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空白の時間
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sideリラ
私は気がつくと……
「おい、起きろ。」
「ん…え!?」
ルシアスの部屋にいた。
「ルシアス???」
あれ??
なに??
あれ???
私…ライアスといたはずなのに。
「ライアスは??あれ??あれ??」
私は訳がわからず辺りを見回した。
「ライアス??」
ルシアスは辺りを見回した。
「まだ寝ぼけてんのか?」
寝ぼけているわけじゃない。
「ルシアス…え?」
私はライアスといたはずだけど……
あれ??
私、ライアスと何してたっけ??
「そもそも、ライアスとほぼ会ってねぇだろ。」
え??
いやいや、会ってたのは会ってたはずなんだけど…
「アイツは俺を吊るした後、ずっと部屋にいたらしいからな。正直、手を出されたんじゃないかと心配していた。」
ルシアスは安心したように笑って私の頬に触れた。
「ライアスがそんなことするはずありません。」
するはずはないけど何か腑に落ちない。
「そこまでアイツを信用しているのがすごい。俺は無理だ。本当に何もされてないか?」
ルシアスがベッドに座り、私の額にコツンと自身の額をつける。
「…はい、本当に大丈夫です。」
私が笑顔で答えるとルシアスは安心しているようだった。
「じゃあこのまま寝ちまうか?」
正直まだ眠いのはある。
「はい。」
私が答えると、ルシアスが私の隣に寝転んだ。
「向こう向け。」
え??顔見ていたいのに??
腕枕もなし???
私は少しムッとしながらルシアスに背中を向けた。
その瞬間…
「ひゃっ//////」
ルシアスが私を抱き寄せて、私の背に頭をつける。
いつもはこんなことしないのにどうしたんだろう。
「ルシアス?」
何か嫌なことがあったのかな?
「今日は、悪かった。……いきなり噛みついたりして。」
え??謝ってるの!?
私に!?
「ルシアス、顔を」
「こっち見るな。」
どんな可愛い顔をしているのかと思い振り返ろうとしたらルシアスにそれを止められた。
「な、なんで!」
「いいから、そのまま寝ろ。」
ルシアスは私を痛いくらい強く抱きしめる。
「ルシアス…痛いです。」
「………悪い。」
ルシアスは本当にどうしたの?
可愛い、ほんとに可愛い。
たまに子供みたいな面があると思っていたけど、こんなにシュンとしているなんて。
呑気な私は失った記憶のことなど気にも留めず、背に縋り付くルシアスに愛しさを感じていた。
今この瞬間が幸せだった私は、誰に何をされたのか探ろうともしない。
本能では分かっていたのかも。
超えてはいけない一線を超えてしまった、恐怖を。
*******************
sideライアス
この様子を見るに、うまくいったみたいだね。
誰かの記憶をいじるのは久しぶりだったから少し不安だった。
いや、期待したのかもしれない。
ほんの少しでも覚えていたら…なんて。
「どうやらこれが全容です。結局、300年間あの魔女を殺す方法が分かっていない……
かつてどんな女だったかというのがわかっただけで収穫はなしです。」
リラの話をなんとなく聞いていた僕。
要は殺す方法が見つからない、それだけのこと。
最初から分かっていたことだし、僕は大して絶望はしないかな。
「あの老ぼれのことだから探し方が悪いんだろう。必ず俺たちの代であの邪悪な魔女を殺す。やることは変わっていない。」
ルシアスも僕と同じような意見だった。
「明日から徹底的にあの魔女の手がかりを探す。多少強引な手を取っても構わない、王様が金でなんとかする。」
ルシアスの言葉に全員が僕の方を見た。
結局、何かあっても僕が責任を取らされるわけだ。
まぁいいけど。
文句を言う輩は消せばいい。
「異論はないよ、好きにやって。個人行動も許可すよ。ただし、リラとルディは別。必ず誰かと一緒にいること。
おかしな事があれば誰でもいいから言う事。
約束できる?」
僕がそう言うとリラは笑顔で頷いた。
「リラはともかく俺も??」
ルディは守られることに慣れてないね。
「当たり前だよ。自覚はないかもしれないけど、その皮膚の下には禁断の果実の力が流れているんだから。」
いくらルディが実力者でも1人にはできない。
「はいはい、王様。」
不服そうだけど、ルディは了承した。
とりあえず、今日はもう話し合うことはないかな。
「ひとまず、明日からみんなよろしく頼むよ。僕は動けない事が多いから任せきりなるけど、何かあれば頼って欲しい。
できる限り力になる。
じゃあ今日は解散。」
話が終わると、それぞれが固まり話をしている。
ルシアスはクロウと話していた。
そんなルシアスの目を盗んで、リラが僕のそばに来る。
リラは僕を見上げ、こっそりと僕の服の裾を引っ張り部屋を出た。
僕に何か話があるみたい。
こんな、ルシアスに気づかれないように僕を呼び出すなんて。
本当に間男になった気分だ。
私は気がつくと……
「おい、起きろ。」
「ん…え!?」
ルシアスの部屋にいた。
「ルシアス???」
あれ??
