276 / 471
狂気
しおりを挟む
sideリラ
腰がゾクッと震える。
孕ませたい、そんな事初めて言われた。
「は…はら……/////…本気…ですか?」
目を片手で覆われているから、ルシアスがどんな顔をしているかわからない。
言葉の代わりにグッと腰を押し付けられた。
「っ///////」
ルシアスは今どんな顔をしているだろう。
そればかりが気になってルシアスの手を退けようと、私の目を覆っている手に触れたけど、ルシアスは手を退けてくれない。
「少し待て。」
ルシアスの手が熱い。
それくらい、興奮してるってこと?
「こんな欲情し切った顔なんて見せられねぇよ。」
別にいいのに。
むしろ見たいよ、その顔を。
「ルシアス…」
「待て、ちゃんと教えただろ?」
なんてずるい人、でもそこが好き。
「はい…/////」
********************
sideクロウ
リラとルシアスがどこかへ消えてから、ライアスは自分の描いた絵をずっと眺めていた。
チーム☆ゴーストの3人は絵しりとりで盛り上がってるから、放置でいいとして………
「そんなに見覚えがあるのにどこで見たのか分からないのか?」
ライアスがこんなしかめ面をするのは珍しい。
「うん………どこで見たんだろう…。」
普段でもルシアスと顔がよく似ていると思うが、眉間に皺を寄せたらまるで双子だな。
「何笑ってるの?」
バレたか。
「いや、ルシアスと本当に兄弟なんだと思ってな。」
互いに噛みつきあってはいるが本当に顔はよく似てる。
「お前もソイツの兄弟になってみろよ、人生絶望しかないぞ。」
ルシアスが帰ってきた。
それより気になるのはリラがルシアスの腕の中で眠っていることだ。
そして何より、急に消えて急に現れるのか。
「僕の出来がよすぎるからね。劣等感ばかりの男は情けないよ。」
ライアスは絵を見たままルシアスに答えた。
「その劣等感まみれの男に惚れた女を奪われたんじゃ世話ねぇな。」
どうして互いに凶器しか向けられないんだ、こいつら。
「奪うも何も」
ライアスが視線をルシアスに移した。
眠っているリラを見てルシアスが岩に絵を置く。
「リラ。」
血相を変えるとはこのことだ。
「そんな怖い顔すんなよ、リラは眠ってるだけだ。」
「ルシアスが起こすまで…そうでしょう?」
ルシアスが起こすまで?
「どう言う事だ?」
ただ寝てるだけじゃないのか?
「リラに暗示がかけられてる。」
暗示?
「なんだ、それは。」
催眠術か何かか?
「純血のヴァンパイアに備わっている血の縛りの事だよ。血を与えた相手を服従させることができる。」
純血ならなんでもありか。
「じゃあさっさと解いてもらわないとな?」
ルシアスに向かって言えば、なんとも魔王のような顔をしてる。
「考え中だ。」
解く気はないと顔に書いてあるな。
「じゃあ、考えが変わるように言い方を変えようか。」
ライアスは人形のような笑顔を引っ提げてルシアスに近づく。
そしていつにもなく珍しい行動をとった。
「リラを起こせ、殺すぞ。」
ルシアスの胸ぐらを掴み、聞いたことのない一言を放つ。
絵しりとりで騒いでいた3人がピタリと止まるような冷たい空気が流れた。
「いつになく本気だな、ライアス。」
ルシアスはもう慣れているのか?
ライアスは本気で怒っているように見えるが?
「リラのことで手を抜いた事はないよ。」
「あぁ、知ってる。それがいつも気に食わない。」
ルシアスが掴み返した瞬間、最悪な兄弟喧嘩が始まるに違いない。
リラを腕に抱いているのは不幸中の幸いだ。
「お前らやめろ、それからリラには起きていてもらわないと困る。」
俺が間に割って入るとライアスがパッとルシアスから手を離す。
「お前だってそうだろう、ルシアス。」
何がお前をそう駆り立てたのかは知らないがかなりらしくないことをしているぞ。
「そうか?眠っていれば俺の元から離れる事はない、これはこれで可愛いだろう?」
本当にこいつはルシアスなのか?
「ルシアス…ん?お前ここどうしたんだ?」
ルシアスの腕に変な穴が二つある。
ヴァンパイアなのに怪我が治っていないなんて、そんな珍しいことあるのか?
「クロウ、少し離れてて。」
ライアスが俺の肩をポンポンと叩く。
何か考えがあるようだから言う通りにするが……
「リラを傷つけるんじゃないぞ。」
お前たちの喧嘩に巻き込まれる程不憫な事はない。
「当たり前なこと言わないで。」
ライアスはそう言って再びルシアスの近くへ行く。
「手間をかけさせないでほしいね。本当に、いつまで経っても手がかかる。」
ライアスはそう言うと、ありえない速さでリラを奪い俺にリラを投げる。
咄嗟に反応した俺だったが…
「クロウさん邪魔!!!!」
後ろから猛突進してきたダリアによってリラを奪われた。
ダリアはすぐさまリラを抱いたまま少し離れる。
そんなダリアたちの前にルディとラルフが立ち攻撃に備えていた。
「これでよし。」
ライアスはいつもの作り笑いを引っ提げてどこからかナイフを取り出した。
「ライアス、何を…」
言い終わる前に俺の顔に血飛沫が飛ぶ。
「「「「!!!?」」」」
何を血迷ったかは知らないが、ライアスがルシアスの右の腹から左の肩までをざっくりと切り上げていた。
腰がゾクッと震える。
孕ませたい、そんな事初めて言われた。
「は…はら……/////…本気…ですか?」
目を片手で覆われているから、ルシアスがどんな顔をしているかわからない。
言葉の代わりにグッと腰を押し付けられた。
「っ///////」
ルシアスは今どんな顔をしているだろう。
そればかりが気になってルシアスの手を退けようと、私の目を覆っている手に触れたけど、ルシアスは手を退けてくれない。
「少し待て。」
ルシアスの手が熱い。
それくらい、興奮してるってこと?
