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機材ショップ
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私が見つけた店がある所はショッピングモールから離れた所にあった。
「柊さん」
「なに?」
「ありがとう、俺のわがままに付き合ってくれて」
「だからいいんだって。
榊原くんはいつも私に振り回されてたんだし、何よりこの間の仮もあるからね」
私は榊原くんを引っ張るように前に出て歩くスピードをあげる。
そうして店の前まで到着しドアをくぐる。
「らっしゃい」
そう言って店主の男の人が出てきた。
「榊原くん、ほら」
そう言って榊原くんの背中をぽんと叩く。
「えっと、これを治してもらいたくて」
そう言いながら榊原くんはポケットから音楽プレイヤーを出した。
「これはまた、随分と古いのを使ってますなぁ」
そう言いながら店主のおじさんは榊原くんの音楽プレイヤーを手に取った。
「もうこの方は製造されてなくてね。
修理に出すとなっても部品がない」
そう言っておじさんは新しい音楽プレイヤーが入った箱を取り出した。
「今の時代、みんな携帯で音楽を聞くようになったけどWALKMANみたいなので聞きたいって人も結構いるんだよ」
「そう、ですか」
榊原くんは治せないと言われた音楽プレイヤーを手に取りポケットにしまいながら言う。
「その端末は治せない。
でもそれに似たものはある、これも何かの縁だ。安くしとくよ」
「ありがとうございます。
…じゃあ、1つください」
「はいよ、色は何がいい?」
「青、ありますか」
「もちろん」
「ならそれを1つ、」
その後榊原くんは新しい音楽プレイヤーを購入し古い方に入ってた音楽を新しいものに入れ替えることができ、榊原くんは複雑そうな顔をしながらも店を出て行った。
「その音楽プレイヤーさ、何か特別なものなの?」
「え?」
電源の入らない音楽プレイヤーを見つめながら歩く榊原くんに私は質問を投げかけた。
「だっていつも肌身離さず持ち歩いてるし、せっかく新しいの買ったのに嬉しそうというかなんというのかな、新しいのに興味を示さないって言うか」
「これね、お父さんとお母さんが俺が子供の頃に買ってくれたものなんだ。
昔から音楽が好きでずっと聴いてたらその時のクリスマスに…」
「そっか、だからずっと肌身離さず持ってるんだね」
「うん、親戚の人達に引き取られた時もずっとこれで音楽を聴いてた。
寂しさ、悲しさ、色んな気持ちを誤魔化すように」
榊原くんは手に持ってた音楽プレイヤーをズボンのポケットにしまった。
「でも最近は寂しいとはあまり感じないんだ」
「それはいい事だね。
寂しくないって事はそれだけ毎日を楽しめてるという事、友達が増えてきてるってことだね」
「どうだろう」
そういう榊原くんの背中を叩いて
「そういう事なの~!」
と言って榊原くんと街を歩くのだった。
「柊さん」
「なに?」
「ありがとう、俺のわがままに付き合ってくれて」
「だからいいんだって。
榊原くんはいつも私に振り回されてたんだし、何よりこの間の仮もあるからね」
私は榊原くんを引っ張るように前に出て歩くスピードをあげる。
そうして店の前まで到着しドアをくぐる。
「らっしゃい」
そう言って店主の男の人が出てきた。
「榊原くん、ほら」
そう言って榊原くんの背中をぽんと叩く。
「えっと、これを治してもらいたくて」
そう言いながら榊原くんはポケットから音楽プレイヤーを出した。
「これはまた、随分と古いのを使ってますなぁ」
そう言いながら店主のおじさんは榊原くんの音楽プレイヤーを手に取った。
「もうこの方は製造されてなくてね。
修理に出すとなっても部品がない」
そう言っておじさんは新しい音楽プレイヤーが入った箱を取り出した。
「今の時代、みんな携帯で音楽を聞くようになったけどWALKMANみたいなので聞きたいって人も結構いるんだよ」
「そう、ですか」
榊原くんは治せないと言われた音楽プレイヤーを手に取りポケットにしまいながら言う。
「その端末は治せない。
でもそれに似たものはある、これも何かの縁だ。安くしとくよ」
「ありがとうございます。
…じゃあ、1つください」
「はいよ、色は何がいい?」
「青、ありますか」
「もちろん」
「ならそれを1つ、」
その後榊原くんは新しい音楽プレイヤーを購入し古い方に入ってた音楽を新しいものに入れ替えることができ、榊原くんは複雑そうな顔をしながらも店を出て行った。
「その音楽プレイヤーさ、何か特別なものなの?」
「え?」
電源の入らない音楽プレイヤーを見つめながら歩く榊原くんに私は質問を投げかけた。
「だっていつも肌身離さず持ち歩いてるし、せっかく新しいの買ったのに嬉しそうというかなんというのかな、新しいのに興味を示さないって言うか」
「これね、お父さんとお母さんが俺が子供の頃に買ってくれたものなんだ。
昔から音楽が好きでずっと聴いてたらその時のクリスマスに…」
「そっか、だからずっと肌身離さず持ってるんだね」
「うん、親戚の人達に引き取られた時もずっとこれで音楽を聴いてた。
寂しさ、悲しさ、色んな気持ちを誤魔化すように」
榊原くんは手に持ってた音楽プレイヤーをズボンのポケットにしまった。
「でも最近は寂しいとはあまり感じないんだ」
「それはいい事だね。
寂しくないって事はそれだけ毎日を楽しめてるという事、友達が増えてきてるってことだね」
「どうだろう」
そういう榊原くんの背中を叩いて
「そういう事なの~!」
と言って榊原くんと街を歩くのだった。
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