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洞窟の先
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sideルシアス
「必殺!!!顔面隠し!!!」
ダリアがかなり気合の入った声でリラの顔面にシャツをかける。
俺とライアスはその気迫に驚くばかり。
「ライアス様、ルシアス様。リラちゃんに酷なことしないでください。リラちゃんは生粋のオールバックフェチなんですよ。それを知っていてこの所業はひど過ぎます。」
ダリアからいろいろなわからない単語が飛び出してくる。
「だいたい、自分の顔の良さを自覚してください。そんなに顔のよさを振り撒いているとリラちゃんの心臓がいつか爆発しちゃいますよ。」
顔がいいか...
「俺の顔はリラの好きな顔なのか?」
それなら嬉しい。
「リラちゃんだけじゃありませんよ。老若男女が好きな顔なんです。顔面に気をつけてください、次やったら王子様だからって許しませんからね。」
ダリアはそう言ってライアスの腕からリラを奪った。
「「...。」」
ダリアは全部言い切ったという顔をしているが俺たちは完全に不完全燃焼だ。
**********************
sideリラ
気絶しかけていた私をダリアちゃんが助けてくれた。
さすが友達。
みんなの前で醜態を晒さなくて済んだよ。
それよりダリアちゃん力持ち。
安定感が半端ないよ。
「全員びしょ濡れだな。」
水流騒動が収まって、クロウ先生がこの洞窟に入ってくる。
私は落ち着いて来たから顔面からシャツを取った。
「ありがとう、ダリアちゃん。もう大丈夫だよ。」
私がそう言うとダリアちゃんはとびきりの笑顔を私に見せてくれた。
「どういたしまして!」
こっちも顔がいい。
どこもかしこも顔がいい。
私心臓がもたないよ。
「これ、ルディに返してくるね!」
半裸でウロウロできないだろうから。
「燃やして捨ててもいいのにリラちゃん優しいね!」
ルディと幼馴染だよね?
一応仲いいんだよね??
「…あ、うん、返してくるよ!」
ダリアちゃんが降ろしくれたから私はすぐさまルディの元へ駆けた。
*********************
sideライアス
「ルディ!これありがとう!」
可愛い顔してルディのシャツを本人に返すリラ。
その愛らしさがたまに恐ろしくなるよ。
「しかし、俺の嫌な予感が当たるなんてな。この洞窟は明らかに人為的に作られたものだ。」
「この先にも何かありそうだ。おそらくトラップだらけだろうがな。」
「そんなところにチーム⭐︎ゴーストは連れて行けないだろう。」
「あぁ、もちろん連れて行かない。俺ら3人で入る。だから俺らは……」
僕はルシアスの話がどうでもよくて、リラを眺めていた。
「ルディ!これ着て!風邪ひくよ!」
「いや、でもリラこれびしょびしょだから脱いでた方が…」
「だめ!着るの!」
ルディに無理矢理濡れたシャツを着させるリラは可愛い。
「え!?ボタンは俺が留めるって!」
リラは律儀に、ルディに服を着せてボタンまで留めてあげている。
ルディが羨ましい。
「いいからじっとして!」
あの眺めはきっと最高だろうね。
「……て事でいいな。おい、ライアス。」
ルシアスの声で初めて自分が本気でリラに魅せられていたことに気がつく。
「何?」
リラに夢中で何一つ聞いてなかった。
「とぼけるのも大概にしろ、今から俺ら3人でこの先に行く。リラたちをさっさと陸に上げるぞ。」
あぁ、なんだ。そんなことか。
当たり前の事すぎて話し合いになっているとは思わなかったよ。
「じゃあ早く上げようか。」
大人だけでこの先に行くと知られたらリラはきっと子供扱いするなと可愛い駄々をこねるから。
気付かれないうちにサッと上げてしまおう。
*****************
sideリラ
甘かったわね。ライアス、ルシアス。
私は今ものすごく耳がいいんだよ。
全部丸聞こえ。
私たちを上に行かせようとしている。
仲間外れにはさせないからね。
「ねぇ、みんな。ちょっと作戦があるの。」
私が小声でチーム⭐︎ゴーストを招集するとみんなニヤリと笑って集まってくれる。
この悪い顔なら大丈夫。
↓小声
「みんな、やる事は分かってるね?」リ
「もちろんですとも。」ダ
「俺らを子供扱いした事を後悔させてやろう。」ル
「程々にな。」ラ
全員わかっているようで何より。
せっかく合宿に来たんだから仲間はずれなんて許さない。
私達はこっそり目配せをして四方に散った。
捕まる前にとりあえず突破する!!
私たちの目はやる気でメラメラ燃えている。
打倒、大人組!!!!
