トップ冒険者の付与師、「もう不要」と言われ解雇。トップ2のパーティーに入り現実を知った。

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6話

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◇◇◇


「ーーライドさんは、どうして【竜の爪ドラゴン・ネール】を抜けたのですか?」


40階層の攻略に向かう道中、僕が解雇された理由を知らない【パレード】のメンバーからそう聞かれた。


聞いてきたのは、【双剣使いのアル】。


その隣には、もう1人、【双剣使いのルア】もいる。


2人は双子であり、顔も声も瓜二つ。


性格が少し違っていて、活発なのがアルで、物静かなのがルアだ。


戦闘では、お互い何も言わずに意思疎通しているような連携で、かなり頼りになる存在。


「実はーー・・・」


僕はパーティーから解雇された理由を【パレード】の皆に話した。


付与師ふよし】の効果がないように言われたことを・・・。


「ひどいですね・・・」


僕の話に共感してくれたのは【回復職ヒーラーのエレナ】だった。


同じ後衛職であり、どこかわかり合える部分があったのかもしれない。


「ーー話はそこまでみたいです。
もうすぐ40階層に着きます」


すると先頭を進むリーダーである【大剣使いのクイナ】からそうパーティーメンバーに声が掛かった。


ここからは一度突破している階層とはいえ油断は禁物。


それなりに深い階層であり、簡単に突破できるような場所ではない。


「40階層に入る前に、『付与ふよ』を使っておきますね」


僕は前のパーティーにいた時から行なっていた下準備をする。


いつも階層に入る前に『付与』でパーティーメンバーに『ステータス上昇バフ』を行なっていた。


これまでの経験上、僕の魔力量による効果時間は十分に階層を突破するまで持続できることはわかっている。


それはパーティーが違っても、同じトップランカーの【パレード】なら可能だろうと思えた。


「わかりました」


僕の話を聞いて、クイナが納得してくれた。


ステータス上昇バフ』を行なうのに少しだけ時間がかかるため、伝えていないと付与される前に先に進んでしまう恐れがあったからだ。


皆には少しだけ待ってもらう。


ーー『身体能力向上フィジカルアビリティ・インプルーブメント


この『付与』はパーティーメンバー全員に行なう。


長時間の攻略をスムーズにするため。


ーー『防御力向上ディフェンス・インプルーブメント


これも全員に行なう。


もしもの時のために生存率を上げる。


ーー『攻撃力向上オフェンス・インプルーブメント


ーー『瞬発力向上インスタンティニアス・インプルーブメント


この『付与』は、主に前衛職の3人、クイナ、アル、ルアに行なった。


ーー『魔力向上マジカル・インプルーブメント


この『付与』は後衛職の2人、僕とエレナに行なった。

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