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国立生命研究所での記憶2
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目が覚めた。窓がない部屋なので、今が何時か分からない。
テレビをつけると、ニュース番組が放送されていた。表示時刻は5時過ぎ。
早朝だったのか。布団に入り、再び眠ろうとするが、熟睡できたからなのか、慣れない環境のせいなのか、眠る事はできなかった。
ボーッとこれからの事や今までの事を考えていると、ドアが叩かれる。テレビに目をやると時刻は7時。
「朝ごはんになります。この後、8時より、案内役が参ります」
朝ごはんもシンプルな物だった。
トーストに目玉焼き。サラダ。
そして、時刻は8時になった。ドアが叩かれる。
「案内役の山下です。こちらへどうぞ」
山下に案内されるままに、僕はエレベーターに乗った。2階で降りて通路を奥に。扉は多くあった。その中の一つに案内される。
部屋の中は殺風景。テーブルを挟むソファ。ただそれだけ。
「ソファに座って少しだけ待って下さいね」
山下はどこかへ行った。僕は大人しく、ソファに座り山下を待った。
再びドアが開き、ノートパソコン、そして大量の資料だろうか。ファイルを持った山下が対面のソファに座る。
「お待たせしました。これより、西山アキラ君。君の今後について、案内させてもらうね」
やっと僕がどうなるのか分かる時が来た。死にたいけど死ねなかった僕。
「ここは人間を冷凍保存して、未来の技術によって再び生き返るように管理する施設なんだ」
テレビで見た事がある。海外では大金を支払って、未来に生き返る技術ができた時に備えて死体を保管してもらうサービスがあるとか。
まさか、それを日本政府が行なっているとは…
簡潔に述べると、僕は死体になって、冷凍保存から生き返る技術の実験体になる。と言う事だ。
「しかし、これは慈善事業ではない事は分かるよね?」
山下は話を続けた。
「遠い未来、そこはどうなっているのか。それは誰にも分からない。その時代に合わせて、生き返った時には必要とされる人材になってもらいたい」
契約書が提示される。その内容は難しい文章で表現されており、僕の頭では全てを理解する事はできなかった。
山下が一つ一つに補足を加えながら僕に理解できるように助けてくれる。
「これにサインと母印、そして判子を押せば契約は結ばれる」
山下は全ての説明が終わり、コーヒーを口に含んだ。そして、それを喉に通すと、こちらを睨むように言った。
「小林から言われたよね。ここまできたら、どうするべきか。それは君の判断に任せるが」
つまり、もう引き返せないところまで辿り着いた訳だった。
そう、死にたかった僕は、堂々と死ぬ事ができる。お願いしたいくらいだ。
そして、僕は日本政府のモルモットになった訳だ。
テレビをつけると、ニュース番組が放送されていた。表示時刻は5時過ぎ。
早朝だったのか。布団に入り、再び眠ろうとするが、熟睡できたからなのか、慣れない環境のせいなのか、眠る事はできなかった。
ボーッとこれからの事や今までの事を考えていると、ドアが叩かれる。テレビに目をやると時刻は7時。
「朝ごはんになります。この後、8時より、案内役が参ります」
朝ごはんもシンプルな物だった。
トーストに目玉焼き。サラダ。
そして、時刻は8時になった。ドアが叩かれる。
「案内役の山下です。こちらへどうぞ」
山下に案内されるままに、僕はエレベーターに乗った。2階で降りて通路を奥に。扉は多くあった。その中の一つに案内される。
部屋の中は殺風景。テーブルを挟むソファ。ただそれだけ。
「ソファに座って少しだけ待って下さいね」
山下はどこかへ行った。僕は大人しく、ソファに座り山下を待った。
再びドアが開き、ノートパソコン、そして大量の資料だろうか。ファイルを持った山下が対面のソファに座る。
「お待たせしました。これより、西山アキラ君。君の今後について、案内させてもらうね」
やっと僕がどうなるのか分かる時が来た。死にたいけど死ねなかった僕。
「ここは人間を冷凍保存して、未来の技術によって再び生き返るように管理する施設なんだ」
テレビで見た事がある。海外では大金を支払って、未来に生き返る技術ができた時に備えて死体を保管してもらうサービスがあるとか。
まさか、それを日本政府が行なっているとは…
簡潔に述べると、僕は死体になって、冷凍保存から生き返る技術の実験体になる。と言う事だ。
「しかし、これは慈善事業ではない事は分かるよね?」
山下は話を続けた。
「遠い未来、そこはどうなっているのか。それは誰にも分からない。その時代に合わせて、生き返った時には必要とされる人材になってもらいたい」
契約書が提示される。その内容は難しい文章で表現されており、僕の頭では全てを理解する事はできなかった。
山下が一つ一つに補足を加えながら僕に理解できるように助けてくれる。
「これにサインと母印、そして判子を押せば契約は結ばれる」
山下は全ての説明が終わり、コーヒーを口に含んだ。そして、それを喉に通すと、こちらを睨むように言った。
「小林から言われたよね。ここまできたら、どうするべきか。それは君の判断に任せるが」
つまり、もう引き返せないところまで辿り着いた訳だった。
そう、死にたかった僕は、堂々と死ぬ事ができる。お願いしたいくらいだ。
そして、僕は日本政府のモルモットになった訳だ。
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