261 / 471
呼び声
しおりを挟む
sideルシアス
「クロウ!今すぐ空間魔法で飛ばせ!全員殺される!」
「無理だ、場所が確定していないと空間魔法は使えない!そのための信号銃だ!」
どうして誰も信号銃を撃たない!
「こうなったら島を一周してでも」「ルシアス!!助けて!!」
水晶から聞こえた声にすぐさま反応する。
「あそこだ!!」
リラが信号銃を撃ち、場所が確定した。
クロウが一瞬で空間を出し、俺とライアスがそこへ飛び込む。
その瞬間…
「おいおいおい!!!」
地面はなくなり、俺たちは何故か真っ逆さまになって空から落ちていた。
ライアスも逆さまになっている。
「本当、おかしいところで適当だな、あの男は。」
俺は文句を言いながら体勢を元に戻した。
「適当でも何でもいいよ、リラを助けられるなら。」
ライアスも体勢を戻し、俺達は真下にいるリラ達の位置を確認する。
このままいけばあの大嫌いなワニの上に着地できる。
大の男が2人もこんな高さから落ちてきたら流石にあのワニも堪えるだろ。
「やる事はわかってるな?」
絶対にワニに落下しろよ。
「もちろん。僕は背骨を折るから、ルシアスは頭ね。」
このまま落ちて行くとそうなるな。
「自分の身は自分で守れ、今度はリラしか助けないからな。」
「僕もそうだから気にしないで。」
******************
sideリラ
「リラ!!後ろ!!」
必死に逃げ回っていたらルディが私を呼ぶ。
後ろを振り返ると目の前には大きな口がある。
ワニが私に飛びかかろうとしていた。
頭が真っ白になった。
どうしたらいいか分からない。
私がこんなに怯えてガチガチになっても、ワニの口は閉じて行く。
大変だ、このままだと首を噛みちぎられる。
頭が真っ白になって固まっている私の目の前にかなり重たい何かが落ちてきた。
ワニは無惨にも潰されて、目の前には私が心の底から会いたいと願った人がいた。
「ルシアス……」
ルシアスは私の頭をぐしゃぐしゃにして撫でる。
「信号銃のタイミングが完璧だった。さすが俺の妻だな。」
ジワッと滲む暖かさが胸に広がった。
「助けるタイミングも完璧です。さすが私の…………」
言っていいのかな?
「ん?」
言っていいよね、本音だもん。
「旦那様。」
ルシアスが嬉しそうに口角を上げる。
「あぁ、その通り。俺らはお似合いだな。」
「えへへ///////」
バキバキバキッ!!!!
「「「!!!?」」」
ルシアスの後ろからとんでもない音が聞こえた。
少しずれてルシアスの後ろを見ると、ライアスがぐりぐりとワニの背骨を踏んでいる。
「とりあえずは、とどめかな。」
ニコニコと笑っているけどその笑みには殺意が溢れている。
私にはわかる!
「な…なんて奴だ。」
私の隣にいたルディが青い顔をしている。
ライアスの怖い部分を見ちゃったのかな。
それはお気の毒に、ご愁傷様。
「リラ…」
ライアスが背骨からこっちにフワッと飛んでくる。
「大丈夫?怪我はない?」
ライアスが私の頬に優しく触れる。
「うん!ないよ!ライアスも助けに来てくれてありがとう!」
ライアスが優しく笑っていたから私も笑い返す。
「こら。」
ルシアスはそんな私の顔を片手で掴んでライアスの視線から外す。
「コイツにそんな顔すんな、襲われるぞ。」
襲われるって…
「そんな事しませんよ、ライアスは。」
私を本気で襲ってくるのはルシアスでしょう。
「するんだよ、コイツは野獣だからな。」
ライアスが野獣?
「まさか、何言ってるんですか。」
私が笑うとルシアスも笑った。
「そうだよ、ルシアス。毎日女の子取っ替え引っ替えしてたルシアスの方が野獣だと思うよ?」
********************
sideルディ
ライアスの一言で空気が凍った。
「は…は?おまえ、何言い出すんだよ。」
ルシアスが動揺したことによってさらに気まずい雰囲気が流れる。
「毎日……ですか?」
リラは信じられないって顔してた。
「そう、毎日。取っ替え引っ替え。何回か刺されそうになってるよね?」
ルシアスがついにライアスの胸ぐらを掴んだ。
「よくもまぁ、そんな出鱈目をペラペラと…」
「もうこの際だから話しちゃいなよ。夫婦で隠し事はよくないよ?」
リラは動揺してた。
怒っていいのか、責めていいのかわからない、そんな顔だ。
「ルディ、リラを連れてダリアのとこに行け。後は俺が何とかする。」
わかったよ、クロウさん。
骨は拾ってやるからな!
「リラ!行こう!ダリアもそろそろ怪我が治ってる頃だろうし。」
ダリアの名前を出すと、リラがハッと顔色を変える。
「そうだね!今はくだらない話をしてる場合じゃなかった!早く行こう!」
「くだらないって、おい…」
ルシアスは今まで見たことがないほどアタフタしている。
余裕しかないと思ってたけど、あんな顔もするんだな。
ちょっと面白いじゃん。
リラが俺の手を引く。
「ルディが付いてきてくれないと私吹っ飛んじゃうから!早くきて!ダリアちゃんに会いに行こう?」
リラはもうルシアスの女関係のことを気にしていない。
今、リラの頭の中は100%ダリアのことだ。
ダリアが羨ましい。
俺もそれくらいリラに思われたいよ。
男としては一生無理だろうけど、友達としてならまだ見込みはあるかな。
「クロウ!今すぐ空間魔法で飛ばせ!全員殺される!」
「無理だ、場所が確定していないと空間魔法は使えない!そのための信号銃だ!」
どうして誰も信号銃を撃たない!