なに??
あれ???
私…ライアスといたはずなのに。
「ライアスは??あれ??あれ??」
私は訳がわからず辺りを見回した。
「ライアス??」
ルシアスは辺りを見回した。
「まだ寝ぼけてんのか?」
寝ぼけているわけじゃない。
「ルシアス…え?」
私はライアスといたはずだけど……
あれ??
私、ライアスと何してたっけ??
「そもそも、ライアスとほぼ会ってねぇだろ。」
え??
いやいや、会ってたのは会ってたはずなんだけど…
「アイツは俺を吊るした後、ずっと部屋にいたらしいからな。正直、手を出されたんじゃないかと心配していた。」
ルシアスは安心したように笑って私の頬に触れた。
「ライアスがそんなことするはずありません。」
するはずはないけど何か腑に落ちない。
「そこまでアイツを信用しているのがすごい。俺は無理だ。本当に何もされてないか?」
ルシアスがベッドに座り、私の額にコツンと自身の額をつける。
「…はい、本当に大丈夫です。」
私が笑顔で答えるとルシアスは安心しているようだった。
「じゃあこのまま寝ちまうか?」
正直まだ眠いのはある。
「はい。」
私が答えると、ルシアスが私の隣に寝転んだ。
「向こう向け。」
え??顔見ていたいのに??
腕枕もなし???
私は少しムッとしながらルシアスに背中を向けた。
その瞬間…
「ひゃっ//////」
ルシアスが私を抱き寄せて、私の背に頭をつける。
いつもはこんなことしないのにどうしたんだろう。
「ルシアス?」
何か嫌なことがあったのかな?
「今日は、悪かった。……いきなり噛みついたりして。」
え??謝ってるの!?
私に!?
「ルシアス、顔を」
「こっち見るな。」
どんな可愛い顔をしているのかと思い振り返ろうとしたらルシアスにそれを止められた。
「な、なんで!」
「いいから、そのまま寝ろ。」
ルシアスは私を痛いくらい強く抱きしめる。
「ルシアス…痛いです。」
「………悪い。」
ルシアスは本当にどうしたの?
可愛い、ほんとに可愛い。
たまに子供みたいな面があると思っていたけど、こんなにシュンとしているなんて。
呑気な私は失った記憶のことなど気にも留めず、背に縋り付くルシアスに愛しさを感じていた。
今この瞬間が幸せだった私は、誰に何をされたのか探ろうともしない。
本能では分かっていたのかも。
超えてはいけない一線を超えてしまった、恐怖を。
*******************
sideライアス
この様子を見るに、うまくいったみたいだね。
誰かの記憶をいじるのは久しぶりだったから少し不安だった。
いや、期待したのかもしれない。
ほんの少しでも覚えていたら…なんて。
「どうやらこれが全容です。結局、300年間あの魔女を殺す方法が分かっていない……
かつてどんな女だったかというのがわかっただけで収穫はなしです。」
リラの話をなんとなく聞いていた僕。
要は殺す方法が見つからない、それだけのこと。
最初から分かっていたことだし、僕は大して絶望はしないかな。
「あの老ぼれのことだから探し方が悪いんだろう。必ず俺たちの代であの邪悪な魔女を殺す。やることは変わっていない。」
ルシアスも僕と同じような意見だった。
「明日から徹底的にあの魔女の手がかりを探す。多少強引な手を取っても構わない、王様が金でなんとかする。」
ルシアスの言葉に全員が僕の方を見た。
結局、何かあっても僕が責任を取らされるわけだ。
まぁいいけど。
文句を言う輩は消せばいい。
「異論はないよ、好きにやって。個人行動も許可すよ。ただし、リラとルディは別。必ず誰かと一緒にいること。
おかしな事があれば誰でもいいから言う事。
約束できる?」
僕がそう言うとリラは笑顔で頷いた。
「リラはともかく俺も??」
ルディは守られることに慣れてないね。
「当たり前だよ。自覚はないかもしれないけど、その皮膚の下には禁断の果実の力が流れているんだから。」
いくらルディが実力者でも1人にはできない。
「はいはい、王様。」
不服そうだけど、ルディは了承した。
とりあえず、今日はもう話し合うことはないかな。
「ひとまず、明日からみんなよろしく頼むよ。僕は動けない事が多いから任せきりなるけど、何かあれば頼って欲しい。
できる限り力になる。
じゃあ今日は解散。」
話が終わると、それぞれが固まり話をしている。
ルシアスはクロウと話していた。
そんなルシアスの目を盗んで、リラが僕のそばに来る。
リラは僕を見上げ、こっそりと僕の服の裾を引っ張り部屋を出た。
僕に何か話があるみたい。
こんな、ルシアスに気づかれないように僕を呼び出すなんて。
本当に間男になった気分だ。
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