「こんな欲情し切った顔なんて見せられねぇよ。」
別にいいのに。
むしろ見たいよ、その顔を。
「ルシアス…」
「待て、ちゃんと教えただろ?」
なんてずるい人、でもそこが好き。
「はい…/////」
********************
sideクロウ
リラとルシアスがどこかへ消えてから、ライアスは自分の描いた絵をずっと眺めていた。
チーム☆ゴーストの3人は絵しりとりで盛り上がってるから、放置でいいとして………
「そんなに見覚えがあるのにどこで見たのか分からないのか?」
ライアスがこんなしかめ面をするのは珍しい。
「うん………どこで見たんだろう…。」
普段でもルシアスと顔がよく似ていると思うが、眉間に皺を寄せたらまるで双子だな。
「何笑ってるの?」
バレたか。
「いや、ルシアスと本当に兄弟なんだと思ってな。」
互いに噛みつきあってはいるが本当に顔はよく似てる。
「お前もソイツの兄弟になってみろよ、人生絶望しかないぞ。」
ルシアスが帰ってきた。
それより気になるのはリラがルシアスの腕の中で眠っていることだ。
そして何より、急に消えて急に現れるのか。
「僕の出来がよすぎるからね。劣等感ばかりの男は情けないよ。」
ライアスは絵を見たままルシアスに答えた。
「その劣等感まみれの男に惚れた女を奪われたんじゃ世話ねぇな。」
どうして互いに凶器しか向けられないんだ、こいつら。
「奪うも何も」
ライアスが視線をルシアスに移した。
眠っているリラを見てルシアスが岩に絵を置く。
「リラ。」
血相を変えるとはこのことだ。
「そんな怖い顔すんなよ、リラは眠ってるだけだ。」
「ルシアスが起こすまで…そうでしょう?」
ルシアスが起こすまで?
「どう言う事だ?」
ただ寝てるだけじゃないのか?
「リラに暗示がかけられてる。」
暗示?
「なんだ、それは。」
催眠術か何かか?
「純血のヴァンパイアに備わっている血の縛りの事だよ。血を与えた相手を服従させることができる。」
純血ならなんでもありか。
「じゃあさっさと解いてもらわないとな?」
ルシアスに向かって言えば、なんとも魔王のような顔をしてる。
「考え中だ。」
解く気はないと顔に書いてあるな。
「じゃあ、考えが変わるように言い方を変えようか。」
ライアスは人形のような笑顔を引っ提げてルシアスに近づく。
そしていつにもなく珍しい行動をとった。
「リラを起こせ、殺すぞ。」
ルシアスの胸ぐらを掴み、聞いたことのない一言を放つ。
絵しりとりで騒いでいた3人がピタリと止まるような冷たい空気が流れた。
「いつになく本気だな、ライアス。」
ルシアスはもう慣れているのか?
ライアスは本気で怒っているように見えるが?
「リラのことで手を抜いた事はないよ。」
「あぁ、知ってる。それがいつも気に食わない。」
ルシアスが掴み返した瞬間、最悪な兄弟喧嘩が始まるに違いない。
リラを腕に抱いているのは不幸中の幸いだ。
「お前らやめろ、それからリラには起きていてもらわないと困る。」
俺が間に割って入るとライアスがパッとルシアスから手を離す。
「お前だってそうだろう、ルシアス。」
何がお前をそう駆り立てたのかは知らないがかなりらしくないことをしているぞ。
「そうか?眠っていれば俺の元から離れる事はない、これはこれで可愛いだろう?」
本当にこいつはルシアスなのか?
「ルシアス…ん?お前ここどうしたんだ?」
ルシアスの腕に変な穴が二つある。
ヴァンパイアなのに怪我が治っていないなんて、そんな珍しいことあるのか?
「クロウ、少し離れてて。」
ライアスが俺の肩をポンポンと叩く。
何か考えがあるようだから言う通りにするが……
「リラを傷つけるんじゃないぞ。」
お前たちの喧嘩に巻き込まれる程不憫な事はない。
「当たり前なこと言わないで。」
ライアスはそう言って再びルシアスの近くへ行く。
「手間をかけさせないでほしいね。本当に、いつまで経っても手がかかる。」
ライアスはそう言うと、ありえない速さでリラを奪い俺にリラを投げる。
咄嗟に反応した俺だったが…
「クロウさん邪魔!!!!」
後ろから猛突進してきたダリアによってリラを奪われた。
ダリアはすぐさまリラを抱いたまま少し離れる。
そんなダリアたちの前にルディとラルフが立ち攻撃に備えていた。
「これでよし。」
ライアスはいつもの作り笑いを引っ提げてどこからかナイフを取り出した。
「ライアス、何を…」
言い終わる前に俺の顔に血飛沫が飛ぶ。
「「「「!!!?」」」」
何を血迷ったかは知らないが、ライアスがルシアスの右の腹から左の肩までをざっくりと切り上げていた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
58
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる