていい、逃げ回れ。」
ルシアスは本当に心配症だ。
「わかってます。」
私も自分の力をまだ把握できていないから、無闇矢鱈に戦うことはできない。
「ルシアス、いつまでそうしているの?」
ライアスが見兼ねて私たちのところへ来た。
「すぐ行くから向こう行ってろ。」
「リラ、何かあればすぐに呼んでね。無理をしてはいけないよ?」
「聞け。」
「うん、ありがとう。」
この2人、本当に3日間も2人きりにして平気かな…
ルシアスは私を心配するけど、私より自分たちの喧嘩の心配をした方がいい気もする。
「リラ、行こうぜ!」
遅い私をルディが迎えに来た。
「あ、うん!行こっか!」
私も人のことを心配している余裕はない。
「じゃあルシアスもライアスも3日後に!」
2人を心配させないように元気に挨拶をする。
そのあと私はルディと一緒に所定の位置についた。
「リラ!俺頑張るからな!」
ルディはやる気満々だ。
「私だって頑張るよ!」
もちろん私も。
この3日で少しでも強くなれるように。
とんでもなく荒療治な気もするけど、私たちにはそれくらいがちょうどいい。
生ぬるい訓練ならしない方がマシだからね。
「では、各々気をつけて訓練してくること。」
クロウ先生がそう言って手を翳すと目の前に空間が作られる。
「さぁ、いつでもいいぞ。」
私とルディは周りを見た。
「じゃ、行ってきまーす。」
「待て!勝手に行くな!」
キジャさんとルルドさんは何の躊躇いもなく入って行ってる。
「足引っ張るなよ?」
「それ自分に言い聞かせてるの?」
ルシアスとライアスは喧嘩をしながら入って行ってしまった。
大丈夫なのかな……
「リラちゃんまたねー!!」
「リラ、気をつけろよ。」
ダリアちゃんのラルフも空間の中へ入って行った。
よくみんなそんなにスイスイ入れるね。
不安はないの?
「リラだけって、薄情な奴らだな。全く!リラ、行こうか。」
ルディが私に笑顔で手を差し出した。
大丈夫だよ、ただの訓練。
悪い事なんて起きない。
「大丈夫、怖いこともあるだろうけど俺と頑張ろうよ。」
そうだ、頑張らないと。
私はまだまだ弱い。
「うん、頑張る!!」
覚悟を決めてルディの手を取った。
「よっしゃー!!リラと森のおデート~♪」
ルディが変な歌を歌って私の手を引いた。
「あはは!」
そのおかげで緊張がほぐれたよ。
「へぇ、空間魔法って不思議だな!」
まるで夜空のトンネルを歩いているみたい。
足元も少しふわっとして変な感じ。
「一歩出たら着くんだと思ってたけど違うんだね。」
「多分それ、この島が広いからじゃない?なんかクロウさんが前に遠くに行こうとすればする程、空間魔法事態が長くなるって言ってたから。」
ルディも私の知らないところで勉強してるんだね。
私もルディを見習おう。
「そうなんだね。…話は変わるけど、どんな怪物が出てくるのかな?」
ルディは気にならない?
ルシアスを怖がらせたここの住人たちが。
「んー、ジャングルだしやっぱり動物なんじゃね?」
ルシアスが動物を怖がるかな?
ナイトとか普通に会ってるみたいだし。
「そうなのかな…?」
「ルシアスはもしかしたら動物が怖いのかもな!」
ルディがそう言って豪快に笑った。
「笑ってたの知られたら怒られるよ?」
「じゃあ俺たちの内緒ってことで。」
歩いているとトンネルの出口みたいに先が明るくなってきた。
「お!もうちょっとで出れるぞ!」
「何回も言うけど頑張ろうね!」
「おう!」
ルディが私の手をさらに強く引いて走り出す。
私たちは出口の光に包まれて期待に胸を膨らませた。
緑の森が見える!
「「せーの!!」」
私たちは一緒にクロウ先生の空間魔法から完全に抜け出した。
「ま、なんかあったら逃げればいいし、信号銃だってあ」バキッ!!!!!
ルディが喋るのをやめた。
「「…………」」
もちろん私も黙りこくった。
目の前でルシアスの2倍くらい大きな熊が大木を真っ二つにするところを目撃してしまった。
目の前の光景が到底理解できないものだったら人は黙るらしい。
「いいか、リラ。そーっと、そーーーーっと逃げるぞ。」
「う……うん。」
これには勝てない。
本能がそう囁いた。
だけど……
「グルルルルル…」
人生とは過酷なもので、大きな熊はこっちを向き私たちを睨みつける。
「ヤバい…これヤバい……」
「ど、どうしよ……」
私は涙目でルディを見た。
「かくなる上は………」
分かってる、分かってるよ、ルディ。
「「逃げろー!!!!!」」
「全員、喋ってないでそれぞれペアになって1メートル間隔を開けてくれ。空間魔法でそれぞれの位置に飛ばす。」
クロウ先生から指示が出た。
「ルシアスさ…もうルディのとこに行きますね。」
危ない。
また様が出るところだった。
「あぁ…。」
ルシアスは私の頭から手を離さない。
笑顔は徐々に心配の顔に変わる。
「大丈夫です、何かあればすぐにこれを撃ちますから。」
さっきルシアスが使い方を教えてくれた信号銃。
これを撃てばきっと助けに来てくれるでしょう?
