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捕らえられた体
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sideリラ
「っ!!!!!」
私をなじっていた魔女が不意に息を呑んだ。
「………」
目を見開き、心底驚いているように見える。
どうしてかは知らないけど、これってチャンスなんじゃない?
「くらえ!!!」
バキッ!!!
私は思い切り魔女を殴った。
さっきと同様、魔女は怒り狂うと思っていたけど…
「っ……」
ただひたすら顔を真っ青にして固まっている。
何?何が起きてるの?
「おのれ……穢らわしい!!!!」
それは私に向けられた言葉ではない。
一体外では何が起きてるの?
**********************
sideルディ
クロウさんが魔女を死んだ魚のように棒で突く。
「一発しばいてみたら?」
俺が提案すると全員が押し黙る。
「お前、意外と容赦がないな。」
ルシアスに言われたらおしまい。
「いや、だってリラを今苦しめてる女だよ?別に優しくする必要なくない?」
俺は1秒でも早くリラを助けたい。
「それもそうだな…とりあえず、やってみるか。」
クロウさんは意を決して魔女を棒でしばく。
さっき躊躇っていた割には結構強めに叩いてるけど??
「…………」
何も起きない。
息をするわけでも、動くわけでもない。
「次は俺が。」
クロウさんからキジャが棒を取る。
「足首いってみましょーか。」
そんな事を言ってキジャは魔女の足首に棒を振り下ろした。
バキッ!!!
骨が折れる音がする。
断言するけど相当痛いはず。
それなのに魔女は変わらずピクリともしない。
「…………。」
痛みを感じてないのか…?
リラの中にいるあの魔女が今どんな状況か見てみたいけど、ライアス死にかけてるし無理だよな。
何か他に状況を知る手立てはないのか…。
*******************
sideリラ
「ギャアアァァァァァ!!!!!」
「ひっ!」
黙っていると思えば魔女はいきなり叫び出した。
「な、なに…」
よく見ると、魔女の足首が折れている。
私、足には攻撃してないのに。
「誰がこんなこと…!!殺してやる!!!」
魔女の足は痛々しい。
肌は紫色に変色して、足首がおかしな方向に曲がっている。
とりあえず今しかない。
悪いけど、ボコボコにさせてもらう。
もうこの人を気絶させるしか私に勝つ道はない!
*********************
sideルディ
「あ゛!!!」
水晶に写っている事に夢中になりすぎて俺はとんでもない失敗を冒した。
リラから目を離していた。
「なんだ、いきなり大声出して。」
ルシアスは少し驚いたように俺に言う。
「リラの手が!」
リラの右手の関節や指が内出血し始めた。
「怪我してる!どうしよう!!」
俺が必死に伝えたらルシアスも焦ってリラの右手を見た。
「っ…。」
「ライアスはじっとしていた方がいい。」
ライアスも動こうとしたけど、ルーカスに止められた。
「怪我…か?」
ルシアスはリラの手を取り首を傾げる。
「怪我だろ!どう見たって!!」
これどうするんだ!冷やしたらいいの!?
「いや、怪我じゃない。」
ルシアスはキッパリと言い切った。
「何でそんなこと…」
リラの手はどんどん紫色になっていく。
「大丈夫だ。リラはきっと今頃あの魔女をタコ殴りにしてる。」
「はぁ!?」
あの可愛いリラがタコ殴り!?
「よく見てみろ、指先は全く傷ついていない。第二関節と第三関節が内出血してる。
拳を握っている証拠だ。
それにこの内出血の仕方は、人を殴り慣れていない時によくできる痣だ。」
ルシアスは俺に説明しながらリラの手をそっと撫でる。
「リラが一方的に攻撃してるって事はあの魔女に隙ができて尚且つ弱ってるって事だ。」
ルシアスはそう言って悪魔のような笑みを浮かべる。
「おそらく、キジャの攻撃が効いたんだろう。
最高の展開じゃねぇか。あの女に物理攻撃は有効ってことだ。
散々リラをオモチャにされたからなぁ…
何をしてやろうか…。」
「っ!!!!!」
私をなじっていた魔女が不意に息を呑んだ。
「………」
目を見開き、心底驚いているように見える。
どうしてかは知らないけど、これってチャンスなんじゃない?
