生贄少女とヴァンパイア

秋ノ桜

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唐突な計画

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sideルディ


現在、朝の5時。


俺たちは全員叩き起こされ、ライアスの部屋に集まっていた。



眠い、ひたすらに眠い。



そんなことはさておき…



「リラとルーカスは?」


まだ寝てんのか?


「リラとルーカスは既にこの城にいない。」


衝撃すぎるルシアスの言動に眠気が遥か彼方へ飛んで行った。



「「はぁ!!?」」



俺とダリアはすかさずハモる。



「はぁ!?何で!?」

「どういう事ですか!?まさか誘拐!?」

「いや、誘拐されたゴリラはお前な。」

「あぁ、確かに。ありがとう、駄犬。」



俺とダリアって本当にテンポいいよな、仲悪いけど。



「朝から物騒だな。まぁいい、この際言うが、リラの中にイカれた魔女が入ってる。
で、それを引き剥がそうと昨夜一悶着あって、今リラは、ルーカスと喋る木と一緒にいる。」



待て、全てに追いつけてない。


そもそも…



「喋る木?」


ルシアス、実はまだ寝てんじゃね??



「正確に言うと、300年前にあの死の森を支配していた王だよ。
タランテラに呪いをかけられて木の姿にされてる。
それで、その呪いを解くのを条件に、リラと魔女の引き剥がしと魔女狩りを手伝ってもらうことになったんだ。」



ライアスの的確な説明で全て理解した俺。



だけど…


「別に引き剥がしてくれれば俺らであの魔女倒せるんじゃねぇの?」



そう思う俺は自信過剰?


「規格外の魔女との戦闘だからね、戦力は1人でも多い方がいい。それと、実は木の呪いを解けないと僕殺されちゃうんだよね。」


「は!?」



大声を上げたのはルルドだった。


「ライアス様!どういう事ですか!」

「僕、あの森でたくさん人を殺したから怒らせちゃったみたいで。
本当は僕の命と引き換えにリラを助けてもらってあの魔女も殺す算段だったんだけど、ルシアスが止めに入ってね。
それで今回の作戦に切り替わったんだ。」


ルルドはもう目が回りそうって感じだった。


「あり得ない選択です、ライアス様。」

「そう怒らないで、お説教ならリラに十分されたよ。」


え、リラに説教…?


それちょっと羨ましいな。



「おい、顔が終わってるぞ。」


俺のパーフェクトな顔を見てラルフが文句をつける。


「失礼な奴だな、お前絶対モテねぇだろ!モテたとしてもどこぞのゴリラくらい」

「で?どうしてルーカスとリラがそんな危険な男と一緒に?」


「俺の話聞けよ!!」



完全にスルーしやがった!!



「万が一、リラの中のイカれ女が出てきた時に対処できるように。
妨害されても困るからな。
でも1人じゃ置いておけないから魔法が使えて、話しやすくて賢い奴を置いてきた。」



それがルーカスか。


俺じゃないのが不思議だ。



「と、言う訳で今回はかなり頑張ってくれよ、クロウ先生。」



クロウさんは盛大にため息をついた。



「あのな、話を聞いていたら最悪だぞ。得体の知れない呪いの解き方なんて数日で見つかるものじゃない。
下手したら数百年かかる。」



「あぁ、実際に300年間呪いの解き方は解明されてない。」



クロウ先生は次は眉間を押さえた。



「頭が痛くなる、まだルディの子守をしている方がマシだ。」



え?子守??


俺、今まで子守されてたの??



「すごいね、僕なら死んでもごめんだよ。」



よし、ライアスもそのうち殺そう。


俺は心に強く誓った。



「まぁ、子守の話は置いといて、呪いを解く目星はあるんですか?
さすがに闇雲に探すだけじゃ何も見つからないと思いますけど。」



キジャがど正論をかました。


「とりあえず、この城の禁書を探す。もちろん、300年以上前のな。
今はそれくらいだ。」



ルシアスは普通に言ってるけど、ほぼ手がかりはなしってわけか。



さすが俺ら。


こう言うことが多すぎ。



「かなり大変な作業になるけど頑張ろうね。眠くなったり疲れたりした時は遠慮せずに言ってね。
僕がしばき上げてシャキッとさせてあげるから。」


訳:休憩なんてあると思うな、愚民ども


なるほど、ライアスはヤバい王様決定だな!



「それじゃあ、皆さんご移動願うよ。」



なるほど、なるほど、さらにわかったことが一つ。



ライアスは鬼だ。
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