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4等分
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sideリラ
「いいよ、リラ。座って見てて。」
ルディ顔にたくさん血がついていた。
私がそれを手で拭き取るとルディの尻尾が少し揺れる。
「ダメ、一緒にしよ?」
背負わせないよ、これ以上。
私だって背負うから。
私のために殺したなんて言わせない。
「でも…」
「それにね、ルディ。私がこれから歩く道はきっとコレを避けては通れない。」
いつか必ず誰かの命を奪わないといけない。
初めて奪う命が私の嫌う人ならまだマシ。
「練習しようと思うの。…だから一緒にコイツを殺そうよ。」
ルディの眉が少し下がる。
「別に、リラがわざわざしなくても俺とかルシアスとかが代わりにやるよ。」
それじゃあダメなんだよ、ルディ。
「ダメ。」
この一言で分かるよね。
ルディは賢いもんね。
「…………。」
黙り込んじゃった。
「っ!!!」
そんな私たちの隙をついてアルテが私の腕を掴んだ。
腕を折られる前に、さっきルディが砕いたアルテの鼻を掴むと…
「あ゛ぁ゛っ!!!!」
アルテは相当痛かったらしくのたうち回る。
そんなアルテをダリアちゃんとラルフが押さえ込んだ。
二人に抑え込まれ、首輪をつけられたアルテはもう動けない。
そしてこの4人の中で手が空いているのは私だけ。
これはもう、私の仕事だ。
「わかったよ、リラ。一番美味しいとこあげる。方法はなんでもいいよ。だけど、覚えておいて。」
ルディは決心がついたらしく私の目をまっすぐに見つめた。
「これは4等分だ。俺もラルフもダリアもコイツの薄っぺらい命を奪うのに手を貸した。リラだけが奪った命じゃない。それだけは絶対に忘れないで。」
もちろん忘れないよ。
「チーム☆ゴーストだもん、忘れたりしないよ。殺すときはみんな一緒だよ。」
私だけじゃ背負えないから4等分ね。
それならまだ気が楽だ。
不思議と落ち着いていた。
怖かったり、気持ち悪かったりしない。
ただの無だった。
私はアルテの背に周り、アルテの左肩に自分の左手をそっと置いた。
きっと私が今から言う言葉がアルテの聞く最後の言葉になる。
私はアルテの耳に顔を寄せた。
「私の大切な人たちの命を奪おうとした愚か者には罰を与えるわ。」
あんたがさっき私たちに罰を与えたように、私だって最大の罰を与える。
死の制裁をね。
グチュッ!!!
「う゛っ!!!」
アルテの背に手を突っ込んだ。
誰かの肌の中に手を入れるのは初めて。
嫌なくらい暖かかった。
ゆっくり、ゆっくり進んでいって背骨を手の甲で撫でる。
きっとこの辺りにあるはず。
「ゔっ!!ゴホッ!!おぇっ…!!!」
あれ??見つからないなぁ…
「ごめんね?私、初めてだから場所がよく分からないの。」
もう少し探させてね。
私がアルテの背の中を弄るとアルテは暴れ始めた。
だけどそんなことを他のメンバーが許す由もなくアルテを押さえつける。
「ここかなぁ?」
ぐちゃっと肌が裂けて血が噴き出す。
私たちチーム☆ゴーストはみんな血塗れだ。
それより心臓はどこだろう。
「それともこっち?」
少し左側に手を動かした。
すると……
「あ!あった!」
どくん、どくん、と弾む塊。
それをギュッと掴むと、アルテは無言で震え始めた。
そうだよ、アルテ。
物分かりがよくて助かった。
あんたはこれから死ぬの。
私たちの手によって殺される。
随分と気分が悪いでしょう?