「こうなったら島を一周してでも」「ルシアス!!助けて!!」
水晶から聞こえた声にすぐさま反応する。
「あそこだ!!」
リラが信号銃を撃ち、場所が確定した。
クロウが一瞬で空間を出し、俺とライアスがそこへ飛び込む。
その瞬間…
「おいおいおい!!!」
地面はなくなり、俺たちは何故か真っ逆さまになって空から落ちていた。
ライアスも逆さまになっている。
「本当、おかしいところで適当だな、あの男は。」
俺は文句を言いながら体勢を元に戻した。
「適当でも何でもいいよ、リラを助けられるなら。」
ライアスも体勢を戻し、俺達は真下にいるリラ達の位置を確認する。
このままいけばあの大嫌いなワニの上に着地できる。
大の男が2人もこんな高さから落ちてきたら流石にあのワニも堪えるだろ。
「やる事はわかってるな?」
絶対にワニに落下しろよ。
「もちろん。僕は背骨を折るから、ルシアスは頭ね。」
このまま落ちて行くとそうなるな。
「自分の身は自分で守れ、今度はリラしか助けないからな。」
「僕もそうだから気にしないで。」
******************
sideリラ
「リラ!!後ろ!!」
必死に逃げ回っていたらルディが私を呼ぶ。
後ろを振り返ると目の前には大きな口がある。
ワニが私に飛びかかろうとしていた。
頭が真っ白になった。
どうしたらいいか分からない。
私がこんなに怯えてガチガチになっても、ワニの口は閉じて行く。
大変だ、このままだと首を噛みちぎられる。
頭が真っ白になって固まっている私の目の前にかなり重たい何かが落ちてきた。
ワニは無惨にも潰されて、目の前には私が心の底から会いたいと願った人がいた。
「ルシアス……」
ルシアスは私の頭をぐしゃぐしゃにして撫でる。
「信号銃のタイミングが完璧だった。さすが俺の妻だな。」
ジワッと滲む暖かさが胸に広がった。
「助けるタイミングも完璧です。さすが私の…………」
言っていいのかな?
「ん?」
言っていいよね、本音だもん。
「旦那様。」
ルシアスが嬉しそうに口角を上げる。
「あぁ、その通り。俺らはお似合いだな。」
「えへへ///////」
バキバキバキッ!!!!
「「「!!!?」」」
ルシアスの後ろからとんでもない音が聞こえた。
少しずれてルシアスの後ろを見ると、ライアスがぐりぐりとワニの背骨を踏んでいる。
「とりあえずは、とどめかな。」
ニコニコと笑っているけどその笑みには殺意が溢れている。
私にはわかる!
「な…なんて奴だ。」
私の隣にいたルディが青い顔をしている。
ライアスの怖い部分を見ちゃったのかな。
それはお気の毒に、ご愁傷様。
「リラ…」
ライアスが背骨からこっちにフワッと飛んでくる。
「大丈夫?怪我はない?」
ライアスが私の頬に優しく触れる。
「うん!ないよ!ライアスも助けに来てくれてありがとう!」
ライアスが優しく笑っていたから私も笑い返す。
「こら。」
ルシアスはそんな私の顔を片手で掴んでライアスの視線から外す。
「コイツにそんな顔すんな、襲われるぞ。」
襲われるって…
「そんな事しませんよ、ライアスは。」
私を本気で襲ってくるのはルシアスでしょう。
「するんだよ、コイツは野獣だからな。」
ライアスが野獣?
「まさか、何言ってるんですか。」
私が笑うとルシアスも笑った。
「そうだよ、ルシアス。毎日女の子取っ替え引っ替えしてたルシアスの方が野獣だと思うよ?」
********************
sideルディ
ライアスの一言で空気が凍った。
「は…は?おまえ、何言い出すんだよ。」
ルシアスが動揺したことによってさらに気まずい雰囲気が流れる。
「毎日……ですか?」
リラは信じられないって顔してた。
「そう、毎日。取っ替え引っ替え。何回か刺されそうになってるよね?」
ルシアスがついにライアスの胸ぐらを掴んだ。
「よくもまぁ、そんな出鱈目をペラペラと…」
「もうこの際だから話しちゃいなよ。夫婦で隠し事はよくないよ?」
リラは動揺してた。
怒っていいのか、責めていいのかわからない、そんな顔だ。
「ルディ、リラを連れてダリアのとこに行け。後は俺が何とかする。」
わかったよ、クロウさん。
骨は拾ってやるからな!
「リラ!行こう!ダリアもそろそろ怪我が治ってる頃だろうし。」
ダリアの名前を出すと、リラがハッと顔色を変える。
「そうだね!今はくだらない話をしてる場合じゃなかった!早く行こう!」
「くだらないって、おい…」
ルシアスは今まで見たことがないほどアタフタしている。
余裕しかないと思ってたけど、あんな顔もするんだな。
ちょっと面白いじゃん。
リラが俺の手を引く。
「ルディが付いてきてくれないと私吹っ飛んじゃうから!早くきて!ダリアちゃんに会いに行こう?」
リラはもうルシアスの女関係のことを気にしていない。
今、リラの頭の中は100%ダリアのことだ。
ダリアが羨ましい。
俺もそれくらいリラに思われたいよ。
男としては一生無理だろうけど、友達としてならまだ見込みはあるかな。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
58
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる