生意気な妹がVTuber活動をやってるなんて、冗談だと言ってほしい!

あすぴりん

文字の大きさ
24 / 44

第24話 打ち合わせの後で4人で体験型のアトラクションを遊ぼう!

しおりを挟む
 竹中が急遽ゲーセンにみんなで行きたいと言い出したので、駅前のマックロナルドを俺達は出た。目的のゲーセンは駅構内のそばに有名な店舗があるので、そこへ向かう。

 この大型ゲームセンターは、一般的な筐体きょうたいのゲームの他に、体験型お化け屋敷が最近出来た事で目玉となっている。この夏注目の最新ホラー体験型アトラクション。夏休みはカップルがよく挑戦するだろうなと、CMを見た時思ったものだ。

 恐怖の幽霊屋敷をテーマとしたらしい。このゲーセンでしか遊べないので、客も賑わっているだろう。

 竹中はこれを体験したくて、もしかしたら駅前に集合させたのではと思ってしまう。いや、間違いなくそうだろうな、あいつの事だから。

「これこれ! 私今日これを体験したくて来たかったんだよね~!」

 ゲーセンに入り目的のアトラクションの入り口で竹中が興奮気味に言ってきた。

「おまえ、やっぱり急にゲーセン行きたいって言った理由はこれだったか」
「あははっ。やっぱりばれちゃった?」

 竹中はちょろっと舌を出して、苦笑いをしている。まぁ、楽しそうだし、俺としては嫌じゃないけどな。

「え、これ。もしかして……、お化け屋敷みたいなやつなの?」

 すみれが入口のおどろおどろしい看板を見て、凍ったかのように固る。

 あ、こいつ、お化け屋敷苦手だったよな。ガキの頃一緒に入った時、腕をガッシリ掴まれて目を瞑って俺と進んだったっけか。あの時はそれはもう大変で、最終的におんぶして出たんだったなぁ。

「わあ、とっても面白そうですの!」

 対照的に彩夏ちゃんは興味津々で看板や中の様子を探っているけど。しかしすみれは明らかに入るのを躊躇ちゅうちょしていた。

「え~とー……、私は外で待ってようかなーって……」
「すみれ~、もしかしてまだ高校生になっても怖いのかな~?」
「すみれさんも一緒にいきますの。仲間外れはダメですの」

 すみれ以外の俺を含めた3人でチケットを買う。まだチケットを買わないので、竹中が強引にもう1枚買ってすみれに渡す。そしてぐいぐい背中を押して店員にチケットを渡して、強引にアトラクション内に全員で入って行く事になった。

「ちょっ、もう、分かったから。押さないでってば」

 さすがに諦めたのか、結局4人で入る事となったが、やはりすみれは薄暗い屋敷へと入った途端、明らかに怯えだしている。無意識なのか、俺の腕をがっちり掴んできて放す気がまるでない。しかもちょっと痛いし。

「おい、そんな強く腕を掴むなって」
「なっ、強く掴んでないし! 別に怖くなんかないし!」

 そうは言いつつも、腕は離そうとしないぞ。

 やっぱり怖かったのか。ガキの頃と変わらないな、ほんと。

 他の女性陣は怖いと感じているより、何か様子が違った。色々ギミックを観察までしている。何かすみれの様な反応の方が女の子っぽいのだが、不意にやって来る人形などにも動じていない。しかしー、彩夏ちゃんがこっちを見て、しまった! みたいな顔をした。

「渉さん、怖いですー。わたくしも手を繋いで欲しいですのっ」

 いきなり彩夏ちゃんが俺の手を取り、強引に繋いでくっついてきた。

 いやいや、全然怖がってなかったよね。多分さっきまで配信で話すネタを探していたんだろう、竹中も、彩夏ちゃんも。全く2人とも肝すわりすぎでしょ。

「彩夏ちゃんは全然怖がってないでしょ」

 いや、美少女2人にくっつかれて嫌な気はしないが、ちょっと気恥ずかしいな。

「すみれさんだけずるいですの。わたくしだって女の子なんですから」

 よりいっそうくっつきが強くなる。そしてそんな俺達の様子に気付いて、

「そんなの見せられたら、私だって混ざりたくなるじゃーん!」

 不意に竹中が後ろから抱き付いてきた。うおっ。何か背中に柔らかい感触が当たってるぞ。俺はどういうわけか、3人の女子にくっつかれて、両手に花ならぬ、両手首に花束と言った感じで、ぞろぞろと屋敷を進む羽目になってしまっている。