こんな子供4人の手にかかって死ぬなんて。
「みんな、お別れの言葉を言ってあげて?」
どんな言葉が聞けるか楽しみだ。
「じゃあ俺から。地獄で腐ってろカス野郎。」
ラルフはなんとも素晴らしいことを言った。
「ちなみに死体はその辺で腐らせるからな、カス野郎。」
ルディももちろん合格。
「中身と同じように外見も腐ればバランスがとれるからいいじゃない。おめでとう、アルテ。」
さすがダリアちゃん、お手本級だね。
みんな言いたいことは言ったみたいだから最後は私の番だ。
「相手が悪かったのよ、さよなら。お馬鹿さん。」
アルテの耳元で囁いた瞬間、私はアルテの心臓を引き抜いた。
血管がちぎれる感覚はなんとも言えない。
ただ一つ残ったものは意外な感情だった。
「あぁ…スッキリした。」
これでようやく仕返しができた。
私の大切な人を馬鹿にして傷つけて怪我させたんだから当然の報いよ。
まさかこんなに爽快とは思わなかったけどね。
「本当ね!もうめっちゃスッキリ!ほら、こんな奴さっさと置いてルシアスさまたちのとこ戻ろうよ。」
ダリアちゃんの意見に大賛成だけど………
「コレ持っていかない?」
死体だからもう役には立たないけど…
「かなりインパクトあるから王様びっくりすると思うよ?」
私がそう言うとラルフが声を上げて笑う。
「さすがだ、リラ。考えることが違う。今日はとことん意地悪してやろうぜ。」
ラルフのその悪い顔には負けちゃうけどね。
「じゃあルディに運ばせよ!」
ダリアちゃんは血まみれの顔で可愛く笑った。
「そうだな。お手をどうぞ、勝利のエスコートだ。」
嬉しそうにラルフの手を取ったダリアちゃん。
そんなダリアちゃんを見ているとルディが隣に来た。
「それじゃあこっちの可愛いレディは俺がエスコートだな。」
ルディはアルテの首を縛っている鎖を片手に持ち、空いている方の手を私に差し出した。
「よろしくお願いします。」
「いいよ、リラ。座って見てて。」
ルディ顔にたくさん血がついていた。
私がそれを手で拭き取るとルディの尻尾が少し揺れる。
「ダメ、一緒にしよ?」
背負わせないよ、これ以上。
私だって背負うから。
私のために殺したなんて言わせない。
「でも…」
「それにね、ルディ。私がこれから歩く道はきっとコレを避けては通れない。」
いつか必ず誰かの命を奪わないといけない。
初めて奪う命が私の嫌う人ならまだマシ。
「練習しようと思うの。…だから一緒にコイツを殺そうよ。」
ルディの眉が少し下がる。
「別に、リラがわざわざしなくても俺とかルシアスとかが代わりにやるよ。」
それじゃあダメなんだよ、ルディ。
「ダメ。」
この一言で分かるよね。
ルディは賢いもんね。
「…………。」
黙り込んじゃった。
「っ!!!」
そんな私たちの隙をついてアルテが私の腕を掴んだ。
腕を折られる前に、さっきルディが砕いたアルテの鼻を掴むと…
「あ゛ぁ゛っ!!!!」
アルテは相当痛かったらしくのたうち回る。
そんなアルテをダリアちゃんとラルフが押さえ込んだ。
二人に抑え込まれ、首輪をつけられたアルテはもう動けない。
そしてこの4人の中で手が空いているのは私だけ。
これはもう、私の仕事だ。
「わかったよ、リラ。一番美味しいとこあげる。方法はなんでもいいよ。だけど、覚えておいて。」
ルディは決心がついたらしく私の目をまっすぐに見つめた。
「これは4等分だ。俺もラルフもダリアもコイツの薄っぺらい命を奪うのに手を貸した。リラだけが奪った命じゃない。それだけは絶対に忘れないで。」
もちろん忘れないよ。
「チーム☆ゴーストだもん、忘れたりしないよ。殺すときはみんな一緒だよ。」
私だけじゃ背負えないから4等分ね。
それならまだ気が楽だ。
不思議と落ち着いていた。
怖かったり、気持ち悪かったりしない。
ただの無だった。
私はアルテの背に周り、アルテの左肩に自分の左手をそっと置いた。
きっと私が今から言う言葉がアルテの聞く最後の言葉になる。
私はアルテの耳に顔を寄せた。
「私の大切な人たちの命を奪おうとした愚か者には罰を与えるわ。」
あんたがさっき私たちに罰を与えたように、私だって最大の罰を与える。
死の制裁をね。
グチュッ!!!