「チーム⭐︎ゴースト!!!突撃開始!!!」
私の大声に、ルシアスとライアスとクロウ先生が振り返る。
3人が油断している隙に私たち、チーム⭐︎ゴーストは強行突破のため走り出した。
「必殺!!!顔面隠し!!!」
ダリアがかなり気合の入った声でリラの顔面にシャツをかける。
俺とライアスはその気迫に驚くばかり。
「ライアス様、ルシアス様。リラちゃんに酷なことしないでください。リラちゃんは生粋のオールバックフェチなんですよ。それを知っていてこの所業はひど過ぎます。」
ダリアからいろいろなわからない単語が飛び出してくる。
「だいたい、自分の顔の良さを自覚してください。そんなに顔のよさを振り撒いているとリラちゃんの心臓がいつか爆発しちゃいますよ。」
顔がいいか...
「俺の顔はリラの好きな顔なのか?」
それなら嬉しい。
「リラちゃんだけじゃありませんよ。老若男女が好きな顔なんです。顔面に気をつけてください、次やったら王子様だからって許しませんからね。」
ダリアはそう言ってライアスの腕からリラを奪った。
「「...。」」
ダリアは全部言い切ったという顔をしているが俺たちは完全に不完全燃焼だ。
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sideリラ
気絶しかけていた私をダリアちゃんが助けてくれた。
さすが友達。
みんなの前で醜態を晒さなくて済んだよ。
それよりダリアちゃん力持ち。
安定感が半端ないよ。
「全員びしょ濡れだな。」
水流騒動が収まって、クロウ先生がこの洞窟に入ってくる。
私は落ち着いて来たから顔面からシャツを取った。
「ありがとう、ダリアちゃん。もう大丈夫だよ。」
私がそう言うとダリアちゃんはとびきりの笑顔を私に見せてくれた。
「どういたしまして!」
こっちも顔がいい。
どこもかしこも顔がいい。
私心臓がもたないよ。
「これ、ルディに返してくるね!」
半裸でウロウロできないだろうから。
「燃やして捨ててもいいのにリラちゃん優しいね!」
ルディと幼馴染だよね?
一応仲いいんだよね??
「…あ、うん、返してくるよ!」
ダリアちゃんが降ろしくれたから私はすぐさまルディの元へ駆けた。
*********************
sideライアス
「ルディ!これありがとう!」
可愛い顔してルディのシャツを本人に返すリラ。
その愛らしさがたまに恐ろしくなるよ。
「しかし、俺の嫌な予感が当たるなんてな。この洞窟は明らかに人為的に作られたものだ。」
「この先にも何かありそうだ。おそらくトラップだらけだろうがな。」
「そんなところにチーム⭐︎ゴーストは連れて行けないだろう。」
「あぁ、もちろん連れて行かない。俺ら3人で入る。だから俺らは……」
僕はルシアスの話がどうでもよくて、リラを眺めていた。
「ルディ!これ着て!風邪ひくよ!」
「いや、でもリラこれびしょびしょだから脱いでた方が…」
「だめ!着るの!」
ルディに無理矢理濡れたシャツを着させるリラは可愛い。
「え!?ボタンは俺が留めるって!」
リラは律儀に、ルディに服を着せてボタンまで留めてあげている。
ルディが羨ましい。
「いいからじっとして!」
あの眺めはきっと最高だろうね。
「……て事でいいな。おい、ライアス。」
ルシアスの声で初めて自分が本気でリラに魅せられていたことに気がつく。
「何?」
リラに夢中で何一つ聞いてなかった。
「とぼけるのも大概にしろ、今から俺ら3人でこの先に行く。リラたちをさっさと陸に上げるぞ。」
あぁ、なんだ。そんなことか。
当たり前の事すぎて話し合いになっているとは思わなかったよ。
「じゃあ早く上げようか。」
大人だけでこの先に行くと知られたらリラはきっと子供扱いするなと可愛い駄々をこねるから。
気付かれないうちにサッと上げてしまおう。
*****************
sideリラ
甘かったわね。ライアス、ルシアス。
私は今ものすごく耳がいいんだよ。
全部丸聞こえ。
私たちを上に行かせようとしている。
仲間外れにはさせないからね。
「ねぇ、みんな。ちょっと作戦があるの。」
私が小声でチーム⭐︎ゴーストを招集するとみんなニヤリと笑って集まってくれる。
この悪い顔なら大丈夫。
↓小声
「みんな、やる事は分かってるね?」リ
「もちろんですとも。」ダ
「俺らを子供扱いした事を後悔させてやろう。」ル
「程々にな。」ラ
全員わかっているようで何より。
せっかく合宿に来たんだから仲間はずれなんて許さない。
私達はこっそり目配せをして四方に散った。
捕まる前にとりあえず突破する!!
私たちの目はやる気でメラメラ燃えている。
打倒、大人組!!!!
「チーム⭐︎ゴースト!!!突撃開始!!!」
私の大声に、ルシアスとライアスとクロウ先生が振り返る。
3人が油断している隙に私たち、チーム⭐︎ゴーストは強行突破のため走り出した。
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