 嬉しくないわけないが、動きづらくて仕方ないっての。

「おい、竹中。身体をそんな押し付けるなって」
「良いじゃん別に~。何か不都合でもあるのかな~?」
「色々と男にはあるんだよ。だから離れろって」

 俺は背中から竹中を引き剥がしたくても、両手は塞がっていてどうしようもない。

「嫌だね~。ほらほらこのまま出口まで行こうよ」

 仕方なくこの団子状態で屋敷を進む事にした。薄暗い屋敷を進んでいると周囲に青白く浮かぶ丸い光がふわふわ飛んできた。ただの光だと気にせず進むと、薄暗い物陰から真っ白い装束を着た髪が長く、異常に真っ白い女性が俺の服を掴んできた。

「ひぃっ!?」
「うぉっ!」

 すみれがその女性に気付いて驚きのあまり、俺の腕を渾身の力で引っ張り、竹中と彩夏ちゃんをもひっぺ剥がして走り出した。強引にすみれと前方へと走る。びっくりしすぎて、すみれは正気じゃなくなってるようだ。

「何やってるのです貴女。もうっ、せっかく渉さんと手を繋げていたのに、貴女責任取って下さい!」
「あらー、行っちゃったねー」

 後ろの2人を首を捻って確認すると、彩夏ちゃんが幽霊役のスタッフさんに怒っているのが、遠くから見える。その幽霊役のスタッフさんは申し訳なさそうにしているし。いや、貴女は仕事をしただけから、怒られる理由なんてないぞと言ってやりたい。

「おい、すみれ、落ち着け。もう大丈夫だから、止まれって」
「ご、ごめん。びっくりしちゃって。あ、他の2人ともはぐれちゃった」
「そんな広い場所じゃないし、先に出口で待ってれば合流できるだろ。さっさと進むぞ」

 しかしすみれの様子が少し妙だ。座り込んで立ち上がろうとしない。どこか怪我でもしたのだろうか。

「大丈夫か?」
「その……、ごめん。さっきので腰が抜けちゃって。立てなくなっちゃったみたいなの……」

 とても申し訳なさそうに言うすみれは、ため息をついている。よっぽどビビッたんだろうな、こいつ。

「私は少し休憩すれば大丈夫だから、朱里たちの方へ合流してきてよ。その後で来てくれれば良いからさ」

 顔を俯けて言うすみれはあまり見られたくないのだろう。しかし、兄の俺がそんな言葉をほいほい受け入れるわけがない。当然このまま放っておくわけにはいかないよな。誰がこんな可愛い妹を1人にする兄貴がいるってんだ。

「妹を1人でこのままにするわけねーだろ。ほら抱っこしてやるからこのまま進むぞ」
「え、ちょっ、何してんのよっ!」

 俺はすみれの腕を持ち立ち上がらせ、そのまま強引に腕を引き寄せお姫様抱っこをしようとした。しかし、さすがにそれはあまりにも恥ずかしいのか、思いっきり押しのけて拒絶してきた。

「いやいや、そんなのしなくて良いから! 恥ずかしいに決まってんじゃん!」
「だからってこのままに出来るわけないだろ。じゃあ背負ってやるからそれでいいだろ?」

 わずかな間を空けて、すみれは小さく頷いた。俺はすみれを背負って幽霊屋敷の出口へ向かって歩き出した。

「変なところ触ったら蹴るからね」
「心配しなくても触らねーから、安心しておんぶされてろって」
「何で私が兄貴におんぶなんかされなくちゃいけないのよ。もー、最悪……」

 すみれはぶつぶつと、おんぶされながらも言っている。出口に向かって進む中で、途中でお化けや幽霊が脅かして来る度に、すみれが俺の首を絞めるくらい腕を締め付けてきたのは参った。それでもどうにか出口へと出る事が出来たのだった。

「やれやれ、やっと出れたな」
「一時はどうなるかと思ったけど、迷惑かけてごめん兄貴」
「別に。兄妹で遠慮なんかするなって」

 背負っていたすみれをおろす。どうやらもう立っても平気みたいだな。しかしどういうわけか、出口には竹中と彩夏ちゃんが既に待っていて、こちらをガン見してきている。

「遅いと思ったら、2人とも随分と密着して仲良しだねぇ~」
「むぅ~。わたくしも今度おんぶしてくださいの」

 彩夏ちゃんが頬を膨らませて俺の方に近づき上目づかいで見上げてくる。そんな事言われても困るんだがなぁ。

「こ、これは、私が怪我して、その。私は必要ないって言ったのに、兄貴が無理やりしてきたのよ。言っとくけど何も変な事があったわけじゃないからね」
「はいはい、そういう事にしておくから、今日は帰るとしますかね」
「朱里ってば変な誤解をしたままにしないでよー!」