「少しでも危ないと感じたら撃て。ヤバいのが現れたら戦わなくていい、逃げ回れ。」
ルシアスは本当に心配症だ。
「わかってます。」
私も自分の力をまだ把握できていないから、無闇矢鱈に戦うことはできない。
「ルシアス、いつまでそうしているの?」
ライアスが見兼ねて私たちのところへ来た。
「すぐ行くから向こう行ってろ。」
「リラ、何かあればすぐに呼んでね。無理をしてはいけないよ?」
「聞け。」
「うん、ありがとう。」
この2人、本当に3日間も2人きりにして平気かな…
ルシアスは私を心配するけど、私より自分たちの喧嘩の心配をした方がいい気もする。
「リラ、行こうぜ!」
遅い私をルディが迎えに来た。
「あ、うん!行こっか!」
私も人のことを心配している余裕はない。
「じゃあルシアスもライアスも3日後に!」
2人を心配させないように元気に挨拶をする。
そのあと私はルディと一緒に所定の位置についた。
「リラ!俺頑張るからな!」
ルディはやる気満々だ。
「私だって頑張るよ!」
もちろん私も。
この3日で少しでも強くなれるように。
とんでもなく荒療治な気もするけど、私たちにはそれくらいがちょうどいい。
生ぬるい訓練ならしない方がマシだからね。
「では、各々気をつけて訓練してくること。」
クロウ先生がそう言って手を翳すと目の前に空間が作られる。
「さぁ、いつでもいいぞ。」
私とルディは周りを見た。
「じゃ、行ってきまーす。」
「待て!勝手に行くな!」
キジャさんとルルドさんは何の躊躇いもなく入って行ってる。
「足引っ張るなよ?」
「それ自分に言い聞かせてるの?」
ルシアスとライアスは喧嘩をしながら入って行ってしまった。
大丈夫なのかな……
「リラちゃんまたねー!!」
「リラ、気をつけろよ。」
ダリアちゃんのラルフも空間の中へ入って行った。
よくみんなそんなにスイスイ入れるね。
不安はないの?
「リラだけって、薄情な奴らだな。全く!リラ、行こうか。」
ルディが私に笑顔で手を差し出した。
大丈夫だよ、ただの訓練。
悪い事なんて起きない。
「大丈夫、怖いこともあるだろうけど俺と頑張ろうよ。」
そうだ、頑張らないと。
私はまだまだ弱い。
「うん、頑張る!!」
覚悟を決めてルディの手を取った。
「よっしゃー!!リラと森のおデート~♪」
ルディが変な歌を歌って私の手を引いた。
「あはは!」
そのおかげで緊張がほぐれたよ。
「へぇ、空間魔法って不思議だな!」
まるで夜空のトンネルを歩いているみたい。
足元も少しふわっとして変な感じ。
「一歩出たら着くんだと思ってたけど違うんだね。」
「多分それ、この島が広いからじゃない?なんかクロウさんが前に遠くに行こうとすればする程、空間魔法事態が長くなるって言ってたから。」
ルディも私の知らないところで勉強してるんだね。
私もルディを見習おう。
「そうなんだね。…話は変わるけど、どんな怪物が出てくるのかな?」
ルディは気にならない?
ルシアスを怖がらせたここの住人たちが。
「んー、ジャングルだしやっぱり動物なんじゃね?」
ルシアスが動物を怖がるかな?
ナイトとか普通に会ってるみたいだし。
「そうなのかな…?」
「ルシアスはもしかしたら動物が怖いのかもな!」
ルディがそう言って豪快に笑った。
「笑ってたの知られたら怒られるよ?」
「じゃあ俺たちの内緒ってことで。」
歩いているとトンネルの出口みたいに先が明るくなってきた。
「お!もうちょっとで出れるぞ!」
「何回も言うけど頑張ろうね!」
「おう!」
ルディが私の手をさらに強く引いて走り出す。
私たちは出口の光に包まれて期待に胸を膨らませた。
緑の森が見える!
「「せーの!!」」
私たちは一緒にクロウ先生の空間魔法から完全に抜け出した。
「ま、なんかあったら逃げればいいし、信号銃だってあ」バキッ!!!!!
ルディが喋るのをやめた。
「「…………」」
もちろん私も黙りこくった。
目の前でルシアスの2倍くらい大きな熊が大木を真っ二つにするところを目撃してしまった。
目の前の光景が到底理解できないものだったら人は黙るらしい。
「いいか、リラ。そーっと、そーーーーっと逃げるぞ。」
「う……うん。」
これには勝てない。
本能がそう囁いた。
だけど……
「グルルルルル…」
人生とは過酷なもので、大きな熊はこっちを向き私たちを睨みつける。
「ヤバい…これヤバい……」
「ど、どうしよ……」
私は涙目でルディを見た。
「かくなる上は………」
分かってる、分かってるよ、ルディ。
「「逃げろー!!!!!」」
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