「くらえ!!!」
バキッ!!!
私は思い切り魔女を殴った。
さっきと同様、魔女は怒り狂うと思っていたけど…
「っ……」
ただひたすら顔を真っ青にして固まっている。
何?何が起きてるの?
「おのれ……穢らわしい!!!!」
それは私に向けられた言葉ではない。
一体外では何が起きてるの?
**********************
sideルディ
クロウさんが魔女を死んだ魚のように棒で突く。
「一発しばいてみたら?」
俺が提案すると全員が押し黙る。
「お前、意外と容赦がないな。」
ルシアスに言われたらおしまい。
「いや、だってリラを今苦しめてる女だよ?別に優しくする必要なくない?」
俺は1秒でも早くリラを助けたい。
「それもそうだな…とりあえず、やってみるか。」
クロウさんは意を決して魔女を棒でしばく。
さっき躊躇っていた割には結構強めに叩いてるけど??
「…………」
何も起きない。
息をするわけでも、動くわけでもない。
「次は俺が。」
クロウさんからキジャが棒を取る。
「足首いってみましょーか。」
そんな事を言ってキジャは魔女の足首に棒を振り下ろした。
バキッ!!!
骨が折れる音がする。
断言するけど相当痛いはず。
それなのに魔女は変わらずピクリともしない。
「…………。」
痛みを感じてないのか…?
リラの中にいるあの魔女が今どんな状況か見てみたいけど、ライアス死にかけてるし無理だよな。
何か他に状況を知る手立てはないのか…。
*******************
sideリラ
「ギャアアァァァァァ!!!!!」
「ひっ!」
黙っていると思えば魔女はいきなり叫び出した。
「な、なに…」
よく見ると、魔女の足首が折れている。
私、足には攻撃してないのに。
「誰がこんなこと…!!殺してやる!!!」
魔女の足は痛々しい。
肌は紫色に変色して、足首がおかしな方向に曲がっている。
とりあえず今しかない。
悪いけど、ボコボコにさせてもらう。
もうこの人を気絶させるしか私に勝つ道はない!
*********************
sideルディ
「あ゛!!!」
水晶に写っている事に夢中になりすぎて俺はとんでもない失敗を冒した。
リラから目を離していた。
「なんだ、いきなり大声出して。」
ルシアスは少し驚いたように俺に言う。
「リラの手が!」
リラの右手の関節や指が内出血し始めた。
「怪我してる!どうしよう!!」
俺が必死に伝えたらルシアスも焦ってリラの右手を見た。
「っ…。」
「ライアスはじっとしていた方がいい。」
ライアスも動こうとしたけど、ルーカスに止められた。
「怪我…か?」
ルシアスはリラの手を取り首を傾げる。
「怪我だろ!どう見たって!!」
これどうするんだ!冷やしたらいいの!?
「いや、怪我じゃない。」
ルシアスはキッパリと言い切った。
「何でそんなこと…」
リラの手はどんどん紫色になっていく。
「大丈夫だ。リラはきっと今頃あの魔女をタコ殴りにしてる。」
「はぁ!?」
あの可愛いリラがタコ殴り!?
「よく見てみろ、指先は全く傷ついていない。第二関節と第三関節が内出血してる。
拳を握っている証拠だ。
それにこの内出血の仕方は、人を殴り慣れていない時によくできる痣だ。」
ルシアスは俺に説明しながらリラの手をそっと撫でる。
「リラが一方的に攻撃してるって事はあの魔女に隙ができて尚且つ弱ってるって事だ。」
ルシアスはそう言って悪魔のような笑みを浮かべる。
「おそらく、キジャの攻撃が効いたんだろう。
最高の展開じゃねぇか。あの女に物理攻撃は有効ってことだ。
散々リラをオモチャにされたからなぁ…
何をしてやろうか…。」
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