 竹中がゲームセンターの出口へと向かって先に歩いていく。その後を追ってすみれも歩いて行く中で、彩夏ちゃんが俺の腕を組んできた。さっきの幽霊屋敷の事でまだ不満だったのか、あくまでこのまま行こうとするつもりらしい。

「さっ、わたくし達も帰りますの。今日は帰るまで離しませんの」
「お嬢様は最近強引になったものだなぁ」
「わたくしは前みたいにこそこそするなんてしませんの。もう渉さんを振り向かせる為なら手段を選びませんの」

 幼い顔をしているのに、やけに妖艶な笑みを浮かべる彩夏ちゃんは、何だかすごく大人っぽく見えた。本当は子どもっぽい雰囲気は全て演技なのかもと思える程に。

 結局4人で帰る中でぎりぎりまで彩夏ちゃんは腕を離す事はなかった。それを見てすみれと竹中が少し驚いたものの、特に何も言わずに見守っていたのだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

会社のイケメン先輩がなぜか夜な夜な私のアパートにやって来る件について(※付き合っていません)

久留茶
恋愛
地味で陰キャでぽっちゃり体型の小森菜乃(24)は、会社の飲み会で女子一番人気のイケメン社員・五十嵐大和(26)を、ひょんなことから自分のアパートに泊めることに。 しかし五十嵐は表の顔とは別に、腹黒でひと癖もふた癖もある男だった。 「お前は俺の恋愛対象外。ヤル気も全く起きない安全地帯」 ――酷い言葉に、菜乃は呆然。二度と関わるまいと決める。 なのに、それを境に彼は夜な夜な菜乃のもとへ現れるようになり……? 溺愛×性格に難ありの執着男子 × 冴えない自分から変身する健気ヒロイン。 王道と刺激が詰まったオフィスラブコメディ! *全28話完結 *辛口で過激な発言あり。苦手な方はご注意ください。 *他誌にも掲載中です。

俺が宝くじで10億円当選してから、幼馴染の様子がおかしい

沢尻夏芽
恋愛
 自他共に認める陰キャ・真城健康(まき・けんこう)は、高校入学前に宝くじで10億円を当てた。  それを知る、陽キャ幼馴染の白駒綾菜(しらこま・あやな)はどうも最近……。 『様子がおかしい』 ※誤字脱字、設定上のミス等があれば、ぜひ教えてください。  現時点で1話に繋がる話は全て書き切っています。  他サイトでも掲載中。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない

みずがめ
恋愛
 宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。  葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。  なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。  その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。  そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。  幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。  ……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。

隣人の幼馴染にご飯を作るのは今日で終わり

鳥花風星
恋愛
高校二年生のひよりは、隣の家に住む幼馴染の高校三年生の蒼に片思いをしていた。蒼の両親が海外出張でいないため、ひよりは蒼のために毎日ご飯を作りに来ている。 でも、蒼とひよりにはもう一人、みさ姉という大学生の幼馴染がいた。蒼が好きなのはみさ姉だと思い、身を引くためにひよりはもうご飯を作りにこないと伝えるが……。

至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件

こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。

再婚相手の連れ子は、僕が恋したレンタル彼女。――完璧な義妹は、深夜の自室で「練習」を強いてくる

まさき
恋愛
「初めまして、お兄さん。これからよろしくお願いしますね」 父の再婚によって現れた義理の妹・水瀬 凛(みなせ りん)。 清楚なワンピースを纏い、非の打ち所がない笑顔で挨拶をする彼女を見て、僕は息が止まるかと思った。 なぜなら彼女は、僕が貯金を叩いて一度だけレンタルし、その圧倒的なプロ意識と可憐さに――本気で恋をしてしまった人気No.1レンタル彼女だったから。 学校では誰もが憧れる高嶺の花。 家では親も感心するほど「理想の妹」を演じる彼女。 しかし、二人きりになった深夜のキッチンで、彼女は冷たい瞳で僕を射抜く。 「……私の仕事のこと、親に言ったらタダじゃおかないから」 秘密を共有したことで始まった、一つ屋根の下の奇妙な生活。 彼女は「さらなるスキルアップ」を名目に、僕の部屋を訪れるようになる。 「ねえ、もっと本気で抱きしめて。……そんなんじゃ、次のデートの練習にならないでしょ?」 これは、仕事(レンタル)か、演技(家族)か、それとも――。 完璧すぎる義妹に翻弄され、理性が溶けていく10日間の物語。 『著者より』 もしこの話が合えば、マイページに他の作品も置いてあります。 https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/658724858

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...