「う゛っ!!!」
アルテの背に手を突っ込んだ。
誰かの肌の中に手を入れるのは初めて。
嫌なくらい暖かかった。
ゆっくり、ゆっくり進んでいって背骨を手の甲で撫でる。
きっとこの辺りにあるはず。
「ゔっ!!ゴホッ!!おぇっ…!!!」
あれ??見つからないなぁ…
「ごめんね?私、初めてだから場所がよく分からないの。」
もう少し探させてね。
私がアルテの背の中を弄るとアルテは暴れ始めた。
だけどそんなことを他のメンバーが許す由もなくアルテを押さえつける。
「ここかなぁ?」
ぐちゃっと肌が裂けて血が噴き出す。
私たちチーム☆ゴーストはみんな血塗れだ。
それより心臓はどこだろう。
「それともこっち?」
少し左側に手を動かした。
すると……
「あ!あった!」
どくん、どくん、と弾む塊。
それをギュッと掴むと、アルテは無言で震え始めた。
そうだよ、アルテ。
物分かりがよくて助かった。
あんたはこれから死ぬの。
私たちの手によって殺される。
随分と気分が悪いでしょう?
こんな子供4人の手にかかって死ぬなんて。
「みんな、お別れの言葉を言ってあげて?」
どんな言葉が聞けるか楽しみだ。
「じゃあ俺から。地獄で腐ってろカス野郎。」
ラルフはなんとも素晴らしいことを言った。
「ちなみに死体はその辺で腐らせるからな、カス野郎。」
ルディももちろん合格。
「中身と同じように外見も腐ればバランスがとれるからいいじゃない。おめでとう、アルテ。」
さすがダリアちゃん、お手本級だね。
みんな言いたいことは言ったみたいだから最後は私の番だ。
「相手が悪かったのよ、さよなら。お馬鹿さん。」
アルテの耳元で囁いた瞬間、私はアルテの心臓を引き抜いた。
血管がちぎれる感覚はなんとも言えない。
ただ一つ残ったものは意外な感情だった。
「あぁ…スッキリした。」
これでようやく仕返しができた。
私の大切な人を馬鹿にして傷つけて怪我させたんだから当然の報いよ。
まさかこんなに爽快とは思わなかったけどね。
「本当ね!もうめっちゃスッキリ!ほら、こんな奴さっさと置いてルシアスさまたちのとこ戻ろうよ。」
ダリアちゃんの意見に大賛成だけど………
「コレ持っていかない?」
死体だからもう役には立たないけど…
「かなりインパクトあるから王様びっくりすると思うよ?」
私がそう言うとラルフが声を上げて笑う。
「さすがだ、リラ。考えることが違う。今日はとことん意地悪してやろうぜ。」
ラルフのその悪い顔には負けちゃうけどね。
「じゃあルディに運ばせよ!」
ダリアちゃんは血まみれの顔で可愛く笑った。
「そうだな。お手をどうぞ、勝利のエスコートだ。」
嬉しそうにラルフの手を取ったダリアちゃん。
そんなダリアちゃんを見ているとルディが隣に来た。
「それじゃあこっちの可愛いレディは俺がエスコートだな。」
ルディはアルテの首を縛っている鎖を片手に持ち、空いている方の手を私に差し